石見益田、満福寺本堂
















     島根県益田にある、清瀧山満福寺は、時宗の寺。
     室町時代、水墨画の絵師で画聖とうたわれた、雪舟。
     実は、この寺には、雪舟が作庭したと言われる庭園があるのです。
     雪舟は、周防の大内氏に仕えたことがあり、また、近傍のここ益田
     は、終焉の地とも伝えられています。
     庭園を見に満福寺の門を潜ったのですが、そこで思いもかけず、
     すばらしい本堂をみることができたのです。
     (・・で、また、お寺です。ブログのタイトルに免じてお許しあれ。)
     建立の年代は、定かではないが、14世紀の前半と推定されるそうだ。
     お堂は、鎌倉時代の寺院建築の典型的な特徴を備えると言われ、
     華麗さに代えて、簡素な力強さがある。後代の補修を思わせる箇所
     もあるが、特に、大らかで美しい屋根の線が見事である。
     人々とともに、念仏を称え全国を遊行し、後に時宗の開宗とされる
     一遍上人の思いには・・、こういった簡潔なお堂こそ相応しい・・と
     思わせられる。

     (受付の婦人は、「全部見て行ってください。写真も構いませんよ」。
      縁に座って、雪舟の庭園を見、本堂の畳の上で、金色の本尊
      阿弥陀佛に手を合わせた。
      外の猛暑にくらべ、薄暗い本堂には、微かな涼しい風が吹いていた。
      日本海に面した、この益田は、雪舟とともにもう一人の所縁の人がいる。
      万葉歌人の柿本人麻呂。柿本神社もある。思いもかけぬ歴史の人の
      名を聞く。)
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