アンパンマンのマーチに涙する

１１日の２時４６分直前まで
日本がこんな歴史的な大災害に見舞われるなんて
誰が想像できたでしょう！？

私は宮城県で生まれ、岩手県で育ちました。
父の出身地は宮城、母の出身地は岩手です。

だから、父と母はすでに他界したものの
宮城と岩手には、親戚知人友人がたくさん住んでいます。

心配で心配で
地震の直後から、電話をかけ続けました。

直後は、仲良くしている従姉妹と高校時代の親友からは
「大丈夫」というメールが返ってきましたが、
その後は、誰とも電話も携帯もつながらず、
多くの人たちの安否はわからず不安な日々が続きました。

わが家は、被害こそはありませんでしたが、
放射線漏れの恐怖にくわえ、電車の運休や計画停電
そして、食料品、日常品、石油、ガソリンなどの不足
さまざまな風評
絶えず襲ってくる余震
連日テレビに映し出される地獄のような惨状・・・

先日までの平和でのん気で自由な日々が夢かと思えるような
苦しく厳しい灰色の時間・・・

やがて、少しずつ連絡がとれる人は増えてきました。
でも、聞こえてくるのは、想像を絶する恐怖の体験
そして、家財が破壊され、ライフラインを断たれ、
寒さの中で不自由な生活を強いられている過酷な現状の報告。

彼らの悲鳴を耳にしても助けてあげられない空しさ・・・

そして、未だに連絡がとれない人たちも・・・

なんだか心が折れそうになる・・・

２日前、計画停電で薄暗くなったキッチンで夕食の準備をしていた時です。

ラジオから流れてきたのは、「アンパンマンのマーチ」～♪

　　忘れないで　夢を
　　こぼさないで　涙
　　だから　君は　とぶんだ
　　どこまでも
　　そうだ　おそれないで
　　みんなのために
　　愛と　勇気だけが　ともだちさ
　　ああ　アンパンマン
　　やさしい　君は
　　行け！みんなの夢　まもるため

大根を切りながら、ポタポタと涙がこぼれ落ちました。
「こぼさないで　涙」・・・なのにね。