ネイピアの対数の定義は難解だったが、昨年あたりから読みとれるようになってきた。「定義」に至る「等比数列と等差数列の対応」からたどると分かりやすくなるのではないかと思う。 志賀浩二『数の大航海』と 山本義隆『小数と対数の発見』を参考にして展開する。ネイピア対数の全貌はこの2著に詳しいが、ここでは全体ではなく、数直線(線分と半直線)上の点の運動として「対数」を定義するネイピアの「発想」の1点に絞って考察する。
等差数列の進行に時間の規則的な経過を対応させたことが跳躍点だったと考える。そして、この観点は前2著に欠けているのではないかと思う。時間の規則的な進行は、ネイピア以降、小数表記の確立とともに、間隔が縮小し、そして連続していくようになる。ここに実数と関数の考えが現れ、無限解析が可能になっていった。
10^7から0へと減少していく等比数列が、減衰していく指数関数になる過程を寸描する。
「ネイピア対数を読み解く」
1 ネイピア対数の定義を導く
2 ネイピア数eが現れる
「ネイピア対数を読み解く」(PDF)
これは、「ネイピア数eの導入を読み解く」付録4「ネイピア対数の定義とネイピア数 e の導出 」を書き直したものである。
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