よかど!鹿児島

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講演要旨④/関西・東海地区での活動(54)

2011-12-06 06:24:10 | 関西・東海地区での活動

アップルはIT産業の流れを品質・機能に変えてしまった。

そのためには長寿命の素材・部品を使う必要があるのだ。

産業タイムズ社の泉谷社長の話は続く。

今、世界では、製品を売るためには、売れる新興国に、そこのニーズに合う、安い製品を現地で造りるという傾向があるが、泉谷社長の話では、この傾向をアップルの天才スチィーブ・ジョブスが変えたと言うのだ。そのために、品質・性能面で高い技術力を誇る日本に商機が到来していると力説された。

その要旨は、次のとおりである。

安かろう、悪かろうのカルチャーはこの十数年間、IT分野で大旋風となった。しかし、いまやスマートフォンの世界は7万円~8万円という単価も出てきているわけであり、高機能・高品質重視の気風が強まっている。こうしたカルチャーはアップルというカンパニーが作ったもの。

 アップルはオープンイノベーションを掲げ、技術のロードマップを全て示し、この指とまれ方式で開発・出荷を加速。また、良い部品、良い素材をたとえコスト高でも採用し、信頼性の高い製品作りに注力した。スティーブ・ジョブスはならず者であるが、やっぱし天才、でも引退。

 ITのEMSとして急速成長の中国のトレンドも変わってきた。日本のようなハイエンドは無理としても、ローエンドから攻めてミドルエンドに移行しなければ勝てない、と中国メーカーの声が高まってきた。

環境エネルギー絡みのIT製品が増えてきたことも品質重視に傾く理由。現金で200万円を出して買った太陽電池が2年で壊れれば、どんな人でも頭はぶち切れる。2030年は取り替えなくて良いと評価の高いLEDが買って1,2年で壊れた日にはユーザーは皆、販売店に怒鳴り込むだろう。モバイルを代表とするIT機器はパソコンまで含めて5年も10年も使う人はいない。その意味では、品質保証などは事実上、どうでも良かった。例えば、スマホは携帯の最終型といわれ、ほとんどパソコンと同じという世界であるから、買った人はそう簡単には買い換えない。となれば、長寿命の素材・部品を使う必要があるのだ。

天才スチィーブ・ジョブスが、日本にとって、とても有り難いIT産業の流れを品質・機能に変えてしまった。この天才の早すぎる死は残念でならない。

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