先日は、HIVの診察日。
相変わらず、免疫力を表すCD4の値は良好で、ただ、血圧の薬の量が増えてしまいました。
この一年で10kg以上の体重増加なので、仕方ないですな。
さて、同じ日、もうひとつ、HIV関係のイベントにおじゃましてきました。
えーとですね、医学の分野には、その研究成果や問題を広く発表したり討議したりする、学会というシステムがありますが、
HIVの分野でも、日本では年に一度、日本エイズ学会という名前で、総会が開催されています。
日本では、こうした学会には、医療関係者が主に参加することが多いということですが、
この日本エイズ学会は、医療関係者だけでなく、行政関係者やボランティア団体など、
他の学会に比べ、比較的オープンな形で開催されているようです。
今年度のエイズ学会は、昨年11月に開催されたのですが、
そのエイズ学会に、患者の参加を促すことを目的に「HIV陽性者参加支援スカラシップ委員会」という組織があります。
日本エイズ学会自体は1987年から開催されていますが、
スカラシップ委員会による、患者の参加支援が始まって、今年で5回目になるそうです。
学会自体には、参加登録料や講演内容の抄録に、3日間の宿泊費に交通費など、
素人には、意外に高く(?)つくのですが、実は、発表内容について、どんな発表しているんだろうと、
以前から興味がありました。
そこで、このスカラシップを利用して参加した、陽性者の方々のエイズ学会の報告会を覗いてきました。
この報告会で聞きたかったのは、患者視点で見た、今年度のエイズ学会のサマリー的な報告を期待していたのですが、
どちらかと言うと、参加した方々が聞いた演題やシンポジウムについての感想が主な報告内容。
でもですね、50名近く参加された方々の報告書や、今回報告会に登場した、3名の方の話を聞くと、
参加したことによって、意識の変化が行動に現れたり、ボランティア関係の仕事に生きたりと、
学会への参加という行為自体が、とても充実していたんだなと感じられました。
報告会の最後には、このスカラシップの運営を支援しているボランティア3団体からそれぞれ代表して
話があり、学会に患者当事者が参加することの意義だったり、
患者が声をあげて政策に反映していくことの大切さを話されていました。
自分は、基本、声をあげるのが苦手で、現状の支援体制について、何一つ不満に思っていないのですが、
HIVという病気については、とても多面的で複雑な問題と、多くの情報を内包しているので、
患者が「知っておく」ことの多さや深さ、鮮度について、改めて認識しました。
演題にはですね、「MSM」「パートナーへの通知と支援」など、ゲイコミュニティに深くシンクロした内容も多く、
一度、エイズ学会自体に参加してみたいなーという欲求が強くなった、そんな報告会でした。