ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

24 熊野に祀られたスサノオ

2009-03-19 09:24:23 | Weblog
熊野本宮大社


●ヒメ 20:25
古事記の話を裏付けるスサノオの痕跡はあるの?

●ボク 20:27
田辺市本宮町にある熊野本宮大社の主祭神の家都美御子大神(ケツミコ)は素戔嗚大神とされています。
この家都美御子大神と新宮の熊野速玉大社の熊野速玉男(くまのはやたまお)大神、熊野那智大社の熊野夫須美(くまのふすみ)大神は、併せて熊野大神と呼ばれています。
そして、熊野速玉男神は伊邪那岐大神、熊野夫須美神は伊邪那美大神とされています。

●ヒメ 20:29
ちょっと、待ってよ。熊野に家都美御子大神 熊野速玉男神、熊野夫須美神が祀られているというのはわかるけど、家都美御子大神が素戔嗚大神 熊野速玉男神が伊邪那岐大神、熊野夫須美神が伊邪那美大神という証拠はあるの?

●ヒナ 20:34
スサノオが熊野大神と呼ばれていることからみて、関係があるともいえますが、スサノオの別名が家都美御子大神である、という記録は神社伝承しかありません。また、記紀や出雲国風土記は、スサノオがどこに葬られたか、記載していません。
日本書紀の一書(第五)では、イザナミは「紀伊国の熊野の有馬村」に葬った、という記述がありますが、一方、古事記では、イザナミは「出雲国と伯伎国の堺の比婆山」に葬られ、黄泉の国にイザナミを訪ねたイザナギは、黄泉比良坂(出雲国の伊賦夜坂)から地上に逃れたとも記しており、出雲で死んだことになっています。

●マル 20:41
出雲のスサノオを祀る熊野大社と本宮の熊野本宮大社との関係はどうなるの?いったい、どちらが本家なのかしら?

●ヒナ 20:34
出雲の熊野大社から、和歌山の熊野に勧請された、という説がありますが、全国の熊野神社はそれぞれ別系統のようです。

●カントク 20:34
世界遺産に登録されてから、熊野古道が急に注目されてきたのう。知っておるかな、院政期には白河上皇・鳥羽上皇など、9人の上皇・法皇が熊野御幸(くまのごこう)を行っているんじゃ。
中でも、後白河上皇は34回も熊野詣をおこなっておる。歴代の天皇が伊勢神宮に参拝していないのとは、大きな違いをみせておる。これは大きな謎じゃ。

●ヒナ 20:37
浄土信仰が広がるにつれて、熊野本宮大社の家都美御子大神(スサノオ)は阿弥陀如来、熊野速玉大社の熊野速玉男大神(イザナギ)は薬師如来、熊野那智大社の熊野夫須美大神(イザナミ)は千手観音とされ、天皇家の信仰の対象になった、というのが通説ではないでしょうか?
天照大御神を祀る伊勢神宮に天皇家が明治時代まで参拝していないことから見て、熊野詣ではスサノオ・イザナギ・イザナミを祀るというよりも、阿弥陀信仰が目的であったと思います。

●マル 20:42
何故か、今日も長老が静かよね。ヒメ、横に長老がいるんでしょ?

●ヒメ 20:43
おかしいのよね。黙ってチビチビやっているだけなんだから。何か、考えているんでしょうけど。今、横で「もう少し考えさせてよ」と言っています。そっとしときましょう。

●カントク 20:45
スサノオと熊野、何か深い関係がありそうじゃが、先に進もうではないか。ホビットさんの故郷の名古屋へ行こう。

●ヒメ 20:47
ちょっと待って。約束では、今は議論しないことになっているけど、ここは謎があって面白そうじゃない。もう少し、深追いしてみたいんだけど。


(ネタモトは『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)です)

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