観智院は東寺一山の勧学院で別格本山の寺格を有する寺院です。
密教経典を多く所蔵し、その質量は膨大な数に昇るそうです。
客殿は慶長10年(1605)の再建で桃山時代を代表する書院造りです。
床の間の"鷺の図"と襖絵"竹林の図"はいずれも剣豪・宮本武蔵の筆によります。
長らく銅板葺の屋根でしたが、5年前に本来の姿の柿葺一部檜皮葺の屋根に戻されました。
書院前の庭園は「涅槃禄-長者の庭-」です。
平成29年に真言宗立教開宗1200年を記念して新たに作庭された庭園です。
書院の床の間と襖絵は浜田泰介画伯により描かれた「四季の図」です。
各部屋にはテーマ毎に「春の朝」、「初夏の芽」、「秋の音」、「新雪」に分けられ描かれています。
最後に本堂にお詣りします。
中国唐時代の五大虚空蔵菩薩像です。847年に唐に渡った僧恵運が招来したもので唐の都長安の青龍寺金堂のご本尊だった仏さまです。
虚空蔵とは知恵の仏さまとして知られ、無尽蔵、広大無変の知恵を無尽に蔵していることを意味します。
京都では他に「十三まいり」で名高い嵐山の法輪寺のご本尊さまが虚空蔵菩薩です。
江戸時代の愛染明王像です。
愛の明王として知られ、愛欲や貧染をそのまま浄菩提心まで昇華させる、煩悩即菩提のご本尊です。
見た目は憤怒相の怖い表情をされていますが、今日では縁結び、子宝のご本尊としてお詣りされています。
以前は書院の一室で呈茶をされていましたが昨今のコロナ禍の中、中止されているのが残念です。
観智院の御朱印は東寺食堂で授与されています。