ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

48 「別天津」はどこなの?

2009-06-13 22:02:59 | 歴史小説
48mの古代出雲大社の想像図(大林組による:出雲大社の案内板より)


●ヒメ 22:31
ちょっと待ってよ。順番から言うと「天津」の次は「別天津」はがどこか、じゃあないのかしら?

●ヒナ 22:32 
別天つ神5柱(天之御中主神、高御産巣日神・神御産巣日神、宇摩志阿斬訶備比古遅神、天之常立神)は出雲大社の正面に祀られていますから、「別天津」は出雲と思います。

●マル 22:34
別天つ神5柱は出雲大社の本殿の左側正面で南を向いているけど、大国主はその奥の右側の位置に西を向いて祀られているわよね。これって、大国主は別天つ神5柱を向いて崇拝しているということなの、それとも対馬を向いているのかしら?

●ボク 22:37 
西方の常世(とこよ)を向いているという説、辰韓(後の新羅)を向いているという説もあります。別天つ神5柱は天族の看取役で、大国主はその奥の監獄に押し込められている、という面白い説もありますよ。

●ホビット 22:40
魏志倭人伝が対馬の人々は「南北に交易」していたと伝え、日本書紀一書はスサノオは新羅に木種を持って行き、新羅から船で東に向かったとされています。大国主は、筑紫―対馬―辰韓―出雲の四角交易を行っていた天族の一族で、はるか西の彼方の先祖のルーツ、津島を向いているのではないでしょうか。

●ヒナ 22:44 
スサノオ辰韓人説がありますが、魏志東夷伝にはそのような記載はありません。もし、倭人の王のルーツが鉄を産した辰韓(後の新羅)や弁韓(後の加羅・伽耶・任那)なら、魏志倭人伝ははっきりとそう書いていたと思います。

●ボク 22:47
今思い出したんですけど、「天つ」「天津」の「つ」は、「の」という意味だと大学で習いましたけど。

●カントク 22:48
「天津神」を「天の神」と解釈し、「天(あま)」を「天上、天国」ととらえる垂直思想と、文字通りに「天津神」と読み、地上の「天津(あまの津)」ととらえる水平思考の争いは昔からの因縁対決じゃな。

●ヒナ 22:51
「天之忍穂耳(あめのおしほみみ)命」「天之菩卑能(天菩比、天穂日:あめのほひ)命」などの名前では、「の」は「之」「能」と書くか、省略しています。「天津」を「天の」と解釈するのは、こじつけのように思います。
 
●ボク 22:54 
別天つ神5柱は出雲の神ですかね?アマテラス系の神という説もありますよね。

●ヒナ 22:55
2代目の神産巣日(神産霊:カミムスヒ)神は、伯耆国(今の鳥取県西部)で大国主が兄弟達との争いで死んだ時に蘇らせたと書かれています。出雲の女神と思いますよ。3代目の宇摩志阿斬訶備比古遅(ウマシアシカビヒコヂ)神は、「アシカビ」=葦の芽の名前が付いていますから、大国主の国が「葦原中国」と呼ばれていたのと合いますよね。

●ヒメ 22:59
いいところに来たけど、シンデレラタイムになりましたよね。次は何時にしましょうか?

●マル 23:00
1週間後の土曜日、9月20日はどう?集まれる人は、卑弥呼に習合。メールで出欠を知らせてね。

●ヒメ 23:01
では9月20日19時にね。みなさん、お休みなさい。

(ネタモトは日向勤氏の『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)です)

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