ヴァイオリンとフルートのRio

ヴァイオリンとフルートに取り組んでいます。

危うい日本の防衛

2016年06月23日 20時44分58秒 | その他
 意外に選挙の争点として関心が薄い防衛問題。

 憲法9条には戦力を保持しないと明記してありますから、選挙イコール自民党への投票と思っている私でさえ自衛隊は憲法違反であると思っています。でも同時に大多数の人が自衛隊の存在意義を認めている不思議な現状があり、私も存在には大いに賛成。

 国民には災害派遣時における自衛隊の貢献度合いの印象が強いためで、憲法違反であっても存在を容認するのが日本人の寛容なところ。防衛だって究極の災害派遣と言えない事もありません。しかし現行憲法は、自衛隊違憲をことさら大げさに騒ぎ立てる根拠を与えていますから、改正すべきと思います。

 米国に守って貰えば軍備は最小限で良いと言う議論も一部にはあります。しかし、米国が日本の意向とは無関係に行動するならともかく、戦争を米国に代行して貰う事は日本の意思がそこに反映されていればやはり憲法9条違反ではないかな。自衛隊の存在には反対で日米安保条約に頼ろうとするのは矛盾しています。

 純粋な気持ちで戦争に反対する声には無条件で賛同します。でも特定の政党が自衛隊違憲や戦争法案廃止を声高に叫んで、我が国の防衛力を弱め、結果として侵略を許す事態を招きかねないのも考えもの。勿論、戦争は最終手段で、外交交渉や国連の場での議論を尽くすのが大前提と思います。

 しかし、自国の主張が絶対正しいと言って譲らず、国際司法裁判所の判決には従わないと公言するような国もありますから、外交交渉や国連の場での議論だけで済まない可能性もありますし、拒否権を持つ常任理事国が当事国であると決まるものも決まりません。そのような場合に憲法9条に固執するのは自殺行為と思います。

 次のような問題も有るのではないか。

 仮に憲法により戦争が出来ないとすれば、残るのは正当防衛のみ。いざと言う時の対処も相手次第と言うか後手しかありません。敵の軍艦がわが国の護衛艦に照準を合わせる(最近の用語ではロックオン)行為があっても、その段階で撃ち返す事は出来ず、実際に相手のミサイルが命中してようやく正当防衛による反撃が出来ると言うもどかしさ。敵の思うつぼになります。

 日露戦争などにおける艦砲の撃ち合いと違って、相手の一発のミサイルが命中したらそれで一巻の終わり。フォークランド紛争の際に、アルゼンチン空軍の戦闘機が発射した一発の対艦ミサイルが英国海軍の駆逐艦に命中し、火災が発生して沈没に至った例もありますから、先に撃てないと負けたようなもの。

 恐らく自衛隊は、警察官の拳銃使用基準にならっているからではないかな。警察官も、かつてはなかなか発砲できなかった時代がありましたが、警察官が刺されて重傷を負った後に発砲し、当の警察官が殉職した痛ましい事件があって以来、拳銃の使用も緩和されました。徒に犠牲者を出さないためと言われます。

 自衛隊の武器使用基準は今でも厳格なようなので、一隻数百億円と高価な護衛艦も少なくとも最初に撃たれた何隻かは犠牲になる可能性があります。沈没すれば、普通の護衛艦一艦なら約200名の日本国民である乗員の生命が危険にさらされ、正当防衛による反撃の機会も失われます。

 領空侵犯を阻止するスクランブル発進の際に戦闘機が二機で向かうのは、一機が撃墜されたら残る一機が正当防衛の名目で反撃するためと聞いた事があります。本当であればこれも又人命無視。

 せめて攻撃のマニュアルくらい作れるよう、緊急時には先制攻撃も可能とするくらいの確固たる法的根拠を与えるべきと思います。


《コメントを下さる方々へのお願い》
 コメントを下さる方は、ご自身のブログのURLをご記入下さい。
 お考えとあまりに違うご返事を差し上げるのは失礼になると思いますので、ブログを拝見してどのようなお考えの方かを私なりに理解した上でご返事を書きます。悪しからず。


にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへにほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ フルートへにほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログへにほんブログ村