ヴァイオリンとフルートのRio

ヴァイオリンとフルートに取り組んでいます。

ヴァイオリンで不思議に思うこと(10)

2011年03月05日 09時44分12秒 | ヴァイオリン
 ヴァイオリンの素材や構造は、ストラディヴァリウスなどの名器が作られた時代から基本的な変更が無いそうです。

 将来を考えると、良材の枯渇も予想されますから、もっと新素材や新製法の検討もされてよいのではと思います。でも、伝統が物を言う世界なので、こう言う検討はあまり聞きませんね。日本ではヤマハが新しいことに意欲的で有名ですが、残念ながら、芸術家もアマチュアも評価したがらない傾向があります。

 弓の場合には、原料の枯渇はもっと深刻で、既にカーボン弓が市場に出回っていて、一定の評価が与えられています。ローコストな木弓よりカーボン弓の方が優れていると言う人もかなり居ますが、カーボン弓が木弓を上回るところまでは行っていません。

 ヴァイオリンをクリスタルガラス、アルミニウム、カーボンなどで作ったと言うような話題はあります。しかし、ガラスや金属では重すぎますから、合成樹脂を主体として、充填剤で強化したものが素材の候補として考えられます。充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、木粉などが考えられそうですね。

 合成樹脂で胴の部材を製作する際に、射出成型法を利用する程の生産規模は無さそうですから、ハンドレイアップ法かプリプレグを用いたプレス法になりそうで、結局、カーボン弓の場合と似たような製作法になりそうです。あるいは木材との複合もあるかも知れません。金型を使う方法なら、一定の寸法、形状のものを得やすい利点もありそうです。

 カーボン弓の場合には、既存の弓メーカーよりも、新たな企業が進出しているケースが多いようです。ヴァイオリンの場合、個人の製作家は、このような新素材の検討を行う可能性が低そうですから、既にカーボン弓を製作している企業が可能性としてありそうです。カーボンと言えば、ケースのメーカーもあり得ますね。いずれのメーカーの場合も楽器店とのルートがあります。

 仮に新素材のヴァイオリンが完成したとしても、どのような市場を狙うのかが難しそうです。取りあえずは初心者用を狙うか、量産品の安価なクラスでしょうか。分数も向くかも知れません

 比較的最近に、台湾製のプラスチック製フルートが話題になりました。同様のプラスチック製ピッコロをプロのオーケストラで使った例もあると聞きますから、新素材のヴァイオリンでほどほどのものが完成すれば、学校のクラブで使用する楽器などにはよいのではないかと思いますが。

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コメント
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