英語と子育て

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脳に痕跡を残す

2013-11-24 | 教育一般
先回、「名前を間違える」話について書いたところ、数名の方から「私もそういう経験がある」とコメントをいただきました。

ワード変換機能に頼らずに手で書いていたら、おそらくもっと正確に記憶に残るだろう、と思いましたが、やはりそうだったか!と思うようなコラムに出会いました

数学学者の新妻弘氏は、子どもの頃は算数が苦手。小学校5年生の時の病気が理由で入院して読書に目覚め、推理もの、冒険ものを読みあさる。これによって、意味をとらえる訓練ができたそう。

やはり読書によって読解力がつくわけで、どんなに計算が早くても、数学の段階になって読解力がないと、問いの意味が理解できず、問いの意味がわからないと応用問題は解けません。

新妻氏がそのことに気がついたのが中学2年生。問いの意味を理解し、計算式に置き換えれば数学なんて簡単じゃないか、と思ったのが数学学者としてのスタートだったようです。

さて、日本の小学校では1年生から国語の音読、それも大きな声ではっきりと読むことが指導されます。また算数に至っては2年生の時に「九九」を声に出して覚えます。誰もが経験していることです。

こうしたイントネーションをつけた音を唱えることによって脳に痕跡が残って、記憶として残り、覚えることができます。

そして更に、新妻氏はこう述べています。

 手を使うことも大切だ。ソロバンもいいが、筆算も有効だ。現代では幼い時から日常的にコンピューターを使うようになったため、自分の手を使って書く機会が極端に減っている。「学ぶ」の始まりは「真似ぶ」というが、名著や名文を自分の手で書き写すことは、学問の最初のステップだ。(中略)理系も同じで、数式を書き写していくうちに、なぜa=bなのかがわかったり、新しい疑問や矛盾が生まれ、学問に対する理解が深まってくるからだ。
        ― by 数学学者 新妻弘  (出所「文 MON NEXT 第106号 p.6-7」)


そういえば、私が中学生の頃は、ラジオから流れてくるカーペンターズやビートルズ、ジョン・デンバーの曲をテープに録音し、歌詞を知りたくて何回も聞きながら、必死でディクテーションをし、自分なりに推敲をして覚え、歌ったものです。今のようにGoogleサーチのボタンひとつで歌詞が出てくるような時代ではありませんでした。

こうやって覚えた歌詞は何十年たった今でも覚えているから不思議です。

やはり五感を活用させることが、脳に痕跡を残すカギとなるようです。

文明の発達による便利さは、必ずしも私たちによっていいことばかりではないことを改めて感じました 


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