慶應医学部端艇部 部員日誌

部員の日常を綴ります・・・。

航跡

2023-03-12 12:23:42 | 日誌

こんにちは。医学部6年、102回生の岡﨑です。

今回は最後の部員日誌ということで、僕の過ごしたボート部での6年間を、写真とともに振り返っていこうと思います。

 

1年生

新人フォアの漕手として、東医体医レガではRIHACHIに乗りました。試合は500mレースに短縮されたせいか大して疲れもせず、経験不足でよく分からないまま終わってしまった気がします。ビデオを見返すと、それなりに動きを合わせようとはしていますが、水を押している長さが短すぎてビックリです。

 

秋シーズンはMOMOに乗りました。このときに初めてクルーボートの楽しさ、全員同時に水を掴んで船を加速させる感覚、を知った気がします。練習自体も楽しかったです。ところが、本番のレースは未だに忘れられない苦い思い出となりました。スタートで半艇身〜1艇身ほどリードしていた記憶がありますが、スタミナ不足で当日の強い逆流に、1400mという距離に耐え切れず、徐々に失速し逆転されました。レース終盤、胃酸が上ってきて吐きそうになったとき、加藤さんから「緩めるなー!」とコールが聞こえてきたお陰で何とか気力を保つことができましたが、最終的に1艇身差で負けてしまいました。

僕らのレースの後、先輩方・森けん・矢野の乗った対校エイトが、前評判を覆して劇的大勝利を収めたため、部としてはお祝いムードになりました。この日の浮かない気分、後味の悪さと、対校エイト勝利を間近で観た感動が、今後のモチベーションに繋がりました。

 

年が明けて冬シーズンになり、3月のお花見レガッタでは澤田さんとダブルスカルを漕ぎました。お花見の最終日に、初めてゴールまで意識を保って漕ぎ続けることができました。流れが微順だった影響もありますがベストタイムを出し、1年前・2年前の新人ダブルのタイムも上回り、一応は目標達成ということで良い気分で打ち上げを終えました。

 

2年生

早慶戦までコックスをされていた折田さんからその役目を引き継ぐも、舵取りやコールはあまり上手くいかず試行錯誤の日々。

ただ、小池さんと同期3人との乗艇は個人的にはとても楽しく、艇庫生活も良い思い出だったと感じます。

未熟さゆえ艇速に貢献している実感があまり得られず、レースレートでのタイムが伸び悩み、東医体医レガはいずれも準決勝敗北に終わってしまいました。不甲斐なさを感じつつ田瀬湖を後にしました。

 

秋には初めてエイトの舵を握りました。慶東戦のレースではスタートで攻めていき水をあけることに成功しましたが、500m超えたところで大失速して、舵もきかなくなりました。フィンに藻が絡まったことを察したときの絶望は今でも覚えています。このとき、ぼくはただの置き物になる他ありませんでした…。

 

3年生

早慶レガッタに初出漕。早大理工にはお花見レガッタで7秒差をつけられており、チャレンジャーとして臨みましたが、2度の隅田練や長距離の漕ぎ込みが実を結び、結果的に0.49秒、カンバスの差で勝利を収めることができました。桜橋前でコールをかけた後のレートの上がり方は素晴らしかったです。コックスとしては、スタート前の方向調整、橋がない直線コースでのラダーワークが功を奏しました。クルーに貢献できたことを実感し自信をつけると同時に、自身のパフォーマンス向上で更にあと1秒、あと2秒とタイムを縮められることを確信しました。

 

東医体医レガでは昨年に続き対校フォアのコックス。2〜6年生が乗る個性強めのクルーで、東医体3位・医レガ準優勝でした。

 

三度目の慶東戦はリベンジを賭けて臨みました。しかしスタートから勢いで負けてしまい、中盤は詰めたものの逆流のなか良い流れに乗れず、ラストもスパート負けし、3秒差での苦い敗北となりました。

 

4年生

コロナの影響で活動制限、試合なし、現役終わり。

 

その後、6年生になって活動制限が緩和され、久しぶりの東医体に後輩の金井くんとダブルスカルで出ることに。圧倒的練習時間の少なさでネタ枠かと思いきや、ちゃっかり決勝進出する。

秋には海の森でのイベントに参加し、他大学ボート部の皆さんと混成エイトを結成しました。同じ船に乗ると仲良くなります。

 

以上、長くなってしまいましたが、ぼくのボート部生活はこんな感じでした。上手くいかないときが多くても、そのときの一本一本に注力して辿っていった航跡は、後から振り返るととても美しく見えます。

部活動なんて、見る人によっては、強メンがたくさん入った学校が変わる代わる勝っていくだけの無意味な営みかもしれません。ましてや医学部の部活など、関わるだけ無駄でナンセンスと感じるかもしれません(コロナ禍を経た現在では、もっと聞こえが良くて見栄えが良くて履歴書が豪華になりそうな活動をした方が良いんじゃないか?という人も多そうです)。しかしながら、自分が医学部を辞めずに6年間やって来られたのは、おそらくはボート部に居場所があったおかげ、艇に乗って同じ目標に向かって頑張ってきた人たちのおかげです。本当に感謝しています。

自分が受けた恩恵のうちどの程度を後輩や現在の部に還元できたのか…と考え始めると申し訳ない限りです。僕たちはもう卒業してしまいますが、今ボート部にいる皆さん、これから入ってきてくれる後輩の皆さん、何か困ったことがあればぜひ遠慮せずに声をかけてください。お元気で!

岡﨑