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森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

Adventures 2

2007-12-11 09:31:29 | イギリス旅行記

 

 ハワースの町ともお別れです。来た道とは違う細い路地を通って、町のはずれの駐車場近くまでやってきました。そこで、後ろから来たグループの人に、話しかけられました。

街の道を歩いていたら、パン屋の人に帽子を忘れていった人を知らないかと聞かれたと言うのです。パン屋の人はツアーの人はみんな仲間だと思っているのでしょう。でも、私たちは口も聞いたこともありません。その人は知りませんと答えてしまったけれど気になって、私たちに尋ねてくれたのです。

ああ~、と私は思いました。何処にいっても私は私。その帽子は私のです。集合時間まで後わずかです。諦めようと思いました。失敗談とともに、私の帽子はイギリスのかの地にと言うのも、「まっ、いいか」という感じです。(お店の人には迷惑な話ですが・・)

でも、そこにいたみんなの「大丈夫だよコール」。

「でも、間に合わないかもしれないし。」
「言っておくから、平気よ。取って来たら。」
と後押しされて、ダッシュで元来た道を走りました。

 

いえいえ、元来た道ではありませんでした。分かりやすい道ということで、もう二度と通らないと思っていた、牧師館、パリッシュ教会、墓地の道を急ぐ私。だーれも歩いていません。そして、石段を降りて行き・・

  そのとき私は不思議な光景を目にしました。そうです。町は既にひっそりとして、確かに他の観光客はパラパラといますが、日本人のいない町なのです。タッタッタッタと私の足音が石畳の道に響きます。

パブの前の背の高い男。ベンチで家族と高笑いしている、半端じゃない太った女。 早々と店じまいに勤しむ女性。目的もなさそうに歩いている男性。その中をタッタッタッタと、私は走ります。

 そして、お茶を頂いたパン屋にたどり着いて、無事に帽子を取り戻す事ができました。何が嬉しかったかと言うと、友人にも聞かれずにkiriy流ハチャメチャ英語がパッと通じた事です。しかも、お店の人がドアの所まで送ってくれました。

 そして、また私はシャーロットやエミリー、そしてパトリックやアンも歩いただろうその道を、また走って戻りました。私はほんのつかの間の冒険者です。

 帰り道は、やはりみんなと帰る時に通った別の道を行くことにしました。狭い路地の坂道を登ると、そこには前の記事で書いた猫が、私を待っているかのように道をふさいで座っていました。

 辺りには誰もいません。もちろん私は話しかけてみましたよ。
「ニャニャーン」
すると
「ニャー」と猫は言いました。

ヤッタ!!   やっぱり猫語は万国共通です。
<何言っているんだ、と思った方はコチラ■

おっと、いけないこんな事をしている場合ではありませんでした。

 

 だけど、何とか集合時間には間に合いました。バスに戻ると、忘れ物のことを伝えてくれたグループが拍手をして迎えてくれました。なんだか、その日から私達はこのグループの人たちとそして他の人たちとも、よく話すようになったような気がします。

 

 「大丈夫だった?」と友人が聞いてくれました。心配してくれた友人には申し訳なかったのですが、なんだか、私はこの失敗も楽しんでしまったようです。

そうそう、シェークスピア生家のところでなくしたバンダナを、誰かが拾ってくれた話を書きましたが、その日と、この帽子の忘れ物をした日は同じ日。それで、あの記事の中でその日の占いにはきっとこう書いてあるに違いないと書いたのですよ。

「失せ物注意。だけど、それは必ず元に戻る。」そしてよく読むとその下には、こんな文が付け加えてあったかもしれません。
「素敵な思い出とともに・・・」

コメント
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