チャチャヤン気分

《ヘリコニア談話室》後継ブログ

「濹東綺譚」読み中

2022年09月16日 22時35分36秒 | 日記

 承前。50%まで読みました。
 本篇、構成が『その果てを知らず』と案外似ています。
 人生から退いた老境の作家が、作中作を書きながら、この世界をなかば無責任に、外からの目で眺めています。
 とりわけ本篇の「わたくし」は、過去からのタイムトラベラー、というよりも、現代という孤島に漂着し、現代人という未開の野蛮人(現代人と自分をはっきりと区別しています)のなかに置き去りにされ、日がな浜辺にひとり座って、水平線の向こうの過去を(めそめそ?)望郷している過去人といいましょうか。
 濹東を見る目も、主人公が嫌悪する現代人(といっても昭和10年代)の優越意識の上から目線ではないけれども、だからといって同じ高さでもない。外から観察するスポック的な目のような(ただし濹東世界の描写は心象風景的でさすが)。
 そこが、眉村さんほど枯淡の域には達していないところなんですよね。80歳と60歳の違いしょうか。だいたい40歳に見える60歳では、とても枯れきれませんよね\(^o^)/

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「濹東綺譚」に着手

2022年09月15日 21時05分34秒 | 日記

 久方ぶりにPCでテキストを作成、モニター画面を凝視していたせいでしょうか、また目の調子が悪くなってしまいました。それとは別に、ここ数日は校正の真似事もしていまして、むしろこっちが目にとってはよくなかったかな。眼鏡を替えてそんなに経っていないのに、困ったもんです。
 それなのに、なにをトチ狂ったか、『濹東綺譚』を読み始めてしまいました。青空文庫をキンドルで。
 何を考えているのでしょうねえ。何も考えていないのです。衝動に身をまかせるタイプです。汗。
 今日も日中は暑くて、辛抱たまらず家から逃げ出し、近くの喫茶店で避暑しながら読み始めました。
 話は飛びますが、そういえば、眉村さんはつねに「カフェ」でしたね。「喫茶店」と記すことはなかったような。初期のサラリーマンものにはあるかもしれませんが(未確認)、晩年の作品では見た記憶がありません。なぜ「喫茶店」という表記をされなかったのか、その辺興味があるのですよね。
 お話もどして、『濹東綺譚』です。
 いや面白い。喫茶店で30分の間に、一気に30%読みました。
 冒頭、主人公が、警官に不審尋問を受けるも、臆せず対抗するというか、むしろ積極的に警官を茶化しにかかります。さすが反権力もとい権力権威嫌いの著者らしいなあ、と感心していたら、だんだん 竜頭蛇尾に。なんだよ(笑)。でも、たしかにそういうもんではあるのですよね。つかみバッチリ。
 ところで、15%あたり、主人公が京成電車の廃線路の土手に上がって、

《土手の向側は、トタン葺の陋屋が秩序もなく、端しもなく、ごたごたに建て込んだ間から湯屋の烟突が屹立して、その頂きに七八日頃の夕日が懸っている。空の一方には夕栄の色が薄く残っていながら、月の色には早くも夜らしい輝きができ》

 となっているのですが、「七八日頃の夕日」? 
「七八日頃」とあり、「月の色には早くも夜らしい輝きができ」と続くのですから、ここは「夕月」でなければおかしい。
 と気づいてしまうと、もう読書に集中できません。すぐに荷持をまとめて帰宅。本棚から岩波文庫版※を取り出してきました。


※1988年の第36刷。ということで34年ぶりの再読。この頃にはすでに岩波文庫もカバーがかかっていたようですね。


 パラパラめくって当該頁(31頁)を開けると、はたして「夕月」でした。
 おそらくOCRの読み取りミスが残ったものかと思いますが、底本が新潮文庫版となっているので、底本がそもそも間違っていた可能性もあります。新潮文庫版をチェックすべきですが、この歳になりますと、もはやそんな気力も体力もなくなってしまいました。若い世代に期待したいと思います(>おい)\(^o^)/

 

 

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遅ればせながら「田園の憂欝」

2022年09月13日 23時29分29秒 | 日記

 現在11時で、クーラーがない私の部屋(2階)の室温いまだ32度!
 ふだんなら30度前後まで下がる7時の段階でも、35度ありました。
 時間は確認しなかったですが、夕方、庭(ただし西向き)に設置している温度計は、なんと40度でした。
 今年一番の暑さじゃないですか?
 当地、もはやハビタブルゾーンをはるかに逸脱しております。
 ということで、やるやる詐欺になりかけている『田園の憂欝』の感想を記すつもりでしたが、やってられないので、メモ風にごく簡単に。
 よかった理由は2つ。
 まず、この作品、ケルト小説でした。主人公と家族が移住した土地は、アイルランドの田舎としか思えません。あるはずのものがなくなり、またあらわれる。ドッペルゲンガーは主人公を驚かせる。ケルト民話で何という名前だったか忘れましたが、木霊(の精?)が飼犬を怯えさせる。向こうに見えている山では小人がなにやら働いている、叩き殺したはずの蛾は幾度もよみがえる。庭の薔薇は主人公の心象に感応して咲いたり枯れる等々、とりわけ後半は、幻視と幻聴の連続となるのですが、幻視なのかもしれないけれども、実際超自然なのかもしれない。本人も半信半疑で、幻視かもと考えつつ、合理的解釈も成り立つ。その揺れ動く現幻のあわいが絶妙。(ある意味めちゃくちゃ上手い)
 いまひとつは、主人公はまさに私自身なのですよ! そう思わせるのに成功したら、これはもう小説の勝ちなのであります。
 いや本邦幻想小説の最高峰の一作でありました\(^o^)/

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卓ちゃんグッズ発売開始

2022年09月13日 12時03分33秒 | 日記

 卓ちゃんグッズの販売ブースがようやく開設されたとのこと。みなさんお待たせしました\(^o^)/
 さっそく覗いてきました。

 → 酔吟堂

 店名が良きですなあ(^^ゞ

 現在はエコバッグとTシャツのみの品揃えのようですが、おいおい増えていくのではないでしょうか(もちろんTシャツの卓ちゃん人形の絵柄の種類も)。
 私は、マグカップとか、あったらいいなあと思います。あとタオルとか。

 私が持っているのは、卓ちゃん人形(原稿用紙)Tシャツ白のLサイズですが、このサイズ表示、アメリカンのようですね。ご購入の際はご注意。ワンサイズ下げたほうがよいかも。
 私は、ルーズに着たかったので、Lサイズですと、肩幅はちょっとダウンで丁度よいのですが、丈がかなり長く、お尻までかくれます。先日の阪大には、タックインして着ていきましたが。
 なので、次はMサイズにしようかと考えていたところ、さて品目を見ますと、わ、黒Tシャツがあるではないですか!(※よくみたらブルーブラックでした)
 うーむ。
 実は黒Tシャツで、やはりアメリカンサイズのLを持っていて、それはすそ出しして着ても違和感ないんですよね。ということで、ふつうに黒Mにしようと思っていましたが、やっぱり、ゆったり黒Lにしようかと、悩み中なのでありました\(^o^)/

 それから、発送は9月21日となっていますね。すぐには届きませんので、ご注意ください。(多分この表示は自動的に毎日変わって、要するに1週間後ということではないかと想像しているのですが。チャチャヤング・ショートショート・マガジンと同じで一種のオンデマンド生産なのかも)

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Re; 楽しみですね。 (斎藤)

2022年09月13日 00時23分32秒 | 日記

斎藤さん
 今回、私は一寄稿者なので、出版時期等の詳細を把握していないのですが、そんなにはかからないのではないでしょうか。
 確認できましたらお知らせしますね。お楽しみに!
 でも私のは大したことないですよ。いつものことですか? はい\(^o^)/

 

>こんにちは。何の原稿かはまだ分りませんが、本になるものなのですね。通常流通に乗る出版物でしょうか。とても楽しみです。
>販売予定日など公表出来る時期が来ましたら、是非、告知などをお願いします。

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完成

2022年09月12日 01時05分24秒 | 日記

 なんとか完成させ、メールで送りました。ゼイゼイ。
 いや、自主カンヅメ計画、無惨でありました。分かっていましたけどね(>おい)
 ライブハウスに2時頃まで居て(ステージは12時過ぎには終わっていたのですが)、ホテルに帰ったら、着替えもせずそのままバタンキューという体たらく。あかんがな。
 起きたら宿酔いで気分が悪く、それでも帰りの電車の中でポメラを取り出し、推敲していたらシャキッとしてきました。気が集中すると宿酔いも雲散してしまうんですなあ。
 書いていると、どんどん思いつくので、それを加えていたら、完成しないといういつものパターンですが、締切があることで、それを断ち切れたのがよかったのか悪かったのか、判断に苦しむところではありますが、初めて締切の効用を体験したような気がします。
 本になるのが楽しみ\(^o^)/

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山の上ホテルでも、丘ホテルでもなくて

2022年09月09日 23時17分04秒 | 日記

 超久しぶりに原稿書きという作業を始め、昨日寝たのは2時間。てきめんに左の肩がガチガチに固まり、左の奥歯はシクシク痛み出し、左目もメバチコみたいにコロコロしてきました。長時間座った姿勢の持続でケツが痛い。
 ここ数年、どんだけ怠けていたか、わかろうというものです。
 しかし目鼻は付きました。
 明日、自主カンヅメするんですが、そこで仕上げられたら御の字。
 というのは、失敗したのです。
 宿泊、京都にしてしまったのです。しかもライブハウスの近所。
 イヤな予感しかありません\(^o^)/

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今週は

2022年09月08日 23時24分49秒 | 日記

 とうに締切をすぎて、待ってもらっている原稿を、目下執筆中につき、今週いっぱいは書き込みできません。あしからず。
 私が最後らしい。自主カンヅメしようかしらん。

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Re; ご同輩ヽ(^o^)丿

2022年09月07日 20時47分47秒 | 日記

ピョン吉@岡山さん

 プラモデルも人気ありましたね。
 小学生の頃は大阪福島区に住んでいまして、阪神野田駅前の路地にプラモ屋さんがありました。
 ものすごく狭い店舗で、私の記憶では間口1間くらい。前に腰くらいのショーケースがあり、その後におじさんが(お兄さんだったかも)座っており、そのすぐ後ろがもう壁面で、棚が組まれ、棚に大量のプラモデルの箱がつまれていたという記憶があります。
 クラスの好きな連中はみな、そこでプラモデルを購入していて、私もつれていかれてなんどか購入しましたが(おもに第二次大戦の日米の軍用機だったか。戦車は複雑そうで手を出さなかった)、そもそも手先が不器用で、完成させたものが皆無。けっきょく熱中することもなく、今に至るのでありました(^^ゞ
 子供心にもこんな店でやっていけるのかと思ったような(^^;
 いま検索したら、全盛期は60年代だったようですね。それでそんな店でもやっていけていたのですかねえ。笑。

> いいですねぇ。まさに同年代(笑)
> 「海底大戦争スティングレイ」、つい先日までスカパーでやっていたので、見ておりました。
>←半分くらいは忘れていた。スティングレイのプラモを造った記憶があります。
>その前は、「謎の円盤UFO」もやってました。

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京都へ赴く今ひとつの理由

2022年09月04日 14時54分02秒 | 日記

 今日は、京都でオールディーズのライブ。
 出発前に空を見ると、晴れてはいましたが、昨日のようなカンカン照り(ただし後に短時間豪雨)ではなく、薄雲り。
 昨日のこともあり、用心して携帯傘を鞄に入れました。
 京阪天満橋駅に着くと、掲示板に人だかりでいやな予感。
 案の定ダイヤの乱れの案内でした。ただし雨のせいではなくて人身事故。
 一瞬、阪急で行くかと考えましたが、私の経験では、大抵こういうとき慌てて行動変更してから、
「あーあ、そのまま乗っていた方がよかったな」
 という結果になりがちなんですね。大体が、どんと構えて泰然としていることができず、小心なネズミのように焦って、あらかじめ考えて決めたはずの方針を、なにかあるとすぐに反射的に方向変更する性格で、しかもそれが奏功したことがない。私の人生はその連続で、結果がこの私なのですなあ。唖々。
 人生もとうに終末期に入り、自らの来し方を鑑みて、右顧左眄せずドンと、ここは腰を落ち着けて、京阪で行こうと決めた。
 正解でした。
 いつも乗るのとほぼ同じ時刻に特急が到着しました。ただし70分遅れの電車とのこと。
 乗車中、駅に到着する度に車内放送が70分遅れを謝罪するのですが、のろのろ運転するわけでもなく、事故を知らないで乗車した乗客にすれば、ほぼダイヤどおりなんですね。謝罪は必要かなと思いました。
 わたし的にもほぼ予定どおりの京都着で、ライブには余裕で間に合いました。
 駅から地上に出てみると土砂降り雨で、傘持参これも正解。ただ私より遅れてきた人によるともう雨はやんでいるとのことで、いわゆるゲリラ豪雨だったようです。可哀想なのは私より少し早く来た方で、店に向かって歩いている最中に猛烈に雨が降り出し、ずぶ濡れで店に到着。寒さに震えているその人を見かねて店の人(バンドのメンバーでもある)が自分の着替えのTシャツを貸してあげるという、うるわしい光景も。(^^;
 ということでライブはもちろん満喫したんですが、この店の楽しみは、ライブだけではなく、合間の休憩時間での他のお客さんとの会話なのですね。
 オールディーズも、SFと同じで高齢化が進行していまして、たとえばこの写真は森下さんのところから無断拝借したものですが(今年のSF大会)――    

 この女性は司会者とのことですが、ライブハウスではちょうどこの位置に女性ボーカルが立っている構図になります。客はまさにこんな感じで年寄り、アワワもとい、年輩者ばかり。汗。
 ほぼ全員が私を中点としたら、前後5年の範囲に収まるのです。
 となりますと会話する内容は、必然的に60年代、70年代に流れ、昨日は「ルート66」が演奏されたのですが、それからテレビドラマの「ルート66」、派生して「サンセット77」→「ハワイアンアイ」さらに「海底大戦争スティングレイ」→トニー谷→and so on というわけで、次のステージが始まるまで会話が止まりません。

 今回ではありませんが、「いの~ちはひとつぅ~人生は一回だから」の大合唱になったことも\(^o^)/
 私が、老骨にむち打ち這う這うと遠い京都まで出掛ける理由が分かろうというものではありませんか。笑。笑。

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