Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

いすゞ 117クーペ について

2018-12-11 22:37:18 | 117クーペ

 現在まで生産された車種は星の数ほどあると思うけど人気投票では必ず上位に位置している。誰もが認める美人が居るように誰もが認める美しい車も存在するように思う。ディーノ、ヨタ8、2000GT、、キーワードは流線型か。
 いすゞ 117クーペは1968年から1981年まで市販された高級車で設計は有名なジウジアーロ。当時の国産車は海外の有名カロッツェリアにデザインを依頼することがあった。

 原型は1966年のジュネーヴ・モーターショーで「ギア/いすゞ117スポルト」。(当然ながら)コンクール・デレガンス受賞。
 

 プロトタイプカー 117スポーツ 出典:https://www.favcars.com/isuzu-117-coupe-pa90-1968-77-wallpapers-396759-1024×768.htm


 ショーカーがそのままの形で市販される事は無いのが普通だが少々のデザインの変更と特殊な製造方法で2年後には発売にこぎつけた。量産に向けての情熱と苦労は並大抵ではなかったはず。

 
 価格は172万円で庶民には縁のないスーパーカー。初期型(ハンドメイド)と言われるこのタイプは3年間で2458台生産された。
 その後は量産体制が整いかなり多くのバリエーションを生みながら1981年まで生産が続いた(wikipediaより)。
 

 拙宅には過去2台の117クーペが居た(居る)がいずれも1800cc DOHC 丸目の「XE」という量産モデル。
 1台目は隣町の路肩に停めてあったもの。職場の上司(!)が117クーペフリークを公言していた自分に教えてくれた。早速見に行ったら思った通り車検切れで放置状態。近所周りをして情報を集めてようやくオーナーを探し当てて譲ってもらった。多分数万円だったように思う。どうやって家まで運んだかは覚えてないがとにかく車検を取得して(大して苦労はなかった)乗っていた。ところがいつの頃かエンジンが不調になり見てみると1本のプラグホールの周囲にひび割れがある!そこから冷却水が漏れだして周辺が水没してた。ヘッドの交換も考えたがしばらくは溝を彫り込んで接着剤で塞いで(!)1年くらいは乗っていた。その間同型のエンジンをオークションで探したがなかなか見つからない。やっと落札して木箱で送られてきたエンジンはガレージに5人がかりで運び込まれた。自分での交換できるかもしれないという甘い考えはその光景を見て身の危険を感じて即諦めて整備工場で交換してもらった。
 ところがしばらくして隣の県で状態の良さそうなXEがオークションで出品されていた。鉄道を乗り継いで見に行って落札。後日乗って帰った。エンジン交換で苦労をおかけした整備工場の方には申し訳なかったが今までの車は部品ドリ車になってしまった(それも4年ほど前には処分した)。

 ここ数年はナンバーは付いているが不動の状態。浮きサビも目立ってきているしまた記憶ではトルクコンバータが滑っている状態で素人が再生するにはそろそろ限界に近いと思っている。ジムニーが故障してくれたおかげで(?)久しぶりに整備する気になった。寒い時期だが様子を見ながら進めていきたい。

 ここ数日はようやく寒くなって今日も冷たい雨が降っている。昨日からバッテリーを充電しておいた。早速エンジンをかけてみましょう。
 
 プラグを抜いてオイルをスプレーしてしばらくクランクしてからプラグ装着、、始動してみる。。やっぱりかからず。エンジンルームにスターターボタンがあるのでキーを回しておいてボタンを押すだけで始動できる。乗り降りするとこが狭いのでこれは便利。

 再びプラグを外してクランクすると火花は飛んでいる。そうするとタンクにあるガソリンが腐っているのかもしれない。量も少なさそうなのでスタンドに行ってガソリン買ってきた。

 「電気自動車がガソリンスタンドに」の図。ところが持ち込んだ携行缶は古くて認可されていないモノでダメだという。ちょっと前までは普通に給油してくれたのだが、、仕方ないので向かいのホームセンターで新規購入。20L缶はガソリン満タン料金より安い(!)に驚く。。余談。

 ガソリンタンクはトランクの下にありむき出し。ガソリンポンプは横付けされている。


 ガソリンタンクは数年前に取り外して廃車から取り外したのと一緒にタンククリーナーでサビ取りしてある。内部は直接見ていないがストレーナーが設置されていて迂闊にコーティングするとここが塞がれてしまうので要注意。ガソリンポンプは重要部品で当時分解整備しようとしたが逆に不調になってしまい廃車から外したのと交換している。
 セルモーターが回る音でポンプ音が聞こえにくい。エアフィルターケースに組み込まれているエアーフローメータのバタフライがクランクの負圧によって引っ張られてONとなってポンプが作動する。
 

 ケースを分解して棒でバタフライを押してみるとポンプは正常に作動している様子。燃圧はレギュレーターで調節され、停止時も下がった状態で維持される。したがって正常であれば停止時でもホースを外すと燃料が噴き出す。


 燃料系統も問題なさそうでプラグも濡れている。なぜ始動しないか分からないがごそごそしてるとようやく動き出した。


 アイドルアップからダウンとセンサー、コンピュータも正常に動作している様子。乗り込んでギアを入れてみるがかなり滑っているようで特にバックはほとんど動かなくてやはり重症。寝てる間に治ってた!はやっぱりなかった。。
 後ろに下がらないので空気の抜けているタイヤだが全力で押し戻して空気入れを注文した。

 ざっと見回しての問題点
 ・埃にまみれてる → 迂闊に水かけない事
 ・トルコンの不具合 → 車検時に修理工場に持ち込んだ時に相談
 ・ボンネット前縁、トランクの底のサビ、塗装の浮き → なるべくサビは取って下処理まではしておく
 ・ドアの建て付け → 調整
 ・クーラー不動 → 以前数回修理にトライしていて今回はスルー。
 ・車検と休止している任意保険証書探し → 自分でできる事が済んだら相談する

 トルコンの修理はどこで受けてくれるかは不明だがその他できることを進めておくことにした。

 天気の良い日を見はからって洗車しつつサビ具合を確認していく。
 

 

 洗車したのは今年初めてかもしれない。。サビを以前から確認済みでちょっと対策しておいたところ
 
 リアガラス周囲から水がトランクの隅に溜まってこの状態。
 その他今回新たに気づいたとこも
 

 

 

 表面にこれだけ浮き上がってるということは内部ではかなり進んでしまっている。水が溜まりやすい所やステンレスに接しているところなど。
 一応屋根のある所での保管だが壁がないので吹き込んだ雨には濡れる面がありお隣のX1/9は特にその傾向が強い。

 翌日足踏みポンプが届いた。送料無料の1700円台。
 
 ちょっとの作業でコンプレッサーを持ち出すのは気が重いし12Vの携帯空気入れはとても時間がかかる。でも今回は8本のタイヤ各々に200回は踏んだので合計1600回以上。ポンプの寿命はせいぜい10000回程度ではないだろうか?どういう壊れ方をするか今から楽しみだ(ウソです)。
 ホームセンターで「サビ取りグッズ」を買ってきた。明日から頑張ります。


 一番酷い所はリアウインドの下隅。117クーペはトランクリッドとリアウインドの境目には大きな段差があって造形を複雑にしている。リアウインドを流れた雨はトランクリッドの内側に流れ込んでトランク周囲を伝って後ろに排出される。サビはシールド周囲でトランクリッドに隠れてしまう部分なので水が抜けにくい。
 
 片方だけかと思ったらやはり両方ですでに穴が空いている。以前POR15を塗っておいたのだがほとんど効果は認めず。改めて錆落としてサビ転化剤を塗る。いずれリアウインドを外しての修復が必要になるが今はサビの進行をできるだけ防いでおきたい。
 市内にあるアストロプロダクツに行ってシーリング剤とPOR15買ってきた。

 リアウインドシールド周囲のシールを行う。バスコークとそれほど値段の差はない。
 トランクの底は以前サビを落としてプラサフを吹いておいたのだが
 
 再びサビを落としてPOR15を塗る。POR15は黒、銀、透明とあるが硬化するとツルツルになるので上塗りは難しい(一応プライマーも買ってきたが)今回表面も黒で塗ってしまってちょっと後悔した。

 錆びたトコを切断してパネルを新製すればいいのだろうが技術も設備もない。穴を塞ぐにはFRPやブラインドリベット、タップビスでの鉄板とめが考えられるが。

 一番安易な方法。適当な金網を切って穴の空いてるトランクルームの底にPOR15で貼り付けた。

 メッシュに板金パテを表と裏からぬりつける。
  
 表はラップを貼り付けて手のひらで押し付ける。  「これはあまりにも酷すぎる」 の図

 2018年末、フィットネスジムの駐車場を歩いていると何やら見覚えのあるバンパーが、、

 おー!「FIAT X1/9」 ではないか!自分以外のを見たのは何十年ぶりだろう。。少なくとも21世紀になってから見たことはない。地元に生息していたとは!
 オーナーが現れるまで待とうか、、と一瞬考えたが寒いのでやめた。いずれお会いする機会もあるでしょうから。
 ボディの状態はとてもよさそう。1500ccだがシートは1300ccのが載っている。全体に変な改造がしてないのが好印象。テンション上がるなぁ。。