昨年の春からの10ヶ月間stayhomeに乗じて昔の白黒テレビを弄って遊んでいた。入手したテレビはほぼ100%どこかしら故障していたが古書を参考にしながらなんとか稼働するように1台ずつ仕上げていって気づいたら50台近くになっていた。今年の初めには一応区切りをつけたのだがその後も気になる製品が現れると無意識に(嘘です)ポチってしまうことがありじわじわと増殖、生活空間を圧迫している。
Toshiba Family Visionについての資料はほとんど入手できていない。上面に取っ手の付いた真空管式の10inchポータブルTVでSONYのマイクロテレビより前の昭和30年代の製品と思われる。真空管式のポータブルTVは米国では数種類発売されていてマイクロテレビとはまたちがった大らかさとカラフルな色彩が目を引いていた。スペースエイジデザインとは異なるレトロモダンな佇まいで大きな車や冷蔵庫と小さくて洒落たテレビは豊かなアメリカを象徴していたと感じる。
Toshiba Family Visionは国内ではあまり見かけないが100Vと110Vの電源電圧の切り替えがあり輸出が主だったのかもしれない。前面は樹脂製で他は金属製、金属部は黄緑色のパステルカラーだが藤色も見ることがある。ほぼ一緒のデザインの「Toshiba 10PL」とともに当時の国産TVとしては突出して優雅な形態と色彩でデザイナーは日本人ではないのかもしれないとさえ思う。
今回縁があってやってきた。例によってまず掃除から。
トランジスタテレビとは埃のたまり方が異なる。外装部は分解して洗剤で洗ったがマジックリン原液は古い塗装を痛めるので要注意。幸い欠品や破損はなさそうで通電すると一応ラスターとザー音は出る。テストパターンを2chから入れると
安定しないが一応出画した。回路図は手に入ってないのでこれはありがたい。ただ初めての真空管テレビの修理としてはポータブルTVは中の配置がキツキツでハードルが高い。背面パネルに貼り付けてあった配置図と基板図
現在資料はこれだけ。でもこれは非常にありがたい。
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