チャチャヤン気分

《ヘリコニア談話室》後継ブログ

やさしき触れあい

2007年10月21日 14時23分00秒 | 翻訳
「やさしき触れあい」     E・アマリア・アンデュジャー  
初出:アシモフ誌9号(1978sept-oct)
 


 嵐は突然襲いかかった。回避のいとまもなかった。
 宇宙に存在するいかなるものにも劣らず頑丈な外殻に損傷はなかったけれども、デリケートな計器類が放射線被爆し、シールドが弱まっていた。パネルから火花が散り、溶けた回路の臭いが空気を汚した。いたるところで警告灯の黄色の光が点滅している。
 ジョハラはリレーを叩っ切り、船を自動操縦から解き放った。操縦桿を一気に引き起こすと、船はいやいやのようにゆっくりと円弧を描いて進路を変え始めた。……

コメント
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