flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

新栄白山神社古墳

2016-05-22 00:00:00 | いにしえびとの睡

(名古屋市中区新栄 1999年2月28日)
 都会の一角にこんもりとした場所がある。5世紀後半に築造された、全長70m,高さ6mの前方後円墳であり、墳丘上には和銅五年(712)創建とされる菊理媛神(くくりひめのかみ)を祀る白山神社が鎮座する。江戸時代末期の書物「金鱗九十九之塵(こんりんつくものちり)」には、「しかるに此のとき降り続く雨中に、この山の東北の方欠け崩れたり。そが所をみれば、土中に大きな瓶のいくつも見えたり。中に太刀、長刀あるいは鎧の鉄物ようのものいくらとなく出て、髑髏とおぼしき物も若干ありて、則此由公聞所に達しける処に、寺社方併町方の官御立会見分あり。然して後、新たにしてこれをかめにおさめ、前のごとく土中に埋めしとかや」とあり、内部が発掘されている可能性がある。外部施設として土師質埴輪があり、「尾張名細図」には周濠が描かれている。また、旧字に「砂子塚」があり、白山神社古墳の旧称と推定でき、かつては西側に西塚、狐塚があったという。

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