Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

LE8 ゴムエッジ交換

2017-12-11 15:38:44 | JBL
 「JBL LE8」は(多分)世界で一番有名な20cmフルレンジユニット「LE8T」の前身で製造期間が短かったため激レアではないがまあ珍しいユニット。LE8Tとフレームは殆ど共通で(ネジ穴がザグってないくらい)コーン紙はLE8Tは「ランサプラス」という白いコーティングされたシングルコーン、LE8はコーティングの無い黒でダブルコーン。エッジはLE8Tは途中からウレタンに変わりましたが初期のものはLE8同様にゴムエッジとなっています。二者の音味は明らかに異なりLE8Tの方が抑制の効いた厚い音、LE8はよく言えば軽やか、悪く言えばちょっと薄い感じの音がします(個人の感想ですが)。JBLらしさと言えばLE8Tに軍配があがると思いますがLE8の音を好む方も多いのではないかと思ってます。(ただしLE8Tの音は唯一無二のような気はします)
 

 使われているゴムエッジ(ランサロイ)はウレタンエッジに比べたら長寿命ですがそれでも継時的には硬化が進み次第に低域が不足する。この段階でゴムエッジ軟化剤を使う事もあるようですが私が見た軟化剤はオイル系と思われ、コーン紙にも染み込む恐れがあるので将来のエッジ交換に支障が出ると判断して今までに使用したことはありません。
 拙宅ではミニゴンとJBL L75 メヌエットに取り付けています。メヌエットのLE8のエッジがとうとう寿命となりました。

 

 低域の大入力で両chとも一気に亀裂が入りました。
 入手したのはネットオークションで「LE8用」と謳っていたもの。

 白いのは当然ですがゴムエッジという事に惹かれて高価だったのですが購入しました。貴重なユニットだしなるべくオリジナルに近い状態に戻したいしウレタンより長寿命だし、、との事で思い切って。エッジの交換の経験は数度ありますがゴムエッジは初めてです。ウレタンのエッジは寿命が来るとボロボロになってユニットから剥がすのもそんなに苦労は無いのですがゴムエッジは接着剤も強力で厚みもあり除去しづらいだろう、、という予想は的中しやっぱりコーン紙に影響が出ました。(一層剥がれてしまう)なるべく丁寧に時間をかけて行いLE8Tのボイスコイルを交換した時はあまり芳しくなかったので溶剤は今回は使わずに行いました。


 このセットは接着剤と筆まで入っていて古いエッジの除去が済んでいれば作業時間は1時間程度で2本の交換が完了します。ボイスコイルが擦れてないのを確認して一晩放っておいて試聴。

 随分低域が豊かになりました。今までの硬化していたエッジがいかにコーン紙の動きを邪魔していたかがわかります。。

 ゴムエッジを除去するのに良い方法があればぜひご教授をお願いしたいです。



  お読みいただきありがとうございました。

 後日談 1
  もともとJBL L75はLE8Tが搭載されていますが不注意でボイスコイルを焼損させてしまい修理したのだが、、今ひとつピンとこなかったのでLE8にして使ってました。今回LE8のゴムエッジを交換してとても良好だったのですでに寿命が来ていたLE8Tのエッジも交換することにした。こちらもゴムエッジ(ランサロイ)だが何分にも交換エッジが高価だったので(もったいないので)白色のウレタンエッジが海外オークションに出ていたのを入手した。

 価格は送料込みでもゴムエッジの半額以下。

 早速交換してみた。安価でも接着剤と小筆が付属している。ところが接着剤のフタが開かない。。仕方ないので切り取った。妙なところでボロが出た。

 LE8とLE8Tを並べてみた。フレームは共通と思っていたが微妙に異なる。エッジ周囲の樹脂リングのサイズも。これで接着剤の硬化を待って音出しすると、、

 、、いい感じです。良い点は音が軽々と出るようになった。悪く言えば厚みやゴージャス感が薄れたようにも思う。LE8的な音味か。しかしデテイルはちゃんと聞こえるし何より嫌な音要素が無いので日常的に十分使えそう。JBL L75メヌエットのパッシブラジエーター(名称忘れた)のゴムエッジは変えてないのでいずれ交換しようと思う。50年前のスピーカーですが酷使に耐えて歌ってくれてます。