す 大阪中之島にあるフェスティバルタワーウェスト4階にある中之島香雪美術館には常設展示で「中之島玄庵」があります。
建物内に茶室を再現したものは数多くありますが、茶室そのものと露地まで忠実に再現した施設はこちらだけだそうです。
朝日新聞社の創業者村山龍平の神戸市東灘区にある国指定重要文化財「旧村山家住宅」にある「玄庵」を忠実に再現したものです。
全体的な設計・監修は当時の茶室研究の第一人者中村昌生先生、施工は安井杢工務店、露地は中根庭園研究所が担当されました。
村山龍平は財界人との交流を通じて「茶の湯」に傾倒し、藪内流の藪内節庵に師事しお茶を学びます。
明治44年(1911)には藪内節庵指導のもと村山邸和館に茶室「玄庵」を造ります。
「玄庵」は藪内家の重要文化財の茶室「燕庵」の写しです。
写しの建築を許される事は藪内流の茶を極めた者だけに許される事であり、村山龍平がいかに茶道に傾倒していたのかがわかります。
大阪市内のど真ん中、まさに「市中の山居」ですね。
次の特別展は4月4日からの「香のいろは」です。