森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「プレイヤー」を再び観ました。

2023-02-14 01:28:59 | 観劇・コンサート日記

この舞台は、2017年8月にシアターコクーンで観ました。

その時の感想は→・「プレイヤー」を観てきました。

 

そして2018年、wowowで放送され録画してあったものを、ようやく見直しました。

2018年ですものね。

どれだけ寝かせたらいいのだと言う感じですね。(^_^;)

 

だけど間を空けて、記憶の底に沈んでしまっていたお芝居を見るという事も、たまにはいいなと思います。

 

確か、私は劇場では「ああ、そう来たか。」と思ったものの、そこに行きつくまでの物語には、くらいついて真剣に見ていたように思います。

「分からない」と言うのではなかったのですが、じっと真剣に見ていなければ、やはり迷路に迷い込むような内容だったからです。

だから何処かでその言葉を拾うまで、そのお芝居がホラーであることにも気がつかなかったのでした。

だけど内容を80%忘れていたような二回目であっても、芯の部分は分かっていたので、分かりやすく面白く見ていました。

 

その時思った正直な感想ですが、「イキウメ」の前川知大が書いたシナリオは、学生演劇でも演じやすそうだなと思ったのです。これは別に低く見たというわけではありません。物語に良い意味のシンプルさを感じたのかも知れません。

シンプルだけど、実は複雑。

WOWOWさんからあらすじをお借りしてきました。

【【ストーリー】
ある公共劇場のリハーサル室に俳優やスタッフが集い、戯曲「PLAYER」の稽古が行なわれている。刑事の桜井を演じる道彦(藤原竜也)、環境保護団体代表で瞑想ワークショップの指導者・時枝役の悟(仲村トオル)、時枝の助手・神崎を演じる恵(成海璃子)、妻子を失い瞑想ワークショップに参加している大河原役の和夫(木場勝己)らも参加し、演出家・東(真飛聖)が演出している。
物語は「行方不明の女性・天野真が遺体で見つかるが、彼女は肉体を失った後も意識として存在し続け、友人の口を借りて自分の想いを伝え始める。真相を追う桜井を前に、彼女を死に導いた時枝は、死者との共存こそが物質文明の行き詰まりを打開し世界を変えるのだと主張する」というもの。死者の言葉を「再生」することと、台本のせりふを「再生」することが意識の中で重なった俳優やスタッフたちは、やがて戯曲の中の倒錯した死生観に感覚を浸食されていく。】

舞台の中に舞台があり、その中の俳優たちは演じる役柄の中で、死者である天野真のプレイヤーになっていく。が、このお芝居の作者は既に亡くなっている。

ここから先はネタバレしています。

 

そしてこのお芝居を演じる事によって、その中のひとりは、(お芝居の中のお芝居の)作者のプレイヤーに・・・・と言うお話。

が、これ、実はもう一つ先があると思いました。つまりそのお芝居を見ていた私たちも、縁して、プレイヤーになってしまうという・・・・・(つまり前川知広の ?)

作者のプレイヤーになってしまった道彦は、舞台の中でもプロデューサーの女性に「必ずネットにあげてね。」と言います。

だからそれを読んだ人もまた・・・・ってね。

 

リングにちょっと通じるものがあると思いましたが、こちらは滅びゆく世界を救うための手段だから、その辺はちょっと安心です。しかし、安心と言っても死を乗り越えなければならず(死体がゴロゴロ)、ちょっと信用が出来ない・・・・かも。

そしてこれは演出も、その舞台を飛び出して、しばらくはそのシナリオがネット公開されたはず。

なかなか企画が面白かったですね。

 

また学生演劇の人たちが演じやすそうとか思いながらも、このお芝居は、あらすじの中にも載っているように、かなりの豪華俳優でキャスティングされていました。

 

上にリンクした2017年の感想の中に

>《そして、

「これで良いかな、神山さん。」と道彦がプロデューサーの神山に言う。

「えっ !?」

この瞬間にプレイヤーは劇中劇の中から飛び出して・・・・・

私はまたも「おおっ」と思う。

 

「このシナリオ、約束通りネットに挙げて・・」とこの劇中劇の作者のプレイヤーになった道彦が言う・・・・・。

本当の恐怖はこの物語の先にあるー。》

と書いたのですが、その神山の「えっ !?」に、一瞬の喜びの輝きが見て取れて、そして物語は終わるのでした。

 

ずっと会いたかった人に、思いがけない形で再び会えることは、やはり幸せな事なのかも知れません。

このお芝居はホラーでも、「標野凪「伝言猫がカフェにいます」」にも通じている所があるなと思いました。

 

演出は、長塚圭史


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