森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

季節の風景から

2007-12-08 01:39:31 | 詩、小説
 
  誰かが望もうが望むまいが
  僕は 生まれてきた 


  そうだ 思い出せ
  何かがいつも僕を見守り
  僕を愛している

  だけど 心を覆う目の前の憂鬱が
  まるで そいつが世界の全てのようだと錯覚させる。
  道は閉ざされて 季節は止まる
  明日は単なる今日の続き

  僕は確かに疲れ果ててしまったんだよ
  もう ファイティングポーズも取れないし
  抗うことの苦痛も放棄したいんだ

  「頑張れ 諦めるな」
  心の中の 僕のセコンドが
  声を荒げて叫んでいる

  いやだよ
  さっさとタオルを投げろよ

  僕はリングを降りていく
  そして 僕の肩にへばりついている
  「何とか」の僕と言う
  「何とか」という名前をぺりぺりはがして捨ててみた


 
  誰かが望もうが望むまいが
  僕は 生まれてきた 



  僕は僕に戻って  
  空なんかを見上げてみる
  そして僕は知るのだ
  道は いつだって
  閉ざされてなんかいないって
 


 

 
 

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