A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

同期会の夜

2007-02-17 09:41:30 | つれづれ
 昨日、同期会があった。20数年前、同じ会社の新入社員だった仲間のうち12名ほどが都内某所の中華料理店に集まり円卓を囲んだ。

 今も同じグループ会社にいるやつ、会社を辞め自分で起業し社長になっているやつ。一番上の子供が成人したやつ、相変わらず未婚のやつ。太ったやつ、やせたやつ。老けたやつ、あまり変わらないやつ。
 20年ぶりに顔を合わせたやつもいて、昔話、知人の消息、お互いの健康状態と、まことに中年らしい話題で盛り上がった。

 宴席は瞬く間に終わり、二次会のセッティングが告げられる中、僕のいつもの悪い癖が頭をもたげる。くだんの孤独癖だ。

 二次会を辞退して挨拶をして歩き去ろうとすると何人もの人間が~特に久々にあった奴らが~握手を求めてきた。
 正直な話、嬉しかった。そして、その途端に気づいた。

 僕が二次会を固辞したのは孤独癖なんかじゃない。劣等感によるものだ。
 僕がのうのうと今の会社で自分を追い込まず、ぬるま湯のようにサラリーマン生活を続けていっているのに比べ、やつらは皆大人だった。社長としていろいろな責任を背負っているやつ。私生活でいろいろあって、それでも懸命にがんばっているやつ。
 僕はそんなやつらに引け目を感じてしまったのだ。

 でも、やつらは「また会おう」と言ってくれた。握手をした掌は暖かかった。
 こんな情けない僕でも同期の末席に名を連ねていていいんだと思えることが嬉しかった。

  >>友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
  >>花を買ひ来て
  >>妻としたしむ

 同郷の詩人はこう謳う。

 花こそは買ってこなかったが、そんな気持ちで玄関の戸を開けた。
 犬が「ワン!」と元気よく吠えた。家内が笑いながら「お酒くさい」と言った。