ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

43 「神」と「人」の区分

2009-05-12 07:07:15 | 歴史小説
別天つ神5柱を正面に祀る出雲大社



●ヒメ 9月21日(日)19:00
昨夜は、お疲れさま。2次会の人もいたのかな? 
せっかく、いいところに来たので、連日ですが、続けましょう。

●カントク 19:02
徹夜して議論した時代が懐かしいなあ。みんな、紳士・淑女になってしまったのう。

●マル 19:03
カントク、昔は良かったなんて言い出すと、若い人にきらわれるわよ。といいながら、私たちは憂き世離れをした大昔の話をしているのよね。

●ヒナ 19:05
日経の「エコノ探偵団」も「歴女ブーム」を取り上げていましたよ。歴史=「楽隠居」の趣味とは言えないんじゃないでしょうか。

●長老 19:07
歴史学をやっている私なんか無用の長物かな?

●マル 19:08
歴史学者は、現代に関わってもっと発言してよね。「歴史は未来を照らす」というじゃない。

●ボク 19:09
しかし、「バブルを経験し、学んでいるから、世界金融危機や世界同時不況でも日本は大丈夫」と言っていた、大外れの人がいましたよね?
「未曾有」の危機の時など、過去の経験や知識は役に立たないんじゃあありません?

●カントク 19:12
そうでもないぞ。日本のバブルの経験をもとに、アメリカの住宅バブルがはじけ、世界同時不況になる、とずいぶんと前から予測していった経済評論家や経済学者もいたぞ。

●マル 19:14
ちゃんと歴史を見ているかどうか、だよね。

●カントク 19:15
古事記ブームや歴女ブームはどうかな? 過去へのノスタルジーか、過去の教訓探しか? 未来へのアイデンティティ探しか、それとも、単にゲーム感覚かな?

●ヒメ 19:17
第39回のヒナちゃんのレポートにもどりましょう。
古事記で「神」と呼ばれるのは、「自然神」の他に、出雲の神々と高天原の神々に分類できるよね。

●ヒナ 19:19
そうです。「人神」は、「出雲神」と「高天が原神」に分かれます。

●ボク 19:20
補足しますと、「大神・神」と「命(みこと、御子人)」は、はっきりと区別されています。「命」と呼ばれているのは、アマテラスの子や、孫のニニギ命とともに天下ったとされる部下などです。
例外として、スサノオ・大国主・天菩比(天穂日)は、「大神・神」とも「命(みこと、御子人)」とも呼ばれています。

●マル 19:23
神話時代の王が「神」、歴史時代の王は「命」というわけね。

●ヒナ 19:24
天皇家の祖先はどうなの?

●ヒナ 19:25
古事記によれば、天皇家の神話時代の祖先は次の16代です。
<別天つ神5柱、4代>
1 天之御中主神、2 高御産巣日神、神御産巣日神、3 宇摩志阿斬訶備比古遅神、4 天之常立神
<神世7代>
5 国之常立神、6 豊雲野神、7 宇比地邇神、妹須比智邇神、8 角杙神、妹活杙神、9 意富斗能地神、妹大斗之辨神、10 於母陀流神
<高天原3代>
11 伊邪那岐神、妹伊邪那美神、12 天照大御神、13 オシホミミ命
<笠沙3代>
14 ニニギ命、15 ホホデミ命、16 ウガヤフキアエズ命

●ボク 19:28
補足しますと、17代目が若御毛沼命で、大和の磐余(いわれ)に入ってからは「イワレ彦」(神倭伊波礼琵古命、神日本磐余彦尊)になり、後に8世紀になって初代天皇として「神武天皇」と命名されます。

●マル 19:30
「オシホミミ命」は高天原にいるのに「命」なのはなぜかしら。

●ヒナ 19:31
スサノオとアマテラスの「誓い(誓約=うけひ)」により、スサノオの「剣」とアマテラスの「珠」から生まれた8人の御子は「命」と呼ばれています。

●ボク 19:33
アマテラスの「珠」から最初に生まれた「オシホミミ」は「命」ですが、次に生まれた、大国主を国譲りさせる「ホヒ」は「命」とも「神」とも言われています。

●ヒメ 19:35
スサノオと大国主の子の名前はどうなの?

●ヒナ 19:36
スサノオが出雲でもうけた八島士奴美神、大歳神、宇迦之御魂神(稲荷神)など、6代子孫は神となっています。大国主の子など、9代の子孫は「神」です。

●ボク 19:38
日本書紀では、スサノオの子の「イソタケル」も五十猛神となっています。

●ヒメ 19:39
多少の乱れはあるとしても、古事記の「神話時代」と「人話時代」の区切りは、出雲の王は「神」であり、天皇家の祖先とされる「オシホミミ命」以降は「命」とみていいのかな?

(ネタモトは日向勤氏の『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)です)


にほんブログ村 小説ブログへ,にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ,にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ,ブログランキング・にほんブログ村へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする