気になる数学者はたくさんいるが,最近とりわけ興味があるのは,Louis Nirengerg と Felix E. Browder,そして George J. Minty である。
Nirenberg と Browder は活躍し出した時期が非常に近いので,ほぼ同世代だろうと思っていた。
今回,Wikipedia で調べてみたところ,
L. Nirenberg は1925年生まれ,
F. E. Browder は1927年生まれ
であり,予想は概ね正しかった。両名ともまだご健在のようである。
いずれも非線形偏微分方程式論に重要な貢献をなしているが,両者は非線形楕円型偏微分方程式への位相的写像度の理論の応用において接点を持っているようである。
そのあたりの事情はいずれ調べる機会もあるだろう。
なお,Browder 氏はなんとなく非線形関数解析の人というイメージが強いが,昔から偏微分方程式論に携わっていたので,むしろ『応用関数解析』とでもいったような分野を開拓したと言えるかもしれない。
彼ら,特に Browder はソ連の Vishik 氏と研究内容がかぶることがあり,ソ連の研究者たちとも熾烈な競争を繰り広げたが,おそらく1970年代に入って H. Brezis と関わることにより,ヨーロッパ,特にフランスの研究者たち(Jacque-Louis Lions など)とも交流が生じたと思われるが,まだそこまで調査が進んでいない。
ちなみに,ふと思い立って J.-L. Lions を調べてみたら,1928年生まれ(2001年に逝去)とのことで,N氏,B氏と同世代であった。
また,Vishik 氏は1921年生まれだそうで,他の人たちに比べて「お兄さん」である。氏もまだご健在のようである。
さて,G. Minty 氏は最近の「マイブーム」なのだが,1960年~1970年のほんの10年間に僕のかかわっている分野において非常に優れた業績を挙げており,消息が大変気になっている。
二本ほどの論文に書かれていた謝辞等から,Rothe の弟子ではないかと思っていたが,その認識は正しいようだ。
(その Rothe はというと,Schimidt や von Mises といった錚々(そうそう)たるメンバーの下で学位を取得している。)
また,すさまじいヘビースモーカーで,それが原因かはわからないが,59歳で亡くなったらしいという情報も得た。
そして奥さんは日本人だそうである。
50年ほど前から爆発的に発展してきた非線形偏微分方程式論の端緒を切り開いてきた,当時若手として活躍した研究者たちは,まだご健在の方々もいらっしゃるようだが,亡くなられた方も多い。
自分に科学ジャーナリストとしての腕と才能と熱意があれば,今すぐにでも行動を起こして,当時の状況をよく知る先生方にインタビューをするなどして記録を残すことも出来るだろうが,残念ながら,そのようなことは僕の手に余る。
何しろ,そうした分野の専門家に話を聞くインタビュアーとして備えていてしかるべき知識が今の僕には全然足りないのである。
ある程度の水準に達するまではもう少し時間がかかる。そうなったら,ときどき年配の先生方の思い出話を聞かせていただこうと思う。
研究内容そのものだけではなく,ある期間の研究活動を総括するというような,周辺の話題にもかなり興味が出てきた今日この頃である。自分がそういうお年頃になってきたということの証であろう。
Nirenberg と Browder は活躍し出した時期が非常に近いので,ほぼ同世代だろうと思っていた。
今回,Wikipedia で調べてみたところ,
L. Nirenberg は1925年生まれ,
F. E. Browder は1927年生まれ
であり,予想は概ね正しかった。両名ともまだご健在のようである。
いずれも非線形偏微分方程式論に重要な貢献をなしているが,両者は非線形楕円型偏微分方程式への位相的写像度の理論の応用において接点を持っているようである。
そのあたりの事情はいずれ調べる機会もあるだろう。
なお,Browder 氏はなんとなく非線形関数解析の人というイメージが強いが,昔から偏微分方程式論に携わっていたので,むしろ『応用関数解析』とでもいったような分野を開拓したと言えるかもしれない。
彼ら,特に Browder はソ連の Vishik 氏と研究内容がかぶることがあり,ソ連の研究者たちとも熾烈な競争を繰り広げたが,おそらく1970年代に入って H. Brezis と関わることにより,ヨーロッパ,特にフランスの研究者たち(Jacque-Louis Lions など)とも交流が生じたと思われるが,まだそこまで調査が進んでいない。
ちなみに,ふと思い立って J.-L. Lions を調べてみたら,1928年生まれ(2001年に逝去)とのことで,N氏,B氏と同世代であった。
また,Vishik 氏は1921年生まれだそうで,他の人たちに比べて「お兄さん」である。氏もまだご健在のようである。
さて,G. Minty 氏は最近の「マイブーム」なのだが,1960年~1970年のほんの10年間に僕のかかわっている分野において非常に優れた業績を挙げており,消息が大変気になっている。
二本ほどの論文に書かれていた謝辞等から,Rothe の弟子ではないかと思っていたが,その認識は正しいようだ。
(その Rothe はというと,Schimidt や von Mises といった錚々(そうそう)たるメンバーの下で学位を取得している。)
また,すさまじいヘビースモーカーで,それが原因かはわからないが,59歳で亡くなったらしいという情報も得た。
そして奥さんは日本人だそうである。
50年ほど前から爆発的に発展してきた非線形偏微分方程式論の端緒を切り開いてきた,当時若手として活躍した研究者たちは,まだご健在の方々もいらっしゃるようだが,亡くなられた方も多い。
自分に科学ジャーナリストとしての腕と才能と熱意があれば,今すぐにでも行動を起こして,当時の状況をよく知る先生方にインタビューをするなどして記録を残すことも出来るだろうが,残念ながら,そのようなことは僕の手に余る。
何しろ,そうした分野の専門家に話を聞くインタビュアーとして備えていてしかるべき知識が今の僕には全然足りないのである。
ある程度の水準に達するまではもう少し時間がかかる。そうなったら,ときどき年配の先生方の思い出話を聞かせていただこうと思う。
研究内容そのものだけではなく,ある期間の研究活動を総括するというような,周辺の話題にもかなり興味が出てきた今日この頃である。自分がそういうお年頃になってきたということの証であろう。
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