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【奈良・高市郡】飛鳥時代の天智天皇二年(663)、天武天皇の子の草壁皇子が住んでいた岡宮を、第38代・天智天皇(天武天皇の兄)が当時の仏教の指導者で法相宗の祖・義淵僧正に与え、義淵が寺に改めたのが始まりと伝わる。 当初は不空羂索観音像を祀っていたが、平安時代になって現本尊の如意輪観音菩薩が信仰の中心となり、西国三十三ヵ所観音霊場として発展した。 岡寺は現在、岡山の中腹に位置するが、寺の西に隣接する治田神社境内から奈良時代前期の古瓦が発掘されていることから、創建当時は治田神社の位置にあったと推定されている。
義淵僧正の門下には、奈良時代の高僧・玄や菩薩と仰がれた行基、東大寺創建に関わった良弁僧正など、奈良時代の仏教を興隆した多くの先駆者がいる。 真言宗豊山派で、本尊は天平期作とされる如意輪観音坐像。
明日香村の中心の岡集落の狭い道にあるバス停「岡寺前」で下車....直ぐ傍に立つ石造鳥居をくぐって集落を東へ進む。 暫く行くと坂道の参道となり、登りつめると山腹に五色幕を巡らした朱塗りの仁王門が立つ。 仁王門の軒下を見ると四隅に獅子や龍や虎の形をした建築部材があり、屋根を支えているのが珍しく、面白い。
仁王門をくぐり石段を登ると、堂宇が南面して東西に並んでいるが、ひときは大きい本堂は西国観音霊場札所にふさわしい威容を誇っている。 本堂の向拝に立って薄暗い堂内の奥を覗く....白く浮かび上がった如意輪観音像と目が合い、慌てて手を合わせた。 如意輪観音像参拝後、厄除鐘が下がる鐘楼に行き、一礼合掌一打してから龍蓋池に向かう。
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岡集落の中の参道入口に立つ石造明神鳥居..治田神社の鳥居
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坂道を登り切った参道から眺めた門前の佇まい
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門前の拝観受付の傍の地蔵石仏と六字名号板碑(と思う)/地蔵石仏は右手に持つのは錫杖ではなく未開蓮のように見える
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入母屋造本瓦葺の仁王門..江戸時代慶長十七年(1612)再建
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仁王門は飛鳥で現存最古の建築..門前左に「日本最初厄除観音」の石標が立つ
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仁王門には仏敵を追い払う阿形と吽形の金剛力士像が厳しい形相で鎮座
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軒下の四隅に屋根を支える阿吽獅子・龍・虎の形をした建築部材が見える
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仁王門から眺めた境内..左手に切妻造本瓦葺の手水舎、左手上は新書院、正面奥に石造物がある
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石段の下に参詣者を迎える石造物が鎮座..錫杖と宝珠を持ち蓮華座に坐す丸彫りの地蔵石仏
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石段を登りつめた処の社務所の傍から眺めた境内
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石段を登りつめた処に建つ入母屋造桟瓦葺の寺務所
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境内左手の白壁の築地塀の中に建つ本坊(旧書院)は仁王門と同時期の建立..新書院は旧書院の西側に建つ
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本坊(旧書院)前の切妻造本瓦葺の門
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門から眺めた落ち着いた雰囲気の旧書院(非公開)..江戸初期寛永二十一年(1644)建立
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旧書院前に建つ小さな入母屋造本瓦葺の楼門..江戸初期の慶長年間(15966~1615)建立
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独自の形式の小さな鐘楼門で珍しい遺構..朱塗りの楼門の上層に組高欄を設けている/旧書院・楼門・開山堂・本堂が南面して東西に並んで建つ
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入母屋造銅板葺で妻入りの開山堂(三間堂)..江戸時代寛政九年(1797)頃の建立
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阿弥陀三尊像を祀る開山堂の前面には桟唐戸と両側に花頭窓/八角燈籠越しに眺めた開山堂
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入母屋造本瓦葺で妻入りの本堂..江戸時代文化二年(1805)建立
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荘厳と偉容を見せる本堂..唐破風の向拝で五色幕を巡らしている
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露盤宝珠を乗せた宝形造銅板の常香炉舎..本棟と唐破風に獅子口が乗る/蓮華形の常香炉越しに眺めた本堂向拝/本堂前の縁に鎮座する十六羅漢の第一尊者・賓頭盧尊者の像
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本堂の向拝..観音信仰と厄除信仰の寺らしい雰囲気,堂内奥に4mを超える本尊の塑造如意輪観音坐像のお顔が..
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内陣に鎮座する威厳に満ちた結跏趺坐の如意輪観音像..天平時代作で像高4.58m、右手は施無畏印、左手は与念印を結ぶ
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入母屋造銅板葺の鐘楼..本堂と同時期の建立で、下半分を羽目板で覆っている
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