何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

吉備津彦神社-(3) (岡山)

2020年07月21日 | 寺社巡り-岡山

【岡山・岡山市】昭和五年(1930)、不慮の火災により本殿と随神門以外の社殿・回廊を焼失した。 その後、昭和十一年(1936)、飛鳥時代の社寺建築の粋を集めて荘厳華麗な社殿が再建され、現在に至っている。
東面で鎮座していて、夏至の日には、朝日が正面鳥居から昇り、その光が社殿内に差し込み、祭文殿の御鏡に入るように建てられていることから「朝日の宮」とも称されてきた。 これは太陽を神と崇めた古代太陽信仰を示し、自然に対して畏敬の念を抱き、五穀豊穣や日本民族の安寧を願う神社として創建されたといえる。

本殿と渡殿が建つ一段高い境内や、社殿の南西側と北側の樹林の中に多くの境内社が鎮座する。
本殿・渡殿境内の周囲四隅に、本殿を護るように配祀されている尺御崎神社二社と楽御崎神社二社を低い透塀越しに眺める。 本殿を向いて鎮座するこの四社には、大吉備津彦命が吉備国を平定する際に活躍した四人の従者を祀っている。
中山の山腹に鎮座する稲荷神社に向かう。 社殿南側の築地塀に沿って立ち並ぶ朱塗りの鳥居を抜けると、傾斜地に稲荷神社の境内が広がり、その裾に石造り明神鳥居と四社の末社が東面で鎮座。 その中で目を引くのが、大棟に外削ぎの千木と4本の堅魚木を乗せた温羅神社で、桃太郎伝説で鬼とされるが吉備国に様々な文化をもたらした温羅命の和魂を祀っている。
石造りの鳥居をくぐって石段を上りつめると、樹林に囲まれて珍しい本瓦葺の稲荷神社が建つ。 この地方で最も古く稲荷神を祀った社だそうだ。
社殿北側に鎮座する摂社・子安神社に向かう。 参道の中ほどに石造りの明神鳥居が立ち、直ぐ右隣に、太宰府に左遷される道中この神社に立ち寄った菅原道真を祀る天満宮が鎮座。 鳥居を通して、石段の上に子安神社の拝殿が見える。 石段を上ると朱塗りの子安神社が東面で建ち、その右手に7つの末社が整然と並んでいる。 子安神社は江戸時代初期の新築で、檜皮葺の拝殿と透塀に囲まれた檜皮葺の本殿が鎮座....子授け、安産の神様として崇敬を集めていて、特に若い人の参拝が増えているようだ。

△祭文殿の南側に建つ入母屋造銅板葺の神饌所....神饌所は神様の御食を調理するところ

△正面五間は飾金具を入れた板扉、三間は連子窓、一軒は羽目板
 
△渡殿・本殿境内の周囲四隅に、本殿を向いて尺御崎神社(2社)と楽御崎神社(2社)などが鎮座 (写真は右手奥隅に鎮座する尺御崎神社)....祀られているのは大吉備津彦命が吉備国を平定する際に活躍した従者/右手奥に鎮座する流造銅板葺の尺御崎神社....夜目山主命を祀る

△左手前隅の築地塀傍に鎮座する流造銅板葺の楽御崎神社(楽々与理彦命を祀る)、右隣に石造り切妻造の岩山神社(建目方別命を祀る)

△稲荷神社への参道に立ち並ぶ朱塗りの明神鳥居....石燈籠は享保十三年(1728)の造立

△朱塗りの鳥居を通り抜けると、稲荷参道の南側に境内社4社(末社)が鎮座....右から温羅神社、十柱神社、牛馬神社そして祖霊社(左端)

△千木と堅魚木を乗せた流造銅板葺の温羅神社(右端、温羅命之和魂を祀る)と十柱神社(吉備海部直祖など10柱を祀る)....温羅命之和魂は吉備国に製鉄技術をなどをもたらした

△流造銅板葺の祖霊社(左端)と牛馬神社....祖霊社は社家の祖霊、牛馬神社は保食神を祀る
 
△稲荷神社への石段参道前に立つ石造り明神鳥居....手前に「百度石」、鳥居を通して奥の傾斜地に鎮座するト方神社が見える/稲荷神社境内の傾斜地に鎮座する流造銅板葺のト方神社....池田信輝公と池田輝政公の霊神・輝武命と火星照命を祀る....奥の高台に鎮座するのは稲荷神社

△流造本瓦葺の稲荷神社....倉稲魂命を祀り、この地方で最も古く稲荷神を祀った社とされる

△石燈籠を備えた子安神社、天満宮、末社(7社)への参道入口

△石段参道前に立つ石造り明神鳥居....石段上に子安神社、鳥居右手に天満宮が鎮座

△明神鳥居の右手に鎮座する流造銅板葺の天満宮....平成十七年(2005)の再建で、延喜元年(901)に太宰府に左遷される道中、吉備津彦神社に立ち寄った菅原道真を祀る

△明神鳥居の左手を進むと吉備津彦神社の社殿境内に....

△摂社・子安神社....古より祀られる子安神社を慶長十四年(1609)、姫路藩2代藩主池田利隆(照直)が光政誕生を祝って新築....伊邪那岐命、伊邪那美命、木花佐久夜姫命、玉依姫命を祀る

△入母屋造檜皮葺の拝殿....中央間は引き戸の腰高格子戸、両脇間は菱格子窓、側面二軒は菱格子窓....軒廻りは一軒疎垂木、組物は唐草模様を入れた絵様肘木で中備無し

△拝殿を通して眺めた本殿....上に花狭間、下に格狭間を入れた桟唐戸で、両脇に小脇羽目、擬宝珠高欄付き廻縁で縁奥に脇障子がある

△流造檜皮葺の本殿(一間社流造り)....大棟端に「五七桐」の紋を入れた鬼板、拝は蕪懸魚、妻飾りは虹梁大瓶束

△子安神社の北側に整然と鎮座する流造銅板葺の境内社(末社7社)

△境内社の奥から社殿方向に眺めた末社群

△子安神社の北側隣に鎮座する下宮(倭比賣命を祀る)
  
△伊勢宮(天照大神を祀る)/幸神社(猿田彦命を祀る)/鯉喰神社(楽々森彦命荒魂を祀る)
  
△矢喰神社(吉備津彦命御矢を祀る)/坂樹神社(吉備津彦命御矢を祀る)/祓神社(祓戸神を祀る)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 吉備津彦神社-(2) (岡山) | トップ | 名古屋城の守り神「尾張四観音」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

寺社巡り-岡山」カテゴリの最新記事