京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

「聖林寺十一面観音」 奈良国立博物館

2022年02月18日 09時53分00秒 | 日記
 2月15日は奈良国立博物館で開催中の「聖林寺十一面観音〜三輪山信仰のみほとけ」展に行って来ました。





片山東熊設計の旧本館です。
現在は"なら仏像館"として使われています。
特別展が開かれる西館、東館とは地下で結ばれています。





奈良博には"プレミアムカード"の企画があり、1年間有効で4回の展覧会が観覧する事が出来ます。
これで3500円なので前売りチケットの比ではなく断然お得です。






現在は奈良県桜井市にある聖林寺に安置されていますが、元は大神神社の神宮寺のひとつ大神寺、後に大御輪寺(だいごりんじ)のご本尊としてお祀りされていた観音像です。

明治元年の神仏分離令により聖林寺に移された事が今回展示されている文書から明らかになっています。

聖林寺収蔵庫で何度か拝ませて頂いていますが奈良時代を代表する"美仏"です。

明治19年に聖林寺を訪れた"お雇い外国人"フェノロサ(東洋美術史家)と教え子・岡倉天心により"秘仏の禁"が解かれました。

かっては和辻哲郎や白洲正子がその美しさを絶賛しています。

奈良時代を代表する木心乾漆造りの技法で造られ厳しいお顔の表情や天衣の曲線の美しさ、また、花弁の優雅さから日本彫刻の最高傑作のひとつにあげられています。

日本の十一面観音像で七躰国宝指定されている中の一躰です。





また、大御輪寺で十一面観音像の脇侍としてお祀りされていた地蔵菩薩立像(国宝・奈良法隆寺蔵)と日光・月光菩薩立像(奈良・正暦寺蔵)も展示されています。

神仏分離令でそれぞれ違う寺院に移されてから約150年ぶりの再会です。

聖林寺では老朽化した収蔵庫の建替えを計画されていて寄進やクラウドファンディングで資金を集められています。



今回、計画されている新収蔵庫(観音堂)は耐震構造で博物館の展示の様に360°から拝めるようになるそうです。





また、同時にこの時期に恒例となっている特別陳列「お水取り」も開催されています。