Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

BMW R26の前輪のガタ

2017-06-05 11:35:28 | BMW R26

 以前から気になっていてワッシャー削ってシムがわりにしたりしてごまかして乗ってましたが、やっぱりきちんと直したい。カーブで車体を傾けるとガタピシ云うし。。
  R26のパーツカタログから



 ホイルを外してみる。ブレーキドラム側。フェルトリングとリングキャップ、図ではベアリングの外側に描かれているラジアルスリーブが取れます。

 反対側はラジアルスリーブを外すといきなりプラグカバー。フェルトリングとリングキャップは見当たらない。
 (後から書き足し)っと思ったら中央のリングがそうだった。

 この「プラグカバー」ですが中野モータースさんの構造図では「リングナット」になってる。ということは回転して外さなくてはならない。「VelocePressのワークショップマニュアル」では「Fix pinspanner Matra 518」を使ってこうしなさい!

 とある。。「Fix pinspanner Matra 518」などは持ってないがピンスパナーは一応流通はあるようで入手可能。でもなんとかならんか?と考えて

 4ヶ所ある穴にドライバーを引っ掛けて叩いてみたらすんなり緩んだ。

 よかったです。中から取り出したのはベアリングとスペーサーチューブといろんな厚さが揃っているシム。

 しかしよくみるとテーパーベアリングのアウターが無い。中に残っている。これを取らないと残りのパーツが取り出せない。色々と考えたが反対側からベアリングを叩いてスペーサースリーブごと叩き出すことにした。バーナーで炙って叩くと

 なんと!ホイールの構造体が抜けてきて焦ったがとにかく取り出すことに成功した。抜け出たのは4本のボルトで慎重に戻した。

 向かって左がドラムブレーキ側。なぜベアリングのアウターが抜けなかったかはこの写真の一番右の切れ子みたいな金属片が絡まっていたため。これはフェルトのリングキャップ。原型を留めていない。柔らかい金属だが叩いた時のダメージかは分からないがプラグカバーが収まるネジ溝が少し傷んでしまった。
 (後から書き足し)リングキャップの残骸ではなかった。なんだか不明。。

 慎重に修復することにします。やっぱりピンスパナーが欲しいですね。ホームセンターに売ってるのだろうか?後で見てこよう。

 外したテーパーベアリングはNSK日本製。

 品番は NSK HR 30203J でモノ◯ロウで入手可で479円/個。早速2個注文した。またフェルトリングとフェルトも専門店に。こちらは純正部品です。価格をモノ◯ロウと比べるのは野暮というもの。
 ところでこのタイプのBMWは前後とサイドカーの3個のタイヤは共通で、スペアタイヤはどの部位のパンクにも対応したという合理的な設計。テーパーベアリングなのもサイドカー装着への配慮。未確認だが各部で使われている様子。

 翌日には部品は揃う。凄すぎる日本の流通。ここまでは望みません。2日後くらいで十分ですよ。

 2個のベアリングとオイルシール替わりと思われるフェルトとフェルトおさえ。

 まずホームセンターに行って「Fix pinspanner Matra 518」らしきものを探すが発見できず。仕方ないので金具買って

 自作してみる。恥ずかしくてとてもSSTとは呼べない。でも溝の修復には脱着を繰り返さなくてはならないのでこれは必需品。
 これで組んでみるがアクセル(軸)を入れてみるまでもなくベアリングの位置が定まらないほど横方向の隙間がある。中央のシムはいろんなサイズが用意されているので一応調べてみると5.8〜6.2の5段階。多分厚さの表示だと思うが遊びの量は0.4mmの範囲ではとても収まらない。何か間違っているのか??

 アクセル軸の締め付けで横方向の固定がなされるかもしれないと思い、組み上げてみる。

 以前より改善はしているがやはり根本解決には至らない。横方向の遊びが大きい。


 左右のベアリングの固定ですが現物を観察するとアウターのリングは「スペーサースリーブ」を挟んでプラグカバー(リングナット)で固定されている(ように見える)。現状ではリングナットが入りきっていないように思える。そしてテーパーベアリング内部は「スペーサーチューブとシム」によってアウターとの関係を調整して最適な位置に収めるのではないか?

 プラグカバーの位置を参考にするために後輪を外すことにします。段差のある所が外しやすい。

 カバーを外して見ると

 プラグカバーは辺縁と面一くらいに収まっている。肝心のベアリングは少し遊びがあってシムを入れたい所。ところでプラグカバーのピンスパナの穴は3穴!新規に注文したのが4穴、3穴どっちが来るか、、。

 4穴でした。。

 でもピンレンチの入る穴の小さいこと!新品はこうなのですね。今までのはかなり広がっていたので私のように専用工具なしに脱着をくり返していたという証拠。以前からベアリングの不具合があったのでしょう。
 リプロ(と思われる)の材質はあまり良くないのでネジ山の修正には使えそうもない。なんとかせねば。。

 朝出勤途中に「今夜は大潮なので釣りに行きませんか?」と電話あり。久しぶり。。

 2人で30匹は釣れたと思いますが、私の釣ったのは一番上のカサゴと一番下のキスだけ。探り釣りの名手がほとんど釣り上げた。でも楽しかったです。夜釣りにもいい季節。

 残念ながら溝の傷み具合で新しいプラグカバーのフィッティングは断念して古い方を加工して使うことに。ネジ溝の修正をこのプラグカバーで行ったので。自作の工具が大活躍、力技でなんとかする。



 組み上げてガタはなくなって良かったです。。

 簡単そうに書きましたが実は大変でした。まず溝の修正に時間がかかった。試行錯誤の連続でピッチ1.25のタップまで買ってきて溝に押し当てて修正したり、プラグ側を修正したり。。
 またドラム側のベアリングですがアウターリングとインナーとの空間がどうしても空くのですよ。これは何度も確認しましたが不思議。アウターは定位置に収まっているのでベアリングの品番が違っているのでは、、と思ったくらい。左右のアウターリングは中央のスペーサースリーブを挟んでプラグカバーで固定されてこれは問題ない。悩んだのはインナーベアリングが外側に収まるが大きな隙間がある。反対側にはその傾向は見られずフィットする。
 この構造だとドラムブレーキ側のインナーベアリングは「ラジアルスリーブR」を介してブレーキカバーによってアクスル軸のナットによって固定されるようです。

 しかし中央にあるシムはどのように調整するのか考えてしまう。左右のインナーベアリングをつないでいる「スペーサーチューブ」が働いていない状況ではアクスル軸のナットの締め付けの度合いでインナーとアウターの関係が変化してしまう。どうやって調整するのだろうか?いちいち分解するか?不本意ながらナットのトルクも今はテキトーにしています。

 しかしこれで乗ってみるとすこぶる良好。ガタつき、異音が消えて走行の安定感が増したのが実感できる。結果オーライ。
 シムも既製品がモノ◯タロウから入手できることがわかって良かった。いずれ再チャレンジすることにします。

 お読みいただきありがとうございました。