水晶山きまぐれカバン店

安曇野 十色屋 日々のこと 

残したいもの

2008-09-30 | ノスタルジー

P1010004 P1010003 あと半年ほどで取り壊されようとしている古民家がある。田園が広がる穂高有明に屋敷林と土塀で囲まれた趣ある農家。この敷地内の土蔵に住むIさんご夫妻と親しくなってから、私の心の片隅にこの古民家の行く末が、まるで喉に刺さった魚の骨のようにチクチク痛い。囲炉裏の煙で黒くすすけた太い梁や、昔を偲ばせる建具、電気の傘も年代物で懐かしい。昔から使われている年月を経たあたたかいものが好きなだけの私はとても無力で、ただただ、300坪もあるこの敷地をそっくり買って維持してくれる人が現れるのを願うばかりである。壊して更地にするのは簡単だけど、ここにはうつりゆく時代があったのに。
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Iさんの土蔵の風情も..あと半年。


無花果の記憶

2008-09-28 | 日記・エッセイ・コラム

生まれ育った家の隣はイチジク畑だった。秋になると青臭いようなイチジクの匂いが庭先に漂ってきた。赤紫の大きな果実が重そうに葉っぱの間から下がっているのを見ると、畑のおばさんが籠をかかえて訪ねてくるのが待ち遠しかった。おすそわけにいただく熟して実の割れたイチジクは、甘くてトロけそうで果肉を吸うようにしてほおばった。今でも恋しくて、年に一度は買って食べるイチジク。子供の頃食べたあのイチジクにはもう出会えないと知りつつ…。Dscn0055


黒いモコモコ

2008-09-27 | 日記・エッセイ・コラム

今日は9月とは思えぬ寒い日だった。朝うっかりバイクで出かけちゃったら、涙と鼻水でブルブル震えた。ああもうそんな季節かといつもなら寂しくなる寒がり屋も、ふふっ、今年は少しうれしい。まだかまだかと出番を待ちこがれる、秋の始めに買ったモコモコのブーツがある。ゲンキンな私は早くこの黒いブーツを履いてどこかに出かけたい。真っすぐ伸ばして履くとスタンダードなハーフブーツだけど、少し折り曲げてモコモコを出した感じがいい。まるで長靴を履いた猫のように、背筋を伸ばして大きめの歩幅で歩けそう。足元の装備万全!楽しみだな~冬。Dscn0086


栄養補給

2008-09-25 | おいしいもの

Dscn0066 この前の休日、所用で松本をウロウロし、久しぶりに「もり志麻」の器から溢れんばかりの海鮮丼にありついた。どう?すごいでしょう!これで1,250円と大満足のお昼ごはん。ホントは内緒にしておきたいけど、でもこのスゴさをみんなにおしえたいし…複雑な気分。だから行ってみたい人は私に直接聞くべし。あっ、無愛想で気の強そうなお姉さんがいるけど怖くないよ。聞いた事には答えてくれるし、お茶もついでくれる。場所はね…


収穫の季節

2008-09-24 | 日記・エッセイ・コラム

秋分の日の連休の頃、安曇野ではあちらこちらで稲刈りが行われている。黄金色に実った稲の穂をトラクターがイッキに刈り取って行く。今まで毎日この日の為に田んぼを見守っていた農家の人の思いは、ボサボサ頭を刈った時のようにサッパリ気持ちいいんだろうか、それとも肩の荷がおりてホっと一息だろうか…。野次馬のわたしも見ていてなんだか気持ちいい達成感だもの、現役を退いたお爺ちゃんたちも車椅子で見物してた、ジッと遠くを見るような瞳で。空は一面のうろこ雲…Dscn0058


働く女の…エプロン展

2008-09-21 | ワーク

Dscn00545人のsewing woman's(縫う女)が集まって「エプロン展」をすることになった。10月17日から30日まで、JR穂高駅前のひつじ屋で。一声かけたらなんとそうそうたるメンバー?の集まった事か!(すみれ洋裁店のみどりさん、ようさん工房のようさん、サロン.アズ.サロンのきみこさん、ニュアージュ.ブランのよしこさん)みんなそれぞれに忙しく働く頼もしい面々である。題して「働く女の…エプロン展」ちょっと勇ましい?それにしても、ミーティングで集まった一人一人の個性的で魅力的で楽しかったこと…。最年長のお姉さんのワタクシとしてはとてもとても楽しみです、このwoman'sがどんなお洒落で機能的な作品を作ってくるのか。そして、ワタクシの初エプロンがデビューできるのか…。不安と期待の入り交じった中、もはやDMは刷り上がり日にちは刻々と近づいてくる。あ~、神様!Dscn0035    










すみれ洋裁店に陣中見舞いに行くと、すでに出来ていたスモックエプロン。うわっ、みどりさんステキ!


中国薬膳家庭料理の店

2008-09-19 | おいしいもの

Dscn0030 Dscn0031 Dscn0032 時々ふと食べたくなる、そこでしか味わえない料理を出してくれる店がある。「チャイナスパイス」中国薬膳家庭料理の店。もう何年も前から時々訪ねる中国出身のご夫婦が営むレストラン。いついっても同じ笑顔、同じ味がそこにはあって、なんにも変わらない安心感が食欲をそそる。ましてや薬膳である、食が進まないわけがない。いつも食べ過ぎちゃうんだけど、不思議!おなかがもたれないんだ。棚にはビンに詰まった干しナマコや何かの根っこのような漢方が並び、画家でもある店主の見事な絵が壁を飾っている。運ばれた料理をペロッとたいらげて、気さくなご夫婦とつかの間の談笑。「美味しい」っていうことは心も体も満たされる事、ここには確かに美味しい時間が流れている。ご馳走さまーまた来ます、そのうちまた無性に食べたくなったらね。


十六夜(いざよい)の宴

2008-09-17 | 日記・エッセイ・コラム

Dscn0039 Dscn0040_2 月が満ちたので一杯やりましょうと、うれしいお誘いを受けて集まった十六夜の宴。Iさんの風情たっぷりの土蔵にもてなしの手料理がズラリとならぶ。かわいい奥さんAちゃんの心のこもった品々にため息…。まだまだこの後に蒸し物や黒米のごはんやデザートの杏仁豆腐(もちろん手作り)も登場し、上質な小料理屋に来た気分。器の選び方や座布団の配置にまでなんだかご夫婦の美意識を感じて、なのに気のはらない心地よさは古びた日本家屋のなせる技か…低い天井、年期のはいった壁や柱にくつろいでしまう。楽しい宴会に「なんの為の集まり?」とお月さまもあきれた事でしょう。だって主役の写真も撮れなかったし…。


艶やかな柘榴の実

2008-09-15 | 日記・エッセイ・コラム

7月頃にみごとな花を咲かせて見上げていた柘榴の実をS先生からいただいた。届かないので脚立にのって採ってもらった、両手で持つほどの大きな大きな果実。これが枝の先に成っているんだから木もさぞかし重かっただろう。なんとも色っぽい艶やかなピンクで、くちばしを尖らせた鳥のように先が割れている。綺麗な実だけれど、でもまだ早熟な色気?を感じるので、食べるのはもう少し後にしよう。ほどよく熟れたくらいが甘くなっていいかも…人も果物もね。Dscn0028


工房クルクル…

2008-09-14 | ワーク

すごく焦っています…サボっているわけじゃないけれど夏の品不足が解消しないまま「えっ!連休?」と秋の敬老の日に突入。そして後に控えているのは秋分の日。きゃぁー、どうしよう、お店の中がスカスカです~。遠くから来てくださる方に申し訳ない次第で、気合い入れてフル回転で作っています、お店が終わってから…。工房の作業台のうえは糸や布が散乱して、ガンバッテルのわかるでしょう?って、もとからかたずけるのニガテなんだけどね。えっと、何からやればいいんだ?Dscn0019