ある私鉄のホームで、私は電車の到着を待っていた。
すでに10名ほどがきちんと並んでいて、私は最後部に並んだ。
行先ごとに並ぶ場所は表示されていて、それぞれに列ができる。
電車の到着直前に私たちが並ぶすぐ隣に7、8人の高校生が入ってきた。まさかこの電車に乗るのではないだろうと思っていたが、ひょっとしたらと疑いの目で見ていた。
心配した通り、電車が着くなり、列の先のほうに全員が割り込んだのである。
大声で割り込みをするなと怒鳴りそうになった。
しかし、声を出すことができなかった。
本当に勇気のない年寄りで、不甲斐ない自分に腹が立った。
顔を睨みつけてやったが、まったく悪いことをしたとは思っていないようである。
シャツの上部ボタンをはずし、金のネックレス、耳には5個ほどのピアス、腕には数珠のような装飾品をぶら下げている。これが高校生かといういでたち。
体だけはでかいが、していることはまるで子供。この馬鹿者が、高校生にもなって善悪の区別もつかないのかとみんなを睨みつけていた。
中学、高校はどんな教育をしてきたのだ。知識の詰め込みばかりで、悪いことは悪いと教える先生がいないのでは。いつもこのような理不尽で非常識なことを平気で繰り返しているのではないかと思うとますます腹が立った。
家へ帰って家内にみんなを並べて平手打ちにしてやりたかったと遠吠え。
家内はそんな若い子にもいい子もたくさんいる。人を服装や1回だけの行為を見て判断するのはいけないと注意されてしまった。
確かにそうだ。最近はもっと腹を立てなければならないことがいっぱいある。
原発汚染水垂れ流し、JR北海道の安全意識の低さなど。それに身近な私の住む町では議員の政務調査費の不正受給。
特に私は議員の不正には腹が立つ。
みんなの代表であり、クリーンであるべき議員が次から次へと悪事を働いている。これだけ不祥事が続くと、ほとんどの議員が不正をしているのではないかと思われても仕方がない。
表に出ているのはほんの氷山の一角。おそらく、もっともっとたくさんの不正があるのだろう。
あまり疑いの目では見たくないが、へそ曲がりの年寄りにはそう思えて仕方がない。
疑いを晴らすために、政務調査費の不正受給があったら即刻議員職を辞するとの強い申し合わせを自主的にしてもらいたい。
たとえできたとしても、スルリスルリと上手にすり抜けるだろうが。