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不易と流行

2008年01月25日 | 私見
文科省指定と岐阜市指定の研究発表会に行ってきました。

ICTを活用した授業と言うことで、「一時間の中で鉛筆を一度も持たない授業」というような妄想を描きながら参観しましたが、読み、書き、計算という“不易”の部分はしっかりと残し、地域の方を講師として大量に招くというアナログネットワークもしっかり張り巡らせた上で、“流行”の最先端である情報機器もちゃっかり全教室で使っている、と言った感じの発表でした。つまり、教科書も、お年よりも、パソコンも、子ども達にとっては等しい“学びの道具”であるわけです。授業の序盤、中盤はしっかりと黒板やノート、お年寄りと学習し、終盤にはドリルをやったり、図書室やパソコン室に各自で行って、自由に発展問題に取り組んだりしいました。「子どもが主体的に学ぶ」などという題目が並べられる研究は多いですが、この学校は見事にやり遂げていました。
午後の講演を聴き、面白いと思った事をピックアップします。かなり私見も混ざっていますが(笑)

①若い先生はパソコンに触れるな。年配の先生こそパソコンを使え。
・・・若い先生は引出しができていない。パソコンを与えると、暴走する。まずは子どもとじっくり付き合うことが必要だ。逆に年配の先生は、たくさんある引出しをパソコンを使って整理することが必要だ。そうすることで、学校全体の教育力の底上げとなる。
②時間と給料は有効に使う。
・・・フリー(校長、教頭、養教など)は、休み時間に子どもを見る。担任は、授業中に子どもを見る。休み時間は職員室でコーヒーを飲んで校庭を眺めていれば良い。担任が子どもを見ている間、フリーで必要な取り決め等、会議をしておく。すると放課後に会議がなくなる。担任は分掌事務がなくなり、教材研究等、子どもにじっくり付き合えるようになる。
③同じ事を2度3度しない。
・・・担任は、毎日出席表をつけて、毎月出席簿に転記して、毎学期通知票に出欠状況を転記して、毎年指導要録に1年間の総計を載せる。こんな無駄なことはない。毎日、担任が出席要をつけたら、全てが自動的に記載できるようシステムに改善するだけの話。個人情報の管理や、成績等も一緒。日々の記録を積み重ねればそれで終わるようにする。空いた時間を、子どもと付き合う時間にできる。
④お金は搾っても出ない。搾るのは知恵だけ。
・・・会議がペーパーレスとなり、全員が職員室で仕事をすれば、紙代や暖房費で年間10万円が浮く。そのお金でプロジェクタが買える。実物投影機は高いが、古くなったビデオカメラを下方向に固定すれば十分代用できる。教室用簡易スクリーンもシーツで簡単に作れる。教科書を映せば、チョークも拡大プリンタも必要ない。またお金が浮く。全てが子どものために使える。
⑤公務の情報化が進むと、教師は忙しくなる。
・・・教師の仕事は、学習、生活の指導等、子どもに付き合う仕事と、様々な書類書きがある。情報化によって書類書きが少なくなると、子どもに付き合う時間が増える。充実感が増し、逆によりがんばろうとする。忙しいが、疲れない。何故なら、「教師の魂は子どもに向いている」からだ。

と、さすが文科省指定。ここまで独自性を打ち出した発表は初めて見ました。講演によると、岐阜のパソコン整備率はトップクラス(市内は100%)ですが、活用率は中位に位置しているそうです。これほどまで“不易”と“流行”を使い分け、ICT構造改革を進めたこの学校でも、色々な意味でまだ情報機器を要所要所で完璧に使いこなしているわけではなかったので、その辺が課題と言えるだろうと思います。

明日は、市の教育政策をレビューします。(多分)

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