県警、市警は、当初は蘇ったバンパイアに面食らったものの、
流石は治安維持組織。
立ち直ると対応は迅速であった。
駆け足で追っている警官隊では無理と判断し、
現場にいた全てのパトカー、白バイを投入した。
それだけではない。
応援を呼ぶ事も忘れてはいない。
付近を巡回しているパトカーだけでなく、
近市のパトカー、それに県警ヘリもだ。
相手が未知のバンパイアと言えど、
目の前で民間人を殺されては、警察のメンツ丸つぶれ。
是が非でも逮捕せねばならない。
最悪、射殺でも構わないだろう、という意気込みが伝わってきた。
坂道の途中で加藤は、先行する池辺を、「待て」と呼び止めた。
「どうするんですか」と振り返る池辺。
直ぐ背後に警官隊。
彼等の邪魔にならぬように加藤は道の脇に避けた。
不審顔で池辺もそれに倣う。
長蛇の列になった警官隊が駆け抜けた。
けたたましいサイレンを鳴らしてパトカーと白バイが彼等を追い越した。
加藤は池辺を見た。
「地理不案内の俺達は邪魔になるだけだ。
それにだ、足ではバイパイアに追いつけそうもない」
「確かに」と残念そうな池辺。
「俺達は別の捜査をしよう」
池辺の目が細くなった。
興味をそそったらしい。
「別の捜査、・・、何を」
「田原が言っていたろう。雨を降らせる呪術師」
「信じるのですか」
「信じたくないが、目の前で実際にバンパイアを見た。
姿も動きも人間離れしている。
あれがバンパイアなのだろうな。
となれば呪術師が雨を降らせた、と信じても構わんだろう」と池辺の顔を覗く。
池辺が片頬を緩めた。
「分かりました、先輩の勘に乗りましょう。
で、具体的にはどうやって探します」
「人に見られずに呪術の儀式が行える場所だ。
機材もあると思うから、搬入する車が隠せて、・・・。
ある程度の広さがあり、機密が保たれる場所」
「つまり、高い塀に囲まれた無人の場所という事ですね」
「そうなるな。
それに雨雲を呼び寄せるのだから、終点となる場所でもあるわけだ。
おそらくは、この近辺、・・・」
「まさかとは思うけど、一箇所、心当たりが」と池辺。
「どこだ」
「牟礼寺」
意外な名を聞いた。
田原龍一が住職を務める寺ではないか。
盲点であった。
あそこは田原が単身赴任で管理しており、他には誰もいない。
その肝心の田原が跡地の発掘現場に出突っ張りなので、
昼日中は無人となっていた。
おそらく、「盗まれる物はない」と確信しているのだろう。
この坂道を引き返し、途中で別の坂道を登れば牟礼寺の方へ続く筈だ。
「行くぞ」と駆けた。
額から、脇下、背中から大量の汗が噴き出ていた。
息も乱れるが、気が急いて足を緩められない。
暫く走ると前方に坊主頭の六人の背中。
田原達だ。
彼等もバンパイアに走力では負けると判断し、呪術師に切り替えたのだろう。
牟礼寺が見えてきた。
その山門が、行き成り外側に押し広げられた。
観音開きにしたのは半袖ポロシャツに黒サングラスの二人の男。
続けて寺内より白いバンと黒い乗用車が飛び出して来た。
田原達とは反対方向に鼻先を向けていた。
白いバンが急アクセルで走り去った。
黒い乗用車も、二人の男を拾い上げると後を追う。
気落ちしたのか、田原達の足取りが緩くなった。
ついには歩み始める。
後方から追い上げる加藤と池辺に気付いた田原が足を止めた。
振り向いた表情は苦笑い。
「終わったよ」
「何が」
「何もかも。
警察ではない俺達の仕事はここまでだ」
「バンパイアは」
「それは警察の仕事。俺達は見物させてもらう」
「しかしバンパイアは」
「土地の管理が本来の仕事。これはサービス」と仕込み杖を掲げて見せた。
寺に着くとタイヤ痕を遡った。
雨の後なのでクッキリ残っていた。
寺の本堂ではなく石碑の方へ。
途中の百日紅の枝に鶏が吊されていた。
それも五羽。首を斬り落とされていた。
「血を抜いたのだろう」と田原。
石碑に程近い広い場所に地面を削って円陣が画かれていた。
三重の円陣で、外側の円は八つに区切られていた。
それぞれに何か書き込んであったのだろうが、雨で流され、読み取り難い。
おそらくは呪文の文字。
中心部の円が赤く染まっていた。
田原が説明した。
「呪術師が血を浴びて、雨乞いをしたのだろう。
残った術式から相手が想像できる。黒魔術だ。
使い手がヨーロッパから来たとすれば厄介だな」
「どうしてヨーロッパから」
「そこまでは分からない」
池辺が焦ったように問う。
「逃げた車のナンバーは」
「遠すぎて読めなかった」と田原。
他の者達も同様であった。
ルドルフの逃げ足は軽かった。
体力が完全に回復せずとも、
まるで地表を飛ぶかのように、大きな歩幅で駆けていた。
次第に追っ手と距離を広げて行く。
後方から警察車両のサイレンが耳に届くが焦らない。
そのまま正面の山中に駆け込む。
前の戦いは妹が足枷になっていたので、
オールマン博士の手から逃げたものの、近くを離れられなかった。
しかし、今回は違う。
妹の存在がない。
悲しいが、自由になった。
どこにでも行ける。
軽々と獣道を駆け、高所に登った。
麓に追っ手が続々と集まる声。騒がしい。
威嚇しているつもりなのだろうか。
熊ではあるまいし。
★
東北の放射能汚染牛に続いて、
今回の集中豪雨で新潟の米が・・・。
肝心の政府は増税論議最優先としか見えない。
景気の悪い時に増税すれば、全体の税収が縮まるだけなのに。
まったく税金で喰ってる奴の考える事は。
役立たずの上級職にある国家公務員と議員の半減が先だな。
ニュースで、
九電の「やらせメール」問題と、知事発言の関連性を扱っています。
しかし、・・・。
知事が九電寄りになるのは自然でしょう。
知事は親が九電職員だったので、九電宿舎で育っています。
そんな環境で育てば「九電っ子」になって当然。
九電印の知事、それが人間でしょう。
それに玄海町の町長も、実弟が原発の仕事を請け負う建設会社の社長。
本人達に問題があるわけじゃない。
それぞれに立場があります。
彼等は原発が立ち位置なだけ。
選んだのは県民、町民。
国政の体たらくもそう。
無能な政治家を選んだのも国民。
みんなで責任を分かつしかないか。
あぁぁぁぁ、増税だ。
ようやく蟬が鳴き始めました。
シクシク、シクシクと鳴いています。
私も一緒に泣いています。
毒を吐いて泣いています。
「どうしようもないな」と。
★
ランキングです。
クリックするだけ。
(クリック詐欺ではありません。ランキング先に飛ぶだけです)

流石は治安維持組織。
立ち直ると対応は迅速であった。
駆け足で追っている警官隊では無理と判断し、
現場にいた全てのパトカー、白バイを投入した。
それだけではない。
応援を呼ぶ事も忘れてはいない。
付近を巡回しているパトカーだけでなく、
近市のパトカー、それに県警ヘリもだ。
相手が未知のバンパイアと言えど、
目の前で民間人を殺されては、警察のメンツ丸つぶれ。
是が非でも逮捕せねばならない。
最悪、射殺でも構わないだろう、という意気込みが伝わってきた。
坂道の途中で加藤は、先行する池辺を、「待て」と呼び止めた。
「どうするんですか」と振り返る池辺。
直ぐ背後に警官隊。
彼等の邪魔にならぬように加藤は道の脇に避けた。
不審顔で池辺もそれに倣う。
長蛇の列になった警官隊が駆け抜けた。
けたたましいサイレンを鳴らしてパトカーと白バイが彼等を追い越した。
加藤は池辺を見た。
「地理不案内の俺達は邪魔になるだけだ。
それにだ、足ではバイパイアに追いつけそうもない」
「確かに」と残念そうな池辺。
「俺達は別の捜査をしよう」
池辺の目が細くなった。
興味をそそったらしい。
「別の捜査、・・、何を」
「田原が言っていたろう。雨を降らせる呪術師」
「信じるのですか」
「信じたくないが、目の前で実際にバンパイアを見た。
姿も動きも人間離れしている。
あれがバンパイアなのだろうな。
となれば呪術師が雨を降らせた、と信じても構わんだろう」と池辺の顔を覗く。
池辺が片頬を緩めた。
「分かりました、先輩の勘に乗りましょう。
で、具体的にはどうやって探します」
「人に見られずに呪術の儀式が行える場所だ。
機材もあると思うから、搬入する車が隠せて、・・・。
ある程度の広さがあり、機密が保たれる場所」
「つまり、高い塀に囲まれた無人の場所という事ですね」
「そうなるな。
それに雨雲を呼び寄せるのだから、終点となる場所でもあるわけだ。
おそらくは、この近辺、・・・」
「まさかとは思うけど、一箇所、心当たりが」と池辺。
「どこだ」
「牟礼寺」
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田原龍一が住職を務める寺ではないか。
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あそこは田原が単身赴任で管理しており、他には誰もいない。
その肝心の田原が跡地の発掘現場に出突っ張りなので、
昼日中は無人となっていた。
おそらく、「盗まれる物はない」と確信しているのだろう。
この坂道を引き返し、途中で別の坂道を登れば牟礼寺の方へ続く筈だ。
「行くぞ」と駆けた。
額から、脇下、背中から大量の汗が噴き出ていた。
息も乱れるが、気が急いて足を緩められない。
暫く走ると前方に坊主頭の六人の背中。
田原達だ。
彼等もバンパイアに走力では負けると判断し、呪術師に切り替えたのだろう。
牟礼寺が見えてきた。
その山門が、行き成り外側に押し広げられた。
観音開きにしたのは半袖ポロシャツに黒サングラスの二人の男。
続けて寺内より白いバンと黒い乗用車が飛び出して来た。
田原達とは反対方向に鼻先を向けていた。
白いバンが急アクセルで走り去った。
黒い乗用車も、二人の男を拾い上げると後を追う。
気落ちしたのか、田原達の足取りが緩くなった。
ついには歩み始める。
後方から追い上げる加藤と池辺に気付いた田原が足を止めた。
振り向いた表情は苦笑い。
「終わったよ」
「何が」
「何もかも。
警察ではない俺達の仕事はここまでだ」
「バンパイアは」
「それは警察の仕事。俺達は見物させてもらう」
「しかしバンパイアは」
「土地の管理が本来の仕事。これはサービス」と仕込み杖を掲げて見せた。
寺に着くとタイヤ痕を遡った。
雨の後なのでクッキリ残っていた。
寺の本堂ではなく石碑の方へ。
途中の百日紅の枝に鶏が吊されていた。
それも五羽。首を斬り落とされていた。
「血を抜いたのだろう」と田原。
石碑に程近い広い場所に地面を削って円陣が画かれていた。
三重の円陣で、外側の円は八つに区切られていた。
それぞれに何か書き込んであったのだろうが、雨で流され、読み取り難い。
おそらくは呪文の文字。
中心部の円が赤く染まっていた。
田原が説明した。
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「逃げた車のナンバーは」
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後方から警察車両のサイレンが耳に届くが焦らない。
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前の戦いは妹が足枷になっていたので、
オールマン博士の手から逃げたものの、近くを離れられなかった。
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軽々と獣道を駆け、高所に登った。
麓に追っ手が続々と集まる声。騒がしい。
威嚇しているつもりなのだろうか。
熊ではあるまいし。
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東北の放射能汚染牛に続いて、
今回の集中豪雨で新潟の米が・・・。
肝心の政府は増税論議最優先としか見えない。
景気の悪い時に増税すれば、全体の税収が縮まるだけなのに。
まったく税金で喰ってる奴の考える事は。
役立たずの上級職にある国家公務員と議員の半減が先だな。
ニュースで、
九電の「やらせメール」問題と、知事発言の関連性を扱っています。
しかし、・・・。
知事が九電寄りになるのは自然でしょう。
知事は親が九電職員だったので、九電宿舎で育っています。
そんな環境で育てば「九電っ子」になって当然。
九電印の知事、それが人間でしょう。
それに玄海町の町長も、実弟が原発の仕事を請け負う建設会社の社長。
本人達に問題があるわけじゃない。
それぞれに立場があります。
彼等は原発が立ち位置なだけ。
選んだのは県民、町民。
国政の体たらくもそう。
無能な政治家を選んだのも国民。
みんなで責任を分かつしかないか。
あぁぁぁぁ、増税だ。
ようやく蟬が鳴き始めました。
シクシク、シクシクと鳴いています。
私も一緒に泣いています。
毒を吐いて泣いています。
「どうしようもないな」と。
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