金色銀色茜色

生煮えの文章でゴメンナサイ。

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白銀の翼(四面楚歌)130

2012-04-19 21:17:23 | Weblog
 丁度その頃、項羽は本営に主立った武将達を集めていた。
敵の動きに対応し、こちらも陣容を変えようとした。
そこにこの歌であった。
四面から聞える楚歌が本営のみならず、西楚軍すべて、
ありとあらゆるもの、岩山や谷間の木々までも包み込んだ。
 圧倒的な合唱であったが、項羽は訝しげに耳を傾けただけ。
「それがどうした」とばかりに。
 居合わせた武将達は違った。
虚を突かれたように顔を見合わせた。
「これは何だ、どうしようというのだ」という顔。
 結局、彼等は耳に馴染んだ民謡なので抵抗なく受け入れた。
感慨深げに聞く者ばかり。
 が、楚歌が終わらない。
一曲を歌い上げたと思ったら、
ほんの少しの息継ぎをして二曲目が開始されたのだ。
二曲目が終わると三曲目。
曲と曲の間隔が長めになっただけで、合唱自体は終わらない。
 武将の一人が進言した。
「このまま続けられては煩くて敵いません。一当たりして参りますか」
「よせよせ、それを連中は待ち構えている」と別の武将。
 項羽も首を横にした。
「しばらく様子を見てみよう」
 傍に控え、黙っていた虞姫が、二人だけになると口を開いた。
「これは拙いわね」
「どうした」
「心の強い者は心配ないけど、弱い者は歌に転がされるわね」
「歌にか」
「ええ、歌によ」と虞姫が項羽に視線を絡めた。
 確かに一帯に響き渡る合唱だが、
戦慣れした将兵達に影響を与えるのだろうか。
疑問に思ってしまう。
 そんな項羽の思いを見抜いたのか、虞姫が言う。
「強い貴方には弱い者達の気持が分からないでしょうね」
 虞姫が事態を危惧しているのは分かった。
「どうなるというのだ」
「歌で里恋しくなり、脱走する者達が出るわね」
 馬で五日の距離に長江が流れていた。
幅広く海のような大河だが、そこを渡れば楚の国。
楚を出陣してより久しく故郷には戻っていない将兵が多い。
歌声が、そんな彼等の心を捉えるというのか。
 夜も更けたというのに合唱が終わらない。
中華に知られた楚歌が何曲か、繰り返し歌われた。
他国の訛りも混じっていた。
どうやら百万の大軍が本腰を入れている様子。
交代しながら合唱するつもりのようだ。
 翌朝になっても終わらない。
昼を過ぎ、夕方、再び夜が来た。
合唱は延々と続けられた。
 ついに脱走する兵士が現れた。
宵闇に紛れて幾人かが脱走したのだ。
それが各陣所に知れ渡るのに時間はかからない。
士気に陰りが。
目には見えないが、項羽はそれを肌で感じ取った。
歌心は分からないが、危険な臭いには敏感なのだ。
まさに武人。気持を切り替えると決断は早い。
 早朝に全ての武将達を集めた。
「これより本国に戻る。
敵が欲しいのは俺の首一つ。
俺が敵本陣に突入し、敵を引き回す。囮だ。
その間に本隊は李布将軍が指揮して、本国へ駆け戻れ」
 武将達が口々に不平を漏らした。
みんなが項羽と行動を共にしたいと望む。
特に李布将軍の怒りが激しい。
「それがしの命は当初より覇王様に差上げております。
囮の役目は、この李布にお任せを」と目を血走らせた。
 項羽は鬼の表情で押し切った。
「お前は楚の健児達を無事に故郷に連れ帰れ。これは大事な仕事だ」
 否は許さない。
そして虞姫に視線を移した。
「お前も李布将軍に同道せよ」
 途端に虞姫は顔色を変えた。
「なにを仰有る。私は貴男に付き従います」
 項羽は怒鳴るような口調になった。
「城に戻り俺の帰りを待て」
「いいえ。情け無い」
 項羽は一息いれて、優しい声音で説いた。
「李布とお前が先頭に立って帰国すれば楚の国の者達が安心する。
国のみんなを安心させるのも王妃の役割だ」




都知事の慎チャンが、
「尖閣列島を都で買っちゃうぞ」とアメリカで叫びました。
中国にというより、民主党を揺さぶるような口調でした。
本当の敵は誰なのやら。
でも、ちょっと待って。
慎チャンは都知事の前は自民党の代議士だったはず。
党や政府の要職にも名前を連ねていたはず。
その時に行動しないで、どうして今なんですかね。
もしかして三流芸人のようなウケ狙い。
それとも新党立上げの前宣伝。
 まあ、とにかく本気ではないですね。
都議会第一党の民主党が反対してくれる事を計算しているのでしょう。
本当に本気だったら、
都税からではなく、私財で四の五の言わずに購入するでしょう。
私財が不足したら寄付を募って購入するのが筋でしょう。
慎チャンのネームバリューなら集められます。
それに親子して税金で喰ってるのだから、たまにはお国にご奉仕しないとね。
 男は黙って・・・。そんな美学は持ち合わせていないのでしょうかね。
購入してから発表すれば良かったのに。
とにかくこの人、お喋りが過ぎます。
 もっとも、私有地だろうが都有地だろうが、日本の領土に変わりないけど。
大切なのは実効支配。
地図上だけでなく、民間人を住まわせるか、公務員を常駐させなければね。
だから慎チャン、アンタが住みなさい。
終の住み処で名誉ある領土保全をしなさい。
他人を当てにせず自ら範を示しなさい。




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