flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

賀茂大塚古墳

2008-11-26 21:00:51 | いにしえびとの睡
(賀茂古墳群 愛知県豊橋市賀茂町大塚 1990年11月22日踏査)
 照山の南麓、間川北側の台地を俗に賀茂平という。この台地にはかつて、9基の古墳があった。その殆どは遺跡地図にも記載されていない古墳であるが、その内の大塚古墳、おこり塚古墳、丸塚古墳の跡を訪れた。土地の人に尋ねると、大塚古墳は直径凡そ35m,高さ3m程であったといい、大正7年(1918)に地主が住宅用の壁土に使うために古墳の土を採土し、現在のような0.5m程の高まりの痕跡を残すのみの耕地となってしまったということである。採土した際、墳頂付近から赤褐色の人物3体、馬、鶏等の埴輪らしきもの5点と、須恵器、勾玉が出土したという。その内、人物埴輪とみられるものは、高さ33cm、頭部周り15cm程で、基部は通常の人物埴輪のような円筒状ではなく、足が直接地に着くもの。そして、馬は脚部が欠損し、長さ24cm,高さ12cm,尾の長さ6cmという通常の埴輪と比べると非常に小さいものであったというが、子どもの玩具となり壊れてしまったという。この大塚古墳のあった辺りはかつて山林であり、大塚に登ると祟りがあるという言い伝えが残っている。
 また、大塚古墳の南側、変電所と工場の社宅の間にある耕地付近には「おこり塚古墳」が存在したという。
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