Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

Dax も来た!(4)

2014-08-16 22:17:33 | Dax
キャブレターの整備を行ないます。
不調になるのはスロットル全開付近なので細かなスクリューは関係ない、、などと開き直りながらです。(実は良く理解していない)
とにかく分解して掃除してみよう。

これは燃料切り替えコックの次にある謎の部屋です。この部屋の次はフロート室です。すごい量のゴミだ。

ほじってたらこんなに出てきました。砂みたいです。プラタンクは錆びませんからどこから入り込むのでしょう?

やっと意味が分かりました。手前の真鍮のリングにはもともとフィルターネットがあったようです。詰まったので破ってしまった!ということか。
キャブレター内に燃料フィルターがあるのですね。
土曜の夜にテレビみながらキャブクリーナーの匂いに酔いつつ整備しました。至福の時間です。当然家族からはXXXです。



ガスケットやOリングは用意していません。素人整備の極みです。

明けて日曜日、朝飯前にキャブ載せて試運転の予定でした。そうしたら、、、
ガソリンだだ漏れ!ではないですか!
ガソリン通路のパッキンは替えてないしフロートもノーチェックだったので何回か点検しましたが一向に改善しません、、。
とりあえずパッキン、オーリングを注文しようかと思ったら当てにしていたお店は長期夏期休業中。さてどうしよう、、ふと見ると

なんとフロート室の底に穴が空いています。アルミの筐体が朽ちていたわけでゴミでも詰まってなんとか機能していたのでしょう。フィルター周りの砂様ゴミも朽ちたキャブレターか??

SoleX5000の樹脂タンクのコーティングに使って余っていたPOR15タンクシーラーをフロート室に塗りました。
このPORは一度開封すると閉めた蓋がなかなか開きません。諦めて穴開けています。

真夏の戸外ですのであっという間に硬化しました。本来もう少し放置しなくてはならないのでしょうが待ちきれずに組み直してみるとどうやら大丈夫のようです。

近所を走ってみました。最高回転域でもうひと伸び欲しい気がします.

ジェットニードルのセッティングは2番目です。過去に調整されたようです。
もう一段上げてみます。

アイドリングが上昇し再度の調整が必要。
変化があったのは中低域のみでやはりスロットル最大域ではかわりません。やはりメインジェットの番手を下げる必要がありそうです。
探してみるとなかなかこのタイプに適合するのは少ない。あってもメチャクチャ高かったりします。
楽天で見つけたディスコン純正部品(安かった)を注文しました。

その後何回かトラブルに見舞われました。
 ・オーバーフロー(フロート下部のニップルから出てくる)
 ・最高回転域で吹けない
 ・暫く走るとエンスト(ガス欠症状)
その度にキャブを降ろして確認です。とにかくネジを傷めないように掃除とグリス塗りながら繰り返します。
素人の悲しさでプロのように一発で原因が分らないので考えられる所をしらみつぶしとなります。
 オーバーフローはフロートのトラブルなのははっきりしていますのでバルブの掃除とフロートの位置の調整を繰り返します。
オーバーフローを解決したら今度はガソリンが足りない。ガソリン位の問題だろうと調整をしますが解決しません。
メインジェットが届いたので交換しますがやっぱり変化ありません。フィルター部からはガソリンは来ているのが分ります。
ふと思い立ってガソリンタンクのキャップを外してみると、、回復しました。エアー抜きバルブ付きのキャップに問題があったようです。
分解掃除してあっけなく解決しました。
これで安定すれば良いのですが。

また書く事になりました、、。
オーバーフローが止まりません。
オーバーフロー排出ニップルからでています。
オーバーフローの原因として考えられるのは
 ・バルブとバルブシートの間にゴミが入ったり、摩滅のために隙間が出来ている。
 ・フロートがパンクして浮かない
 ・バルブを押すツメの設定が不良
位しか思い浮かびません。ひたすら分解掃除分解掃除を繰り返しても全く変わらず。
フロートを止めているピンが抜けないのでフロートの点検も十分にできません。どうしても抜けないしフロートも半田で補修した跡がありますのでダメもとでフロートのツメを起こして無理やり外してからピンを抜きました。
フロートを水に沈めてもパンクはしていないようですが中で何かカラカラと動いています。一応新しいパーツは注文したのですが丁寧に修正して再使用してみます。
バルブシートも外して点検、。やっぱり変わりません。
フロートのツメの修正をしても変わらず、、。うーん。。

そこで実験してみます。
 ・フロートの下にウエスを詰めて強制的にバルブを押してみる。これで止まればやっぱりバルブかフロートに問題がある。。しかし止まりません!!ありえない!
 フロート室のバルブ前の通路に他に漏れ出る所があるのか?
 、、実はもう1カ所ありました。フロート室の壁の中にある通路はパッキンで本体通路と連結されています。ここから漏れる可能性もあります。

本体側の穴にチューブを差し込んで息を吹き入れてみます。バルブをフロートで押さえるとエアーは止まります。ということはバルブはOK。
パッキンを裏返しにしてみます。(秘技パッキン返し。オーリング転がしも。)おー!止まりました。ここからだったのですね。

 少し遠出をしてみると、、少し走るとエンストします。ガソリンが供給されない様子。
暫く休むとまた始動できる。フロート室に十分なガソリンが満たされていないと判断。
こんどこそフロートのツメの調整が有効か。
日が暮れました。明朝に。

 早朝からフロート調整して暫く走ってみました。今度は大丈夫そうです。
キャブレターの整備で2週間も費やしてしまいました。感想としては
 ・同形キャブの情報をできるだけ集めておくことは必須。特にトラブル対策で御苦労された記事は役に立つ
 ・消耗品で入手可能なものはできるだけ入手、交換する。キャブ整備は掃除と消耗部品の交換がほとんどすべて。
 ・できればマニュアルがほしい。液面調整や細かいデータが入手できるかもしれない。しかしダックス用は高価で私は入手できていません。
 ・分解、組み立て時のダメージをできるだけ最小にする。特にネジ、ボルトを傷めないように工具の選択にも気を配る。不調な個体は修理ヤレがどうしても目立ち評価が下がる。
 ・液面はドレンニップルにつけた透明チューブで判断できる。
 ・ダックスのような人気バイクのパーツは初期型にもかかわらず比較的容易に入手できるのでこま目に探す。

偉そうに総括したらバチが当たったのかまた漏れてます。

フロートとパッキン類が届きました。早速入れ替えてみます。

まずフロートを交換。。
 以前にスバル360のパンクしたフロートを修理した事があります。
半田で真鍮の亀裂を埋めるのですがしばらくすると振動で半田がひび割れるのです。
そこでカッターの刃をパッチにして半田付けして解決しました。
カッターのパッチは他車のラジエーターの修理にも用いました。
このまま治まればパッキン類は温存かな。。
、、、期待むなしくダメでした。溢れます。

次はフロート室周囲のパッキン交換。
、、ちょっと怪しいが大丈夫そうです。
もう少し様子を見ます。
、、、残念ながらダメでした。漏れます。

 もうバルブしか残っていません。また実験してみました。
フロートバルブをはずして栓をしてみます。これはえんぴつの消しゴムです。ガソリンに溶ける可能性があるので長時間は禁物。

漏れません。原因がはっきりしました。前回の実験の検証をしっかりすればよかった、、。フロートとパッキンではなかった。

何回か掃除はしたのですがまた念入りに掃除してみます。
これでダメなら手配しますがなぜか初期型のキャブパーツは高い。

ダメでした。新品フロートバルブを注文しました。

高かったです。。これで解決するはずです。
、、、まさかのダメです。オーバーフローする。
パッキン、フロート、フロートバルブすべて新品です。でも漏れる。
フロート室底からのパイプで液面を観察するとフロートによってバルブが閉じてからもじわじわと液面が上昇するのが確認できます。
さてどこから、、。
フロート室の壁にガソリンの通り道があります。竹串を押し込んでコックを開けると止まっているのが分ります。

本体の通り道を竹串で塞いでバルブをはずして燃料を入れると一応止まっています。

しょうがないので液体パッキンを使ってみる事にします。◯ート◯ックスで店員さんに聞いてみるとありました。

車屋さんだけど整備に関するものはほとんど見当たらなかったのであってよかった。
アルコールで脱脂してみると、、

この竹串の周囲からガソリンが滲み出ています!これは、、、筐体が朽ちて多孔質になっていてガソリンが漏れていた。

その辺りに液体パッキン塗って組み立てました。
数時間経過しましたが漏れは止まりました。

結局このキャブレターは筐体寿命が来ていたと言わざるを得ません。砂状のゴミや穴が開いたフロート室などから早々に見限るべきだったか。
結局一ヶ月近くの時間を費やしてしまいました。原因の特定が出来なかったのは経験不足。早く見限って初期型キャブの中古を辛抱強く探した方がよかったか。でも弱点はどの個体も共通していることが多い。
レアなパーツの場合はこういったケミカルなど補助的な手段で使わざるをえない場合もあります。
色々と勉強になりました。