Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

UHER CR240 stereo について(4)

2018-09-27 10:26:15 | UHER

 海外オークションを眺めていて見つけたUHER CR240はフランスからで珍しく日本へも発送可。トラブルが増えているのか最近はアジアへの発送を断っているケースをよく見る。注目したのはCR240用の茶色の革ケースが付属していたこと。UHER CRシリーズは可搬デッキだったこともありそのための魅力的なアクセサリーが用意されている。ただCR240はCR210に比べて少し大きかったためかこのケースを見かける事は稀。ケース欲しさに思わず入札してしまった。めでたく落札したのだが「表示より送料がかかった」とのことで追加の送金もした。動作は未確認とのことだったがしばらくして到着したので早速カセットを投入しようとしたがテープ自体が入らないし中でガサガサ音がする、、。仕方ないので分解してみる。。
 

 ガサガサ音は基板が外れて中で踊っている音(!)、他の基板も緩んでいる。目視ではカセットの窓にひび割れと金具取り付け部の損傷、外装のネジ2個欠品、メーターは両方とも破損している様子、カセットが入らないのはヘッドブロックの再組み立て時の問題ということがわかった。「動作未確認」という事はジャンクという事らしく結構な落札価格に加えて言われるままに送料の追加もしたのに、、。時間の経過とともに程度のよろしいのは減ってくるのは仕方ないとは思うが「どの程度」なのかは売り手はしっかりと説明する誠意は必要。説明できないほど知識が不足している場合は高品位の写真を精一杯載せるべきだ! まあそれに食いつく方もギャンブルを楽しんでいるとも言えるが。。悔しいので思わず愚痴がでた。

 多分何か不具合が発生して分解してみたのだが元どおりに組み立てできなかった、、どうせダメなのだからテキトウに組み立てた、、といった状況だと思う。これは面白くなりそうだ(ウソ)。


 まず動作確認から。ヘッドブロックへのメカニズムの接合部が外れていたのは目視で分かっていたので修正して再度組み立ててカセットテープがセットされることを確認し、外れたり緩んでいた基板も元のいちに戻す。

 これで再生してみるとラッキーなことに音は出る。巻き戻し、早送りも機能している。問題のメーターだが1個は針がなく断線、もう一個も断線している。

 一応断線の復活ができないかコイルのワニスをアルコールで溶かしてみるもやはり切れたところは発見できずメーターの修復は断念した。1個はストックがあるがもう一個はebayから入手することにした。(また出費だ!)
 メーター内のムギ球は基板ごと交換できるので基板付きムギ球のパーツ供給があったのかもしれない。

 手持ちのドナーの球は切れているので取り替えて移植、その他基板を含む全体の掃除、給油、キャプスタンとピンチローラーの脱脂、ネジ類の調達、カセット窓の修復を行い、まだ届かないメーター1個以外を組んで聴いてみた。



 おお!良いではないか!細かな所も良く聞こえるしエネルギーを感じる力強い音。(一応確認したのだが)ベルト類、ピンチローラーも生きている。ひょっとするとベルトを新品交換した時に再組み立てができなくて力尽きたのかもしれない。わからないものです。
 メーターが届くまで暫く待ちます。

 
 UHERのケースについて


 カタログ写真(と思われるが)ではケースに品番がついていて後ろ2つはレポートシリーズ用(多分4200と4400用)前2つがCR210とCR240用でケース横にはアクセサリーバッグが付いている。
 前面にはポケットが付いているがなんと接着剤で貼り付けているしポケット周囲の縫製は全くの飾り(縫ってない!)とわかった。ポケットはデザイン上付け加えられたのかもしれない。この大きさではテープ1個しか入らなかっただろうし。これはあまりにもオソマツな粗悪品でドイツ製とは聞いて呆れるしこんなもの売って恥ずかしくなかったのだろうか?



 、、Ebayでメーターを入手した。結構高かったです。。
 早速交換してみたら電球が不点灯。調べたら1ヶ所切れていたが両方とも同じものでないといけないので手持ちのムギ球と交換。
 
 
 その他若干の修正を経てようやく修理完了となった。
 最初見たときは外れクジだったかと思ったが結構いい感じでまとまってよかった。

 カセットテープは絶滅したメディアかと思っていたがアナログレコードと共に昨今のブームで生きながらえている。しかし今後の技術革新や画期的な新製品の出現は望めない。そしてメディアの大きさに合ったウォークマンや高性能ポータブル機が求められているように思う。UHER CRは日本ではメジャーではないがとても魅力的で限られた資源は大切に拾っておきたいと考える今日この頃です。



 お読みいただきありがとうございました。