A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

夏休み始まる・4

2007-08-30 18:43:24 | つれづれ
 友人宅に着くと、まずオートバイを駐車場に停め、レインウェアを脱いだところで、はたと困った。ぐじゃぐじゃの服で家にあがり雨水をしたたらせながら歩くわけにもいかない。玄関で足ふき用のタオルを前にとまどっていたら「風邪を引くといけないから最初にお風呂にどうぞ」という声。足ふきタオルを引きずりながら脱衣所に向かう。
 また下着の替えは持っていったが、あいにく服の替えはない。おまけにその友人はスリムなので服を借りるのも難しい。そもそものサイズが全然違う。
……結局のところ、上はその友人が言うに「一番大きくてぶかぶかのシャツ」を、下はもう一人暮らしをしている大学生の息子さんのバーミューダーを借りる。
幸いなことに、パツンパツンの状態ではなく、なんとか普通に着こなせた。風呂上がり後、ほっとして食卓に向かう。

 食卓には奥さんの手作りの料理、ビール等が用意されている。真夏のツーリングで汗をかき、おまけに気のおけない友人宅での最初の一杯である。ビールも料理も旨くないわけがない。この宴席に関しては「最高の味わいだ」という以外に語るべき言葉を僕は知らない。

 大学時代の思い出話に花が咲き、当時の懐かしい、恥ずかしい、情けない話で盛り上がる。一緒に食卓を囲んだ娘さんには(TVの歌番組の邪魔にもなったようで)申し訳なかったけどね。
 まあ、この年になって昔話で盛り上がることができるというのは、その当時を一生懸命に生きたことの証であり、年寄りの特権なんだ、なんてことをいいながら飲んでいたのである。
 楽しい宴席は時間を忘れて続く、娘さんと奥さんが先に休み、缶ビールが3本、ワインが3瓶、日本酒が1合程度空いたのだろうか、時計は既に午前3時。本当に大学生並みのノリである。だが、さすがに僕が先に音を上げて、3:15頃、おひらきとなった。

 ありがたいことに寝室の枕元には、冷たいお茶が入ったポットを用意いただいていたのであるが、それに手を付けるいとまもなく、いつもの「枕に頭をのせた瞬間にいびきをかく」という実力を遺憾なく発揮して、瞬間的に眠りに落ちた。(^^;

 翌朝、蝉の鳴き声で目を覚ます。寝付いてから6時間後の9:15。幸いなことに二日酔いにはなっていない。
 寝床を片付け、顔を洗い、起きてきた友人と朝食を頂く。卵焼きにレタス、コーヒーにトースト。シンプルだがおいしい朝食である。
 朝食を食べ終えると昔話の再開。友人の部屋で個人蔵書の山を前にしながら、またひとしきり。
 それでまた、話し込んでいるうちに昼食の時間である。昼食はベーコンとブロッコリーのチャーハン。これもうまい。シンプルな料理を旨く食べさせるというのは、じつは基本的な技術がしっかりしてないと難しいのだな。油ギトギトでもなく、ご飯がべっしゃりとしている訳でもなく、ふんわりと柔らかく暖かく、それでいて香ばしいチャーハンは難しいぞ。
 友人よ、解っているか? 君のお袋さんもそうだったが、君の奥さんもかなりレベルは高いぞ。もっとありがたみを表に出せ。

 ……というやっかみ半分のつぶやきはともかく、今度は奥さんも交えてTVを見ながらの世間話。「ちょっと頭が痛い。楽しかったから、昨日は飲み過ぎたかしら」というにこやかなセリフは、昔の同級生の僕としても、とても嬉しいものだった。

 前日からお世話になり、夕食・朝食に続いて昼食も頂いて、さすがにそろそろ引け目を感じてきた。14:30。眺めていたTV番組が終わったのを機会に暇乞いをする。
 友人のコレクションからDVDを3本借り、身支度を整え、代わる代わるデジカメで記念撮影をし、表に出る。

 改めて明るいところでオートバイの様子を説明し、起動時にメーターの針が動くアクションを見せた後、ヘルメットをかぶり、グローブを装着する。
 再会を約し、エンジンをかけ、片手をあげて走り始める。バックミラーで手を振る友人一家の姿に後ろ髪を引かれる思いを残しながら、それでもオートバイは動きだし最初の角を曲がる。
 別れの瞬間はいつも少し切ないが、それなくしては再会の喜びはあり得ない。気を取り直して背筋を立てる。さあ、帰京だ。

 15:10。東名・静岡ICのETCゲートをくぐる。土砂降りの洗礼を受けた清水・由比のあたりを数十分の所要時間で通り過ぎながら東名道を東進する。本当に昨日は、何時間も土砂降りの中にいた気がするよ。
 途中、海老名SAで休憩を取った以外はほとんど停まることもなく、16:41に東名の料金所を、16:45に首都高料金所のゲートをくぐり、渋滞をすり抜けながら湾岸線に抜ける。荒川河口に架かる橋を登って降りたらもう自宅も近い。

 17:15頃、無事、自宅に帰り着く。荷物を片付け一息ついた17:45頃、友人宅へ無事帰着の電話報告を入れる。ほんの数時間前までは熱く語り合っていたのだ。電話でもその雰囲気は冷めやらず、また昔話が始まりそうになった。自分でも驚いたがとても嬉しくもあった。

 こうして僕の夏休みイベントは終わった。明日(8/26)はリハビリの日。明後日の社会復帰に向けて心と体の準備をする日になるだろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。