Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

Canon キャノーラ 130 (Canola130) について

2023-03-11 15:48:12 | ガジェット

 1回目の東京五輪が開催された1964年、東京晴海での日本ビジネスショーで日本国内4社から同時に日本初の電子卓上計算機が発表された。その年の6月には早川電機(シャープの前身)から国内で初めて市販された。

 以前よりカシオからリレー式計算機は市販されていたが初めてトランジスターやダイオードを用いた電子回路となった。その後IC化、LSI化され表示もニキシー管、点光表示 LED   液晶と変化した。価格競争も激化し各社毎年のように価格の下がった新製品が発売された。LSI化が進んだ頃には一時は数十社が市場に参入していたがあっという間に沈静化し太陽電池式のカード電卓に行き着いた頃にこの熱狂ぶりの終焉を迎える。また多機能化も進んで関数内蔵やBASICを積んだポケットコンピューターなどPC化していく流れもあった。

 Canon Canola 130は4社から発表された日本最初の電卓のうちの一台でCanonカメラ(Canonの前身)から1964年10月に市販された。開発期間は約2年間、13桁表示で1兆まで表示、「Canola」は最初同社のカメラの名称として用意されていたがこちらに転用された。また「130」は13桁表示から来ている。使われた半導体はゲルマニウムトランジスタ600本 ダイオード1600本で1964年当時の価格は北海道を除いて395,000円、北海道は415,000円。

 

(引用:http://www.dentaku-museum.com/calc/calc/3-canon/1-canond/canond.html)

 

 写真でしか見たことはなかったが縁あって拙宅にやって来た。予想はしていたが最初の印象はとにかく大きい。半導体が2200個収まっているのだから当然で昔のブラウン管一体型コンピュータくらいの大きさがある。しかし机には十分載るので「卓上」に偽りはない。表示方法は点光式という珍しいもので同社の初期の電卓数機種に採用された。数字のサイズは大きい。キーボードはまだフルキーが多かった時代に現在と同じスマートなテンキーが採用されスッキリしている。全体の佇まいは写真で見る他社製品と比べても非常に洗練されている印象。

 

   

早速掃除を兼ねて内部を見てみると

   

 点光式表示はCanola130以外でも同社のCanola製品で何台かに採用された。

    

キーボード下にある大きな電源トランスと電解コンデンサー、熟練のハーネス。

   

非常に大きな基板はコネクター接続ではなく側面のボードに差し込まれて21端子が裸線でハンダづけされている。チェックはこの部分で行うのだろうか。

          

 電圧は少々異なるところもあるが数種類いずれも出力している。

 幸い取扱説明書は入手することができた。

 現在電源スイッチを入れると表示が乱れCキーで0が並ぶが次にどのキーを押してもまた数字が重なったような乱れた表示となる。Cキーでまた0に戻る。矢印キーで小数点の位置は移動する。現在まで修理、メインテナンスの手が入った様子はなく稼働させるには修理が必要なようだが使用説明書以外の回路図やトラブルシューティングマニュアルなどの資料は入手できていない。

 Canola 130は日本の電子機器における歴史的に貴重な製品だと思われます。興味を持たれた方はコメント欄からもしくは koban@mx31.tiki.ne.jp までご連絡ください。


Victor BR-S405 について

2023-03-11 14:11:42 | テレビ

 ポータブルタイプのVHS業務機は中古市場で見ることは少ない。カメラを接続したり現場でのモニターとして使われたと思うがメディアがVHSテープ(もしくはS-VHSテープ)なので主に結婚式などのイベントでの出番が多かったのではないだろうか。撮影済みのS-VHSテープを再生したりブラウン管テレビの視聴をするために入手したPanasonic AG-7400はVHS,S-VHSに対応した機器で小型、高性能なうえに丸型アナログメーターをアイキャッチャーにした洗練されたデザインだった。

 webで見たもう一台の業務用ポータブル機のVictor BR-S405はさらに細々した設定ができる。両者ともチューナーは非内蔵、搭載する専用バッテリーもしくは外部電源で稼働する。このほど幸運にも入手できたので早速整備してみようと思います。

 webでBR-S405の製品説明や説明書などの資料を探すがほとんどhitしない。部署か会社そのものが異なるのかJVCが提供しているマニュアルなどの資料一覧にも見当たらずこれは実際に操作しながら理解するしかなさそう。入手したのは2台の本体と社外品と思われる立派な電源2台でcanonコネクターで本体と接続される。主にイベントで使用されていたと説明があったがほとんど稼働していなかったのではないかという外観でひょっとすると公共施設などに備品として導入されてからほとんど使われずに保管されていたものが放出されたものかもしれない。実際に再生してみると2台とも特に問題なく動作した。

 

 入力の設定が多い。スイッチは奥まったところにあって誤動作を避けていてパネル前面にスタンバイスイッチがある。

普段使っているPanasonic AG-7400と並べてみると

 

 

 AG-7400に比べて一回り大きい。この2機種以外でもS-VHS対応、チューナーレスで電池で稼働する業務機はHitachi VL-S100 , VL-S110があるらしい。

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。