和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

広宣譜3/新・人間革命

2014年11月20日 12時08分14秒 | 今日の俳句
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2014年 11月20日より転載】


☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡


【広宣譜3】

 時刻は、午後四時半を回っていた。

 山本伸一は、五時半からは、妻の峯子と共に、新宿文化会館での婦人部首脳との懇談会に出席することになっていた。

 彼は、出発時刻ぎりぎりまで、新学生部歌の作詞を続けようと思った。

 「さて、四行目だ。ここは、起承転結の結の部分にあたる大事な箇所だ……。

 よし、『我と我が友よ 広布に走れ』としよう。自分だけではなく、悩める友の味方となり、強い友情を結び、同志と共に前進していくんだ。『走れ』ということは、“勢いある行動”なんです。青年は、座して瞑想にふけっていてはならない。

 『広布に走れ』を実行していくには、まず“わが人生は、広宣流布とともにあり”と決めることです。そして、瞬間瞬間、広布をめざして力の限り、戦い抜いていくんだ。“広布に歩け”ではないんです。全力疾走だ。

 『未だ広宣流布せざる間は身命を捨て随力弘通を致す可き事』(御書一六一八頁)というのが、私たちの精神だもの。

 さらに、青春時代の誓いを、終生、貫き通していくことです。日蓮大聖人は『始より終りまで弥信心をいたすべし・さなくして後悔やあらんずらん』(同一四四〇頁)と仰せだ。“持続”なくして勝利はありません。

 皆の人生には、これから先、就職もあれば、結婚もある。さまざまな環境の変化があります。職場の上司や同僚、家族や親戚から、信心を反対されたり、自分が病に倒れたり、勤めた会社が倒産したりすることもあるかもしれない。

 その時に、“いよいよ自分の信心が試されているんだ。負けるものか!”と、歯を食いしばって頑張り抜いてほしい。どんなに苦しくとも、信義のため、正義のために、“使命の走者”として、広宣流布の大道を完走してほしいんです。そのための魂の歌を、師弟の応援歌を、私は今、作っておきます」

 伸一は、生命の言葉を紡ぐようにして、歌詞を作り上げていった。



☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡


広宣譜2/新・人間革命

2014年11月20日 11時45分20秒 | 今日の俳句
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2014年 11月19日より転載】


☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡


 【広宣譜2】
山本伸一は、新学生部歌の歌詞の原案を見ながら思った。
 「今、学生部は、人事も一新され、二十一世紀への新出発の時を迎えた。師弟共戦の戦いを起こし、魂のバトンを託す時代が来たのだ。その祝福と満腔の期待を込めた歌を、私が作って贈るべきではないか……」
 伸一は、先ほど、歌詞を持ってきた学生部の幹部らに、師弟会館に来てもらった。
 「学生部は大事だから、今回は、私が歌を作って、諸君に贈ります。みんなのために、後世に残る学生部歌を作ってあげたいんだ。永遠に歌い継がれる歌を、君たちの時代に残していこうよ。今日中に曲も完成させます。
 私は、諸君のために一切をなげうつ覚悟です。未来は君たちに託すしかないもの。では、口述するから、書き留めてください」
 彼は、目を細め、未来を仰ぐかのように彼方を見た。しばらく沈黙が続いた。そして、一語一語、言葉を紡ぎ始めた。
 「『広き曠野に 我等は立てり』――この「こうや」は、「荒れ野」ではなく、「広々とした野原」の方だ。「こうや」の「こう」の字は、日偏に旧字の「廣」がいい。「広い」という同じ漢字が重なるのを避けるとともに、荘厳な感じを出したいんだよ。『広き曠野』と表現することで、学生部の未来は、洋々と開け、舞台は限りなく広いことを強調したいんだ。皆、世界にも羽ばたいてもらいたい。
 次は、『万里めざして 白馬も堂々』にしよう。晴れやかな出発だ。これから全地球を、ところ狭しと駆け巡るんだ。
 『いざや征かなん 世紀の勇者』――「ゆかなん」の「ゆく」は、「征服する」などという時に使う「征」の字だ。困難に打ち勝ち、成し遂げるという意味を込めているんだよ。そして、この『世紀の勇者』とは、二十一世紀を担う大指導者ということなんだよ」
 伸一の心には、言葉が次から次へと、泉のようにあふれてくるのである。必死な励ましの一念は、勇気の言葉を、希望と確信の言語を生み出していく。

☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡


広宣譜1/新・人間革命

2014年11月20日 11時10分04秒 | 今日の俳句
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2014年 11月18日より転載】


☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡


 【広宣譜1】
 「私の心に、勝利の歌が響く。春の力が、魂に湧き起こる」――ウクライナの詩人レーシャ・ウクラインカは叫んだ。

 山本伸一の胸にも、さっそうと正義の白馬に跨がり、二十一世紀の広野を駆ける若人の凱歌が、力強くこだましていた。

 一九七八年(昭和五十三年)六月二十八日の午後、彼は、東京・信濃町の学会本部にある師弟会館で作詞を開始した。三十分ほど前、創価文化会館内の広宣会館で各部代表者会議を終えた時、学生部の代表が、新学生部歌の歌詞を見てほしいと言ってきたのだ。

 「三十日に、学生部結成二十一周年を記念して行われる幹部会の席上、発表する予定です。お直しいただければと思います」

 伸一は、その歌詞を受け取ると、創価学会常住の「大法弘通慈折広宣流布大願成就」の御本尊に供え、唱題したあと、推敲を始めた。

 第二代会長・戸田城聖が出席して、学生部結成大会が行われたのは、五七年(同三十二年)の六月三十日である。それは、新たな民衆勢力の台頭を恐れる権力の不当な弾圧の嵐が、学会に吹き荒れる渦中であった。

 北海道・夕張炭鉱で、学会が組合の統制を乱したとして、炭労が学会員を締め出すという暴挙に出たのだ。伸一は、この理不尽な圧迫をはねのけて、信教の自由を守り抜くために、北の大地を疾駆した。炭労の対応にあたる一方、友の家々を巡り、励ましの対話を重ね、心の暖炉に勇気の火をともしていった。

 当時、炭労といえば、「泣く子も黙る」といわれるほど、絶大な力をもっていた。その横暴を断じて許すわけにはいかなかった。

 さらに、学生部結成直後の七月三日には、大阪府警によって、青年部の室長であった伸一が、選挙違反という無実の罪で逮捕される事件が起こる。まさに、権力の魔性との壮絶な闘争のなかで、学生部は呱々の声をあげたのだ。この事実は、学生部こそ、無名の民衆を守り抜くことを使命として誕生した、知勇兼備の闘将の集いであることを示している。

 学問は、庶民を守るために生かすのだ。


☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡


鼬(いたち)/今日の俳句 ≪No.1597≫

2014年11月20日 06時53分46秒 | 今日の俳句
   ☆鼬(いたち)/今日の俳句☆  

☆★☆*≪No.1597☆彡★……☆★☆
 2014年(平成26年)11月20日(木)
彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆


【聖教新聞:2014年11月19日付】
http://www.seikyoonline.jp/news/headline/2014/11/1215553_4447.html
=============================

【写真】創価の誉れの原点を胸に、新たな勝利の大行進を!――原田会長を中心に、厳粛に行われた創立記念の勤行会。三代会長の死身弘法に続く、世界広布へのさらなる飛翔を誓い合った(広宣流布大誓堂で)

彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*


創価学会創立記念日 世界広布の峰へ誓いの出発
============================================

   牧口初代会長の殉教70年追善法要
   ================================

 世界広布の峰へ、誓いの出発を!――創価学会創立84周年を記念する勤行会が、「創立の日」の18日、牧口常三郎初代会長の「殉教70年」にあたる祥月命日の追善法要の意義を込めて、東京・新宿区の総本部で行われた。
 軍部政府の圧迫の中で死身弘法を貫き、妙法に命を捧げた牧口初代会長――。先師の魂を継いだ戸田第2代会長、池田大作名誉会長のリーダーシップによって、地涌の連帯は192カ国・地域に拡大。初代会長の構想が具現化した創価教育の学舎からは、社会貢献の人材が陸続と世界へと飛翔している。
 創価の哲理に生きゆく全同志が原点と定める「11・18」。この日、池田名誉会長は、創価学会恩師記念会館で厳粛に勤行・唱題を行い、先師の崇高な生涯を偲んだ。
 広宣流布大誓堂で開催された創立記念勤行会には原田会長が、各部の代表、海外15カ国・地域100人の友と出席。創価学会常住の御本尊に勤行・唱題するとともに、世界広布新時代へ、さらなる躍進を誓い合った。
 席上、原田会長は「王地に生れたれば身をば随えられたてまつるやうなりとも心をば随えられたてまつるべからず」(御書287㌻)を拝し、「牧口初代会長の精神闘争に学び、正義の対話の拡大を」と力説。創価の三代会長に連なる誇りに燃え、異体同心の団結で、新たな大闘争へ勝ち進んでいこうと語った。
 橋元青年部長が「広宣流布 誓願の碑」の碑文を読み上げ、吉井女子部長が「報恩抄」の一節を拝読した。

彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*


  ■※今日の俳句※■



  鼬跳ぶ氷河のあとといふ岩場
        高木良多


  古墳への道よぎり飛ぶ鼬かな
        原口枇榔子


  山国や鼬振り向き人は笑い
        森下草城子



※ 鼬。
イタチ科の哺乳類の総称。雄は体長30センチほどで、メスはそれより小さい。胴が長く四肢は短い。夏は焦茶色に、冬は黄赤褐色となって美しい。平原から山地にかけての田や水べりに棲んで、蛙や鼠などの小動物を捕らえて食べる。
鶏舎は襲って大きな損害を与えて憎まれる一方、野鼠を駆除する功績もある。敵に追われて進退きわまると、肛門の内側の肛門腺からはなはだしい悪臭のある分泌物を発射して逃げる。いわゆる「鼬の最後っ屁」である。

【「俳句歳時記・第3巻/角川書店」より転載】



彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡



※わが友に贈る※


   任用試験に挑む友は

   皆が宝の大人材!

   最後まで真心の応援を!

   真剣に学んだ全てが

   生涯の財産と輝く。


         11月20日



※名字の言※


苦難や挫折を経験した時、学会の同志は「全てに意味がある」と捉える。これは、「全てに意味を持たせる」強さ、決意の表れともいえよう



ある男子部員は、かつて高校野球の名門校でプレーし、地域でも屈指の選手だった。だが高校最後の大会で、痛恨のエラーをおかし、チームは敗退。この苦い思い出は、長く彼を苦しめた



その彼が社会人となり、学会活動に励むようになる。学会員一人一人の姿に触れたことがきっかけだった。過去に大きな失敗をした人。今も悩みに直面している人。どの人も、前向きに生きている。これが本当の強さだと思った。自分も、苦悩に負けず、人の幸福に尽くせる人間になろうと決めた



彼は今年、3世帯の弘教を実らせた。入会した一人は、野球部の同級生だった。「悔しさをバネに生きる、今のあいつの姿が決め手だった」と同級生。新入会の彼もまた、今月18日、晴れて弘教を実らせた



御書に「浄土と云ひ穢土と云うも土に二の隔なし」(384頁)とある。自分の心次第で、周囲の環境は良くも悪くも変わっていくとのご教示だ。幸不幸を決めるのは「過去に何があったか」ではなく、どんな経験からも価値を生み出そうとする、今、現在の前向きな心。これが創価の「人間革命」の哲学である。(蹴)


【「聖教新聞」2014年(平成26年)11月20日(木)より転載】
http://www.seikyoonline.jp/index.html



彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡