蒲田耕二の発言

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TPP

2013-03-05 | 国際
「聖域確保にとらわれてばかりいては、他の分野で思わぬ譲歩を迫られるなど、国全体の利益を損ないかねない」

これ、今朝の朝日の社説からです。「交渉を引っ張る気概で」TPP交渉に参加しろ、と安倍内閣のケツを引っぱたいている。またまた朝日と官僚のアウンの呼吸、絶妙の間合いだね。

TPP問題って、いつの間にか「輸出振興か国内農業保護か」にすり替えられているが、本当に重大なのは医療保険制度に与えるダメージなんじゃないか。

小泉改革以来、無保険の困窮層が増えたとはいえ、日本人の多くは国民皆保険制度によって守られている。アメリカの保険会社から見れば、これが自由な営業活動を国家権力が妨害しているということになる。

TPP参加国は自国産業を保護することが許されないので、保険会社が告訴すれば健保の適用範囲は大幅に縮小され、治療の多くは高額の自由診療に委ねられる。薬価も、いまは全国一律の保険点数制度で低く抑えられているが、自由化によって急騰する。重病重症の治療は、大金持ちしか受けられなくなる。

実は、これがいま現実にアメリカで横行している医療の実態だ。その非道さ、米保険会社のあくどさをマイケル・ムーアが映画『シッコ』で暴いて見せた。トシ取ったら、ってもう取ってるけど、あんな国には絶対、住みたくないね。

そういう状況を改善すべく、オバーマは反対を押し切って低所得者向け医療保険制度を導入したんだが、そのオバーマが、日本に国民皆保険の実質的廃止を迫っている。日本をこれまでのアメリカと同じ状況に陥れようとしている。狙いは無論、保険会社製薬会社医療機関を通じてジャパン・マネーを吸い上げるためだ。

すでに2011年、民主党政権時代にアメリカは医療保険制度の自由化を要求してきていたのに、現政権もマスコミも、まるで何ごともなかったかのようにオクビにも出さない。

2~3日前、閣僚の一人(田村厚労相?)が「日本にも保険会社はあるが、これまで問題になってないから米の保険会社が参入してきても大丈夫」などと、小学生みたいなことを言っていた。

こんな知能レベルで交渉に臨まれたんじゃ、国民はたまったもんじゃないよ。あっちは海千山千なんだからさあ。

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