ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

スコットランドからイングランドへ

2009-09-22 08:08:12 | Weblog
年末の29日に我等がポリ-チャンが来日します。
「レイコサン、チケット予約しちゃったわ。ヒヒヒ」なんて、嬉しそうな
メールがスコットランドのエジンバラからロンドンへ戻ってきた彼女から
来ました。10日間の滞在です。ホテルも利用するので3~4日泊めて下
さいますか?なんて、水臭い事を言います。
もちろん、そんなもったいない事はしないでウチを軸に動きなさいって返事
を。あまりゲストって感じはしない彼女なのです。そう、姪って感じかしら?

日本からも行っている「英語→日本語」「日本語→英語」翻訳家になるため
の修士課程専門コースをこの9月から1年間勉強です。
作家の意図する所をちゃんと翻訳できるかどうか、少し緊張するって、心情
を吐露する彼女です。でも、心配はいらないでしょう。そのためのお勉強で
すし、あたくしが「いつまでたっても大人になりきれないって主人に言われる
のよ、恥ずかしいわ」ってこぼした時に、
「どこに大人がいますか?」って。その言葉を聴いた時に、ああ、この子は
素晴らしい資質を持っているって感じたのを昨日のように思い出します。
その深い洞察力と現実処理の能力を思えば、あたくしは彼女の未来に明るい
光を感じるのです。

よく、「ねえ、これを英語で何て言う?」って折節尋ねるあたくしに、
「ピッタリなんて表現はない」って。そう、その通りの各民族の感性の違いは、
長い年月を経て培われたものですから、標準的・模範的表現なんてないって
思います。日本人の感性をイギリス人のそれに変換するのは、翻訳家の個人の
資質に負うところが大ですから、彼女の翻訳する日本語の本がどのようなもの
になるのかとても楽しみです。

最近、ベストセラー驀進中の「1Q84」の作者村上春樹がリメイクするアメ
リカの既訳本は、彼の頭の中で「ここはこう訳すな~」って思いが強かった
結果だと思うのです。

以前にも書きましたが、もちろん難解な話ではない「87分署」シリーズの
毎度の書き出し、アイソラという架空の町の風景から始まるその表現が後に
続く本題へ急がされる美味しさを、もちろん 導入部分がE・S・ガードナーの
オリジナルの巧みさによるものであっても、いかにそそらせるか?翻訳家の
腕が大きくモノをいうのは言うまでもありません。
翻訳本は訳者の腕にかかります。引出しが多くなければつまらないものにな
ります。
際立ったそれぞれのキャラクターを巧みに登場させたその警察(事件)物語。
英語(に関わらず)の人称及びそれに伴う個々人の表現は、日本語の右に出る
言語はないって思うあたくしですから、「I=私」だけではない日本語の表現
から、その国の人々にすんなり受け入れられる表現に変換するのは、原本に
忠実であるのとは違ったものがあるはずです。

ポリ-チャンがこれからの1年でプロの道を歩むためのお勉強をするのです。
イギリスで有名な、東洋、とりわけ日本に造詣の深い教授の指導を得られるの
ですから、彼女の本気も感じ取れます。日本の親のように甘くはない彼のお国
の親たちです。子どもは20才も過ぎれば自立をします。彼女もカフェで働き
ながら、自力で修士課程へ進みました。親の援助なんてありません。意志の強
い彼女は正にイギリス人です。大英帝国の末裔です。
そんな彼女を姪のように思えるあたくしは何者?フフフ、500才の魔女よ。