山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)

英語教育、国際姉妹都市交流、ジョン・スタインベック、時事英語などの研究から趣味や日常の話題までいろいろと書き綴ります。

日本人の英語

2011-01-30 01:03:33 | 日記
1月29日(土)、ある出版社の編集会議があり参加してきました。

のトイレ内で、やや不自然な英語を見かけました。





上の「便座を下げる」というほうには、"Touch to lower seat."と下の「水を流す」というほうには、"Touch to flush after use."との英文がそれぞれ書かれていました。

写真には写っていませんが、これらの表示の右側にパネルがあり、それに触れると便座が下がったり水が流れたりするのです。

には、外国人もかなり乗りますので、このような最新式のトイレの設備にはきっとびっくりすると思います。

ただし、この英語にも少しばかりびっくりするかもしれません。

どちらの文も、Touchという動詞の後に、何にタッチするのかを示す目的語が必要だと思います。

例えば、"Touch the panel to ~"などのように、パネルに触ることをはっきりと示す必要があります。

僕は、英語教員という職業柄、いろんなところに英語が書いてあると、つい正しいかどうかチェックしたくなります。

今日のタイトル「日本人の英語」は、実は、僕の大学・大学院時代の恩師である故長谷川潔先生と日本時事英語学会でお世話になっている堀内克明先生の著書『日本人の英語―横文字文化の盲点』(三省堂, 1969)から拝借しています。

お二人も、この書の中で当時の日本国内で見られる看板等の英語の誤りを指摘しています。

お二人が、この書を出されて既に40年以上が経つわけですが、日本人の英語は改善しているでしょうか?

僕は、日本人の英語が二極化していると見ます。

現在は以前に比べると、生きた英語に触れる機会が多いので、いわゆる自然な英語をマスターしやすい状況になっていると言えます。

でも、まずい英語も時々散見されます。

僕は、まずい英語表記は、翻訳ソフトの普及と関係があると見ています。

翻訳ソフトで訳したものを、そのまま使っているだろうと推測される例が見られるからです。

ほんの一例を挙げると、あるメーカーが出している自動車の後ろに貼り付ける表示に「追い越してください」または「お先にどうぞ」という意味で、"Please pass it."と書いてあります。

でも、it(それ)という代名詞は、先に何かがあり、それを受ける形で使われるべきもの。

いきなり、「それ」と言われても、「それって何?」ということになってしまいます。

まあ、でも、僕自身英語を使うときにも間違いをしていますので、他人の揚げ足を取るのは、この辺で終わりにします。

最後に、サンフランシスコ空港のトイレで見た表示を紹介します。



Please put seat down after use.と書かれています。

「使用後は便座を下ろしておいてください」ということです。

なるほど、そう言うんだと思いましたので、(トイレ内なので)人目を忍んで、教材用に写真撮影をしてきました。






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