さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

ストップエイズじゃない時代に必要なものは、なんだろう。

2010年06月03日 00時57分29秒 | HIV

そんなわけで、鳩山首相が辞任表明しちゃいましたね。
国民に届かない言葉…どこで、その言葉は、どうして信用できなくなってしまったのか。

次期首相は、言葉に、力がある人に、お願いしたいと。

珍しくHIV関連の日記続きます。
自分の中では勝手に{HIVウィーク キャンペーン」になってます。

今日書きたかったのは、NHK教育テレビで放送された、HIV特集の話。

一昨日からNHK教育テレビでHIV特集が放送されました。

「ハートをつなごう HIV」

三夜連続で、ホストの石田衣良(作家)、ソニン(タレント)、桜井洋子(NHKアナウンサー)の三人と一緒に、
HIV陽性者やボランティア関係者、医療従事者が、
それぞれの経験や、感じていること、現在の活動を語って行く番組です。

実は、第一夜を見逃していて、全部内容を見てないのですが、
陽性者の手記のリーディングイベント(Living Togethr Lounge)や、
新宿で行われているコンドームの配布活動(デリヘル)の活動、
陽性者による大学での講義活動などの様子も追っていました。


えーとですね、
自分は、あまり記憶にないのですが、
セクシャリティをはっきりさせてモザイクなしで、
HIVのことをテレビで語ることって、今までなかったと思うんですよ。

いや、ニュース番組の特集であったかもしれないけれど、
HIVをテーマにする時は、薬害であったり、発展途上国の問題だったり、
セクシャルマイノリティであっても、インタビューはコンパクトに編集されてしまっていたり。

ストップエイズ的な視点からではなく、
陽性者サイドの視点から作られたという意味で、
すごく画期的だと思うんですよね。

もう死ぬ病気じゃないとことや、
薬を服用し続ければ長く生きられるといったことは情報で流れていても、
その裏側に抱える陽性者の悩みが、
さらには、恋愛やセックスの事、告知されたときに話や、友人にカミングアウトする話などが、
あんなにはっきりとテレビで語られたのを見たのは、僕は初めてでした。

先日のぷれいす東京さんの活動報告会でも聞きながら思っていたのですが、
どんな人でも、身近に当事者や事例がないと、その物事のイメージってなかなか理解できないですよね。
どんなに情報が行きわたっても、どんなに頭で理解していても、
目の前でHIV陽性者が話をすることでしか理解できないことってあると思うんですよ。

そういえば、ちょうど、去年の夏ごろだったかな。
仕事中だったのですが、酔っ払ったお客さんが、転倒して出血を伴うけがをしたんですね。
自分は止血しようと、とにかく素人処置で、タオルで巻いたり、流れた血を拭いたりしていたんですけれど、
自分の女性上司が、あとからやってきた救急救命士に言われたそうで、

「あなた、これから絶対に素手で(血液を)触ってはだめよ!エイズだったらどうするの?」

と自分が叱られてしまいました。
もちろん、医療では医療事故を防ぐために、体液がついたものを素手で
触ることはいけないことで、気をつけなければならないけれど、
彼女が僕がHIV陽性者だって知っていたら、同じ言葉で僕に話しただろうかと、思った。

僕の感染経緯や、告知を受けるきっかけなんかは、
昔のブログの日記には書いたけど、どす黒いヘドロのようなもので、
とてもテレビで話せるものではない。
感染の原因の多くを占める同性間の性的接触の多くは、
自分の経験と同じく、おそらく人には話せないような経験も多く含んでいると思うけれど、
それでもテレビで語っていたような、ある意味、立派なロールモデルが、必要なんだと思います。
川田龍平さんのような、薬害エイズ患者じゃない、時代のアイコンが。
感染者がリアルな言葉で語る、セクシャリティ、恋愛やセックスを通じて考え、感じる悩みが、
頭では理解できないことへの理解が進まるように思えました。


そんなわけで、この「ハートをつなごう HIV」。
再放送があります。

NHK教育テレビ 6月7日(月)~9日(水) 正午~12時29分

自分も第一夜は、ちやんと録画予約しなくては。



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8 コメント

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Unknown (まるこめ)
2010-06-04 01:11:28
僕も「C型肝炎」になって「人に移してしまう」ということを考えるようになりました。
歯医者もそういう感染者専門のところに行ってます。床屋さんでもヒゲそりはやめました。
全部感染させる危険のあるところですから…。
僕は感染の原因がわからないのですが、わからないからこそ気づかずに僕も人に移してしまう危険があるっていうことですよね。
そう考えると本当に「血」の扱いに対して真剣に考えてしまいます。
Unknown (龍児)
2010-06-05 16:45:27
日本でも「ハートをつなごう」のようなテレビ番組が作られるようになったこと、とてもいいことだと思います。実際にその番組を見た事はないんだけど、これからも同様の特集がそこで組まれて少しでも多くの人、ゲイもストレートも両方とも、が見てくれるようになればいいな、なんて思ってます。
Unknown (kumazzzo)
2010-06-05 22:32:21
>まるこめさん

自分も他人の血液に関して意識が低かったですね。
でもなあ、血だらけになっているのに、手袋がなくちゃ床拭けませんじゃ、
仕事にならないしなあ。

>龍児さん

ゲイのポジティブがテレビで体験を話すなんて、
なかなか、ビックリだったですよ。
たぶん、流れとして、今後そういうシーンが
出来てくると、意識も変わるのでしょうね。
NHK教育だからできたことだと思うけど、
他のメディアに広がって行くのはちょっと時間がかかりそうですね。、

Unknown (ms14a_kuan)
2010-06-06 11:31:01
僕も見ました。

再放送の情報、どうもです。
第三夜を見逃したのでありがたいよ。
Unknown (kumazzzo)
2010-06-06 12:05:18
>ms14a_kuan君

そうそう再放送されます!
昼間だから、気をつけね。
自分も予約したよ。
でも、一体、この番組、視聴率ってどのぐらいあったのかな。
届いてほしい人に届けばいいと思っているけど、
それでもちょっと気になります。
Unknown (おっちゃん)
2010-06-07 13:14:12
こにちは~。
元気にしてますか^^

再放送の情報、ありがとう!
「ハートでつなごう」て番組、好きさ。
タイミングが合えば、じっくり見て、考えたりしています。

俺には、とーーても大好きで大切な友人がいるんだけどさ。
世界中にたったひとりしかいない、そいつです。
代わりなんていません。

大事な人だから、もっとそいつの事を知りたいと思ったり、近くにいたいと思うから、自ずと病気の事も知りたいと思うよね。お互い解り会いたいし、お互いを受け入れたいと思うよね。それが、人の気持ちの自然の流れなのかもしんないね。

その、大好きな友人と今月、久しぶりの再会さ~。
いろんな話しをしようと、楽しみにしているところです。
Unknown (sakura)
2010-06-07 17:03:08
そんな出来事もあったんだ。
わかっている人だとエイズとは言わんよねぇ。救急救命士がわかっていなさそう(せめて「HIV」って言葉を使うと思う)。

もし職場に救急箱があったら、そこにビニール手袋(使い捨てできるもの)が入っているといいんじゃないかな。近頃は意外とそういう用意している職場もあるみたい。
Unknown (kumazzzo)
2010-06-07 22:46:15
>おっちゃん


最近っつーか、昔に比べて、教育テレビはいろんなテーマを
取り上げるようになったよね。
形式ばった番組内容じゃなくて、取り上げるテーマも番組の作り方も。
僕も、今月末、久しぶりに友達に会えるのを楽しみにしているんだよ。
命を大切にし、心やさしい、その人の話や
小さな命を持つ家族に会えるのが、
楽しみなんですよ。

>sakuraさん

いや、救急救命士がわかってなかったのか、
女性上司が言葉を読み変えたのかは、
定かじゃないんだけれど、
たしかに、薄手の使い捨ての手袋なんかは、用意しておいたほうがいいかもね。
今日、第一夜分の再放送見たんだけれど、
母子感染していないことが分かるまで1年半かかって、
それまで赤ちゃんも抗HIV剤を飲み続けなくちゃいけないんだね。
そんな風にして頑張っている子供のこと考えたら、
僕も勇気もらった気がしたよ。

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