担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

空想猫日記。

2010-12-24 19:46:13 | もじりあーの。
今日は穏やかないい天気。
ベッドの上でごちゃカタマリになって寝ている猫たちの中に,仲のいい靴下ネココンビのポポすけともぐちゃんがいました。

※ もぐはポポにとって甥であり孫であるという複雑な家族関係にあります。

ふたりは,ついさっきまで爆睡モード全開でしたが,ちょうど今目を覚ましたところのようです。

もぐちゃんが何か大事そうに前足でおさえているのがポポすけの目にとまりました。

ポ「あれ,もぐちゃん。その素敵な黒い玉はなあに?」
も「えへへ。これ?えっへん。ポじちゃん,これはね,宇宙の神秘の玉なんだよ。」
ポ「ええっ,なあに,それ。カッコいい!一体なんなの?」
も「うふふ。これはね,なんでも吸い込む玉なんだって。光でさえも吸い込んで閉じ込めちゃうんだって。」
ポ「・・・。え・・・,それって・・・。」
も「でもね,不思議なのが,何でも吸い込むはずなのに,『ジェット』っていうのが噴き出してるんだって。吸い込みきれなかったのが出てきちゃうのかな?よくわかんないや。」
ポ「・・・。えと,もぐちゃん,この際,そんなヤバい代物を今こうして僕たちのそばにおいているのに平穏無事なのは一体全体どういうことなんだ,というあからさまなツッコミは野暮だからやめておくけど,でも,これだけは言わせて欲しいんだ。」
も「?ポじちゃん,どうしたの・・・?なにを言っているのか,早口でよくわからなかった。」
ポ「あのね,もぐちゃん。光でさえも吸い込んで閉じ込めちゃうし,そのそばからジェットと呼ばれる噴出が見られるモノは

ブラックホール(black hole)

って言うんだよ。
でもね,いまもぐちゃんが大事そうに抱えているのは

黒い玉=ブラックボール (black ball)

で,そんなすごい宇宙の神秘とは全然関係ないんだよ。」
も「え,そうなの・・・?そっか。残念なの。」

少し寂しそうな表情のもぐちゃんを見て,ポポちゃんはしまったと思いました。

そのとき,飼い主の部屋のドアが開く音が聞こえました。

も「あっ。なでなでおじさんが出てきた!お出迎えにいかなくちゃ。」

かげりのある表情が一転して明るく元気な顔になり,もぐちゃんは勢いよく廊下に飛び出して行きました。

やれやれ,機嫌が直ってよかったなあ,と,元気よく駆けていくもぐちゃんを見送りながら,ポポすけは胸をなでおろしていました。

しかし,このとき,ポポすけはまだ気づいていなかったのです。
それどころか,ポポすけだけでなく,周りに住む人々,いや,世界中の誰もがまだ気づいていなかったのです。

猫の遊び道具にと飼い主がその手に

黒い棒=ブラックポール (black pole)

を握っていたことに。

間違えました。そんなことはどうだってよかったですね。もっともっと大事なことでした。


彼らはまだ気がついていないのでした。

今彼らが暮らしているのは,実はあるブラックホールの中だということに・・・。(了)
コメント
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