いっつもすぐに戻って行くのに、今回は一ヶ月近くいれそうなんて嬉しい電話。
就職したらもうそうそう一緒にはいれないかと思うと…毎日思い切り美味しいものをお腹に詰め込むぞ!と、気合が入る母である。
先日の息子の誕生日、どんなご馳走が食べたいか聞いたら「ラーメン」という答えがかえってきた。料理長としては手抜きが出来て楽チンなので、夕飯は家族そろってラーメン屋へ行くことに。出かけた場所は息子達がお気に入りの松本の寸八。「こってり」も「あっさり」も面の太さも選べて、何よりテキパキと働くお店の若者が感じいい。誕生日を口実に久々の家族で外食も楽しかったな。
長男が一人立ちして出て行ってから、我が家に流れるピアノの調べが消えた。毎日少しの時間でも欠かさず弾いていた彼のローランドは、共同住宅であるアパートには持って行けなかった。そして、愛蔵版のレコードもプレイヤーがないので諦めておいていった。アントゥール.ルービンシュタインによる「ラフマニノフ.ピアノ協奏曲イ短調作品16」彼が中学生の頃、通学途中の古道具屋の前に‘ご自由にお持ちください’とダンボールに入って置いてあったレコードだ。それを見つけて興奮して持って帰って来た時の、嬉しそうな顔は忘れない。渋い中学生だけど、自分の心に響くものに夢中になれる、幸せ者に育った。家の中に流れていた音楽は大切な家族の時間だったと、弾き手のいないピアノや古いレコードを見て思う…。今度帰って来たら珈琲でも入れて、久しぶりの音色をゆっくりと聞かせてもらおう。
息子が運転免許を取った。初々しい初心者マークを我が家のオンボロ軽ワゴンに貼って、練習のためお抱え運転手のごとく何処へでもお伴していただく。全ての試験を一回で合格したわりには彼の運転は超安全運転で、同乗者が少し焦れるくらいの慎重派。でも、良かったこれくらいで。若さに任せてスリルを楽しむ息子であったら、きっと心配で生きた心地がしないと思う。今のところの彼の目標は、お母さんを超える事。ガンバレーと言いつつ、ふふっ、そうは安々とは抜かされません。私にだって「あなたを産んだ」というプライドがありますから…。 みなさん、トロトロ制限時速で走るワカバマークを見かけたら、邪魔にせずどうか暖かく見守ってやってください、修行中ですから。