さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

ナポリタンだけは、スパゲティだといつまでも呼び続けたい。

2010年04月11日 14時18分39秒 | 食べ物の話
なんつーかですね、テレビ番組とかでですね、
とりとめのない内容なのに、ずっと続けていると、独特のポジションを
いつの間にか築いていることってあると思います。

たとえば、自分の中では、「王様のブランチ」(TBS)って、
番組開始当初から、書籍や映画などのランキングと新作紹介という、
「ぴあ」だとか「東京ウォーカー」をそのまま番組にしたような印象。
べつに、「ブランチ」だからという内容ではなかったはずですが、
各コーナーをナビする出演者やスタッフの長年の取材力などによって、
しだいに、普段あまり表に出ない作家さんがテレビ取材に応じたり、
「ブランチ独占」でハリウッドスターのインタビューがとれたりして、
視聴者にも、各業界にも影響力を持つようなポジションになっていると思うのですが、
その中で、最近、残念に思っていたのは、グルメコーナーの縮小でした。

ネットに配信されたニュースで、最近、テレビ業界の不況を受けて、
王様のブランチなどでは、取材回数を減らして経費削減をしているという記事を
読んだことがあって、久しぶりに土日休みになって「王様のブランチ」を見ると、
午前11時台のお楽しみだったグルメコーナーが、
タレントの番組宣伝などと絡めた、お勧めの1軒のみのコーナーに変わっていて、
とてもがっかりでした。

が、しかし!
先週から、どうやら、その名物コーナーが、名前も新たに復活したようで、
「今年オープンしたての人気店」と題して、
今回は矢口真理プロデュースのしゃぶしゃぶ店や
バブル期にモデルで人気だった高橋兄弟がプロデュースした、
「東京コラーゲン」という店など含め、4軒ほどの店を紹介していました。

ちょっと宣伝っぽい店もはいってるのが気になりますが、
まあ、そこはテレビですから、
プロモーションとして紹介しなくてはいけない店も含め、
「あのコーナーいつも気になるんだよなあ」と
思えるようなコーナーに再び復活するのを期待してる今日この頃です。

そんなわけで、今日の本題は、
同様に独特のポジションを築く喫茶店の、名物メニューのお話。

画像は、千代田区神田神保町「さぼうるⅡ」で、ナポリタン。
この日、ご一緒したのは、お花見の二次会オフで、ご一緒させてもらったms14a君。
先日の新橋のナポリタンの話題で盛り上がったら、
どうやら、昔から気になっていた喫茶店が、テレビで、紹介されていたらしく、
せっかくなので、ご一緒して食べてきました。

「さぼうる」「さぼうるⅡ」と2軒ならぶ、この喫茶店。
50年続く喫茶店は、出版関係の店が集まる、この街らしく、
文化人や界隈の業界人やサラリーマンに人気なんだとか。
店の入り口には、大きな木。木彫りのインディアン風のオブジェと、レンガ壁。
手書き風の看板には、「さぼうる」の文字。
そして、ドアの向こうの薄暗い店内。
いつか、行ってみたかった店の一つです。

最初に入った「さぼうる」は、夜になるとバーになるようで、
お食事メニューがあるのは、「さぼうるⅡ」だけだとか。
もちろん「さぼうるⅡ」のほうも、昔ながらの喫茶店の雰囲気。
子供のころは、喫茶店は、みんなこんな感じでした。

さっそく席に着いてメニューを開くと、そこに広がるのは、まさに喫茶店メニュー。
いつからでしょうか、スパゲティのことをパスタと呼ぶようになったのは。
ここのメニューには、パスタはなんて言葉はないかのようです。

ナポリタンにハンバーグを追加して頼むと、
店員さんが、テーブルを別のところから持ってきて追加してくれました。

待つこと、数分。
で、画像のナポリタンの登場ですよ。

くまぞー「うまそー」

盛りがいい!
大盛りにしてないから比較は出来ないけれど、
量で言えば、先日の、新橋の「むさしや」に引けをとってません。

具には、マッシュルームに、ウインナー、
ハム、たまねぎってところでしょうか。
よく炒めてあるタマネギが様子をみただけで、ワクワクしてきます。

用意してあったお箸で、スパゲティを持ち上げると、
ケチャップに少し生クリームを入っているのでしょうか、
乳化したケチャップがねっとりと少し細めのスパゲティに絡んでいます。
このナポリタンがおいしいのは、この時点で決まってるようなものです。
甘くもなく、酸っぱくもなく、
洋食屋のナポリタンにもつながる、クリーミーな上品さです。

これは、うまい!
質と量、どちらも担保されている、絶妙なバランスです。

あとは、口の周りの汚れも気にせず、
完食まっしぐら。
ナポリタンに奪われた心を取り戻すのに必死でした。

ご飯を食べた後も、
喫茶店ならではってことでしょうか、
聞こえそうで聞こえない程よい距離の感覚の席で、
セクシャリティの話や、自分の病気の事や旅行の話など、
いろんな話をさせてもらいました。ありがとう。

コーヒーで何時間も粘りたくなると言っては、お店には迷惑ですが、
そんな空間に気持ちも身も言葉もゆだねたくなる、素敵な喫茶店でした。