宙に浮かぶ女を見ていたヤマトの脇に緑狸・ポン太が並んだ。
浮かぬ顔をしている。
そういえば先ほどより、ポンポコリンの音が聞こえない。
ヤマトがポン太に声を掛けた。
「どうしたんだい」
「んっ・・・」
「・・・」
「あの怨霊から感情が大量に溢れて、ポンポコリンどころじゃないのさ」
「悲しみの感情かい」
「そんな生易しいものじゃない」
「・・・痛哭」
「痛哭・・・、そうだな。それにしても手強そうな白拍子だ」
「知ってるみたいだね」
「無駄に長く生きてるからな」
「名は」
「そこまでは知らない。あの格好が白拍子の踊る時の衣装なんだよ」
「どうだい、一緒に踊ってみたら」
ポン太が笑い飛ばす。
「おいおい、それはないだろう」
実体化した白拍子がゆっくりと着地した。
背中の翼が、格納されるかのように背中に中に消える。
軽い足取りで、小太刀で雷鬼と戦っていた女の方へ向かう。
出雲阿国が身構えた。
いつでも腰の小太刀を抜けるように半身になる。
鈴風が空気を読み、庇うように阿国の前に出て、白拍子を威嚇した。
そこへ前田慶次郎達三人が到着した。
状況は分らないが、阿国と白拍子の間に割って入る。
慶次郎が鬼斬りを、山三郎が野太刀を構える。
五右衛門は太郎の亡骸を、手近の僧兵に預け、槍を借りる。
狐や狸達も、いつでも飛び出せるように、白拍子を遠巻きにした。
白拍子は女以外には目もくれない。
手前で足を止め、じっと女を見る。
相手は睨むように見返してくる。
白拍子が、やおら口を開く。
「そちの名は」
「・・・」
挑発するように嘲笑う。
「私が恐いのかい」
「出雲阿国」
「そう、出雲阿国かい」
「何の用」
「踊りをやるのかい」
「少し」
「やはりね」
空気が一変した。
バロンを追ってきた白犬達が、どこに潜んでいたのか、不意に目の前に現れ、
白拍子に襲い掛かったのだ。
どうやらを白拍子の内にバロンの影を見つけたらしい。
逃さぬように、前後左右から間を空けずに飛び掛かる。
そして牙か爪に掛けようとする。
いずれも必死の形相。
相手の底知れぬ力量に、死を覚悟して臨んでいる。
それを白拍子は紙一重で躱してゆく。
無駄の無い動き。まるで舞っているかのようだ。
時には笑みさえも浮かべる。
鈴風が阿国を振り向く。
それに阿国は、無言で答えた。躊躇うことなく騎乗する。
鈴風が阿国を背に乗せ、白拍子に突っ込む。
慶次郎達の間を駆け抜け、白犬達を尻目に大きく跳ぶ。
合わせて阿国が小太刀を抜き、白拍子の首に斬りつけた。
難なく躱されるが、それは承知の上。
鈴風が着地し、再び白拍子に向き直る。
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大臣就任早々に放言した中山国土交通相が閣僚辞任する見通しだそうです。
大臣の仕事より、自分の政治信条が優先するとは・・・
これでは麻生の「おぼっちゃま」もお気の毒。
仕事量が目に見えて減っている我々に比べ、
首相・大臣の職を投げても、
議員の席には居残れる人達は気楽ですね。
ああ秋風が身に「凍み」てきます。
浮かぬ顔をしている。
そういえば先ほどより、ポンポコリンの音が聞こえない。
ヤマトがポン太に声を掛けた。
「どうしたんだい」
「んっ・・・」
「・・・」
「あの怨霊から感情が大量に溢れて、ポンポコリンどころじゃないのさ」
「悲しみの感情かい」
「そんな生易しいものじゃない」
「・・・痛哭」
「痛哭・・・、そうだな。それにしても手強そうな白拍子だ」
「知ってるみたいだね」
「無駄に長く生きてるからな」
「名は」
「そこまでは知らない。あの格好が白拍子の踊る時の衣装なんだよ」
「どうだい、一緒に踊ってみたら」
ポン太が笑い飛ばす。
「おいおい、それはないだろう」
実体化した白拍子がゆっくりと着地した。
背中の翼が、格納されるかのように背中に中に消える。
軽い足取りで、小太刀で雷鬼と戦っていた女の方へ向かう。
出雲阿国が身構えた。
いつでも腰の小太刀を抜けるように半身になる。
鈴風が空気を読み、庇うように阿国の前に出て、白拍子を威嚇した。
そこへ前田慶次郎達三人が到着した。
状況は分らないが、阿国と白拍子の間に割って入る。
慶次郎が鬼斬りを、山三郎が野太刀を構える。
五右衛門は太郎の亡骸を、手近の僧兵に預け、槍を借りる。
狐や狸達も、いつでも飛び出せるように、白拍子を遠巻きにした。
白拍子は女以外には目もくれない。
手前で足を止め、じっと女を見る。
相手は睨むように見返してくる。
白拍子が、やおら口を開く。
「そちの名は」
「・・・」
挑発するように嘲笑う。
「私が恐いのかい」
「出雲阿国」
「そう、出雲阿国かい」
「何の用」
「踊りをやるのかい」
「少し」
「やはりね」
空気が一変した。
バロンを追ってきた白犬達が、どこに潜んでいたのか、不意に目の前に現れ、
白拍子に襲い掛かったのだ。
どうやらを白拍子の内にバロンの影を見つけたらしい。
逃さぬように、前後左右から間を空けずに飛び掛かる。
そして牙か爪に掛けようとする。
いずれも必死の形相。
相手の底知れぬ力量に、死を覚悟して臨んでいる。
それを白拍子は紙一重で躱してゆく。
無駄の無い動き。まるで舞っているかのようだ。
時には笑みさえも浮かべる。
鈴風が阿国を振り向く。
それに阿国は、無言で答えた。躊躇うことなく騎乗する。
鈴風が阿国を背に乗せ、白拍子に突っ込む。
慶次郎達の間を駆け抜け、白犬達を尻目に大きく跳ぶ。
合わせて阿国が小太刀を抜き、白拍子の首に斬りつけた。
難なく躱されるが、それは承知の上。
鈴風が着地し、再び白拍子に向き直る。
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大臣の仕事より、自分の政治信条が優先するとは・・・
これでは麻生の「おぼっちゃま」もお気の毒。
仕事量が目に見えて減っている我々に比べ、
首相・大臣の職を投げても、
議員の席には居残れる人達は気楽ですね。
ああ秋風が身に「凍み」てきます。