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宮之浦岳日帰り考察

2015年05月08日 | Weblog
 

ヤクシカはそれこそ登山道ですれ違うほど(笑)頻繁に出会いましたが、ヤクサルは帰りのバスの中で2度見かけただけでした。

雪も降るそうですけど、年中通して温暖湿潤な気候なので食べ物に困らず、これ以上大きくなる必要がないために普通の鹿より小ぶりに進化したそうです。と言うわけでメインの2日を白谷雲水峡、縄文杉で過ごしてきました。当初の目的は果たしたので十分満足できたわけですが、やはり人間成功すると欲が出ると言うか、次の目標を考えたくなるもの。今回は日程的に不可能だと思っていた日本百名山「宮之浦岳」の日帰り登山が本当に不可能だったのか検証してみたいと思います。ちなみに「私の場合」の考察なので、この記事を見て遭難されても補償はできかねます(笑)事前にジョギングで1日25kmか、ウォーキングで1日40kmか、平泳ぎで1日7kmくらいは行ける体力をまず身に着けて下され。また、日帰りにこだわるわけは、上記のトレーニングの弊害と言うか、寝袋のように重いものをずっと持って歩きたくないだけです(笑)
屋久島はほぼ円形の島で、中心に宮之浦岳があり、12時の地点に宮之浦港、3時の地点に安房港があって、登山道へはそのどちらかからアプローチする形です。必然的に、登山コースはそれぞれの登山口から目的地まで同じ道を往復するような形で構成され、路線バスもそのコースタイムに合わせて運行しているようです。なので、自分のようにコースタイムの6~7割で行ける場合はバスの時間までちょっと待つ羽目になるので、何か他の道も行けたのじゃないか?という気になってしまうのですね。また、行く前にはよく分からなかった白谷雲水峡と縄文杉と宮之浦岳の道のつながりも見えてきたので、往復せず上手に縦走することを考えれば、もう少し視界が開けた可能性もあります。
参考までに、グレートトラバースの人はどうしたかというと、安房から去年の4月1日夜0時にスタートし、5時に淀川登山口という所に到着。8時に宮之浦岳へ登頂成功し、そのまま縄文杉方面に下り、ウイルソン株を12時に通過、さらに楠川から白谷雲水峡を抜け、バスで通ってきた道路も全部歩いて日没の18時までに宮之浦港に到着しています。これだけ聞くと何か行けそうな気もしてきますが、流石に宮之浦岳1936mを始め1500m級の山を5つまたぎつつ25kmの山道と35kmの舗装道を18時間で歩ききる体力はありませんね。単純にコースタイムを当てはめると登山道だけで17時間。正真正銘1泊2日コースであり、普通日帰り登山は不可能だと言って良いでしょう。一般的に可能かどうかは、彼を基準にして決めてはいけないと言うことですな(笑)

では順番に1日目から考察していきます。まずは①白谷雲水峡から縄文杉を見て日帰りで帰れたかどうか。屋久島のメイン2つを1日目に済ませられれば、2日目に宮之浦岳のみに焦点を絞った日帰りチャレンジと言うことも考えられます。距離自体は計23kmなので、荒川登山道から縄文杉を往復する22kmとそう変わりません。問題は出発時間でしょう。白谷雲水峡に8:55着は、路線バスでの最速値。ここから太鼓岩まで2時間かかりましたが、屋久杉を見て回る寄り道コースを選択しなければ1時間半で行けるでしょう。縄文杉のコースに合流する楠川分れまでは上りも下りも30分。まあ11時として、その後は2日目の行程で計算して行くと、縄文杉には13時頃到着できる計算になります。大体4時間ですね。下山は多少速いですが、それでも白谷雲水峡へ戻ると16時ですから、16:10発の最終バスには結構ギリギリになってしまいます。実際はもう1時間寄り道にかけているわけですし、当然太鼓岩や縄文杉で観光・休憩もしますから、あのタイミングでの日帰りは不可能だったと言えると思います。当然日帰り宮之浦岳を目指すことはもっと不可能ですね。まあ、帰りはバスに頼らず、歩いて12km下るのなら別ですが(笑)無理して戻らす、縄文杉を見た後で荒川登山口の方へ行くとすると、ひたすら下りですし帰りは2時間半ぐらいでしたから、16:30発の路線バスには十分間に合うでしょう。そのまま乗り継ぎ安房経由で宮之浦に戻ることもできますし、屋久杉自然館までなら最終18:00までバスがありますから、最悪でも安房まで下り3kmぐらいなら疲れていても歩ける距離です。つまり宮之浦から出発し、縄文杉で折り返して荒川登山道に抜け、安房に泊まるのなら①は可能だったと言えますね。ちなみに屋久杉自然館から荒川登山口までは載り放題券が使えないので、宮之浦から白谷雲水峡まで550円、荒川登山口から屋久杉自然館まで870円、安房から宮之浦まで830円、計2250円で済みます。これらの行程なら乗り放題券を買う必要はないでしょう。

次は2日目の、②荒川登山口から宮之浦岳まで日帰りで行けたか。早朝バスに載り、荒川登山口に6:15に到着でき、帰りのバスも最終18:00と遅いのが魅力です。縄文杉まではトータル3時間半、観光しながらでも10時には着くことができました。ここから宮之浦岳までは高低差500m、約5kmの道のりが待っており、コースタイムは4時間半だそうです。ここから先は実際に行った訳ではないので推測になりますけど、既に11km来た体力を鑑みて、まあ急いで登っても3時間半、13時半に登頂できるかどうかと言う印象です。さらに登頂後は来た道をまた16km戻るわけですから、へばった体力での下山を5時間半と見ると19時となり、荒川登山口の最終バスに間に合いません。白谷雲水峡は19時半到着ですからもっと無理です。何かわざとギリギリアウトになるようにバスが用意されている気さえしてきますな(笑)タクシー会社の陰謀か!?・・・まあ、32km12時間半の行程で1時間オーバーですから、頑張ればギリギリセーフとなる可能性もありますな。登山あるあるの1つとして、こういう同じコースを往復する登山は必ず帰りに来た道を通るわけですから、実は途中でリュックなど必要のない荷物を置いて行くことで身軽になり、速度を上げることが可能なのです。「盗まれないか」という心配をする人もいるでしょうけど、例えば1時間も山奥に置いてあったリュックを盗んだとして、その人は1時間、2つのリュックを背負って登山口まで歩くわけですから、明らかに不審者です(笑)そんな苦労をして、入っているのが替えの服やパンツとかだけだとしたら、実入りもありません。特に多くの登山者が行き交う人気のコースほど物色することも困難になり、置いていっても盗まれ難いものなのです。例えば途中の山小屋で着替えだけでも出して「後で取りに来ます」とか書き置きさえしておけば、ずいぶんと軽くなるでしょう。と言うことで、荷物を置くなどして強行すれば②も不可能ではない可能性があるとしておきます。また、この時期は19時でも結構明るいので、何とか急いで白谷雲水峡に戻れば、あとは車道を12km歩いて目標21時というのもアリでしょう。44kmはかなりの強行軍ですけど・・・いずれにしても自分は縄文杉の時点で食料が尽きたので、挑戦しなくて良かったと思っています(笑)これは明らかな準備不足ですな。ちなみに、前日とは出発に2時間半のアドバンテージがあるので、荒川登山口から縄文杉を折り返して太鼓岩に抜け、そのまま白谷雲水峡のバスで帰ることは余裕で可能です。バス代も上記と同じになり、載り放題券は必要ありません。白谷雲水峡の入場料300円も必要ない(荒川登山バス時に支払い済み)のでちょっとお得です。

ここで視点を変え、宮之浦岳の日帰り登山が可能という触れ込みの③淀川登山口を使うとどうかを考えます。既に標高1400mから登り始められるので、高低差500m、往復16km7時間の道のりです。今回の旅行では行きませんでしたが、屋久杉自然館からヤクスギランド、紀元杉の方へ行くバスも存在し、淀川登山口は紀元杉から歩いて30分ほどだそうです。ヤクスギランド自体は大回りしても3km2時間ぐらいのコースで、縄文杉や白谷雲水峡など普通に登山する体力に自信がない方でも楽しめる、言わば登山初級者用施設のようです。紀元杉に至ってはそのままバスに乗っていれば車道から見える屋久杉らしいですしね。なので今回のプランでは一切考慮していません。まあそのせいか、バスものんびりと安房9:20発と13:33発の2つしかなく、宮之浦を8時に出発し乗り継いで到着できないことはありませんが、最速で11時少し前に登山開始と言うことになってしまいます。しかも帰りのバスもめっちゃ早く、14:50発が最終となっています。これは白谷雲水峡か荒川登山口から出発し、山小屋に泊まって翌朝宮之浦だけに登り、昼に向けて淀川登山口に降りてきた人向けのバスだといえるでしょう。つまりこの淀川登山口往復バスは完全にどこかの山小屋を使う1泊2日プランを想定しており、宮之浦岳への日帰り往復は不可能ですし、②のコースで宮之浦岳に登り、淀川登山口方面へ3時間で下山したとしても16時を回ってしまい、いずれにしても帰りのバスに間に合わないのです。従って、そもそも淀川登山口は路線バスでの日帰り登山不可能だと言えるでしょう。最終手段は安房まで23km5時間、歩いて帰ることか・・・
ここからが本当の地獄だ!
何かべジータの声が聞こえた気がしましたが(笑)まあ淀川登山口のアクセスはタクシーやレンタカーが現実的でしょう。つまり淀川登山口から日帰りで宮之浦岳往復と言う触れ込みは、タクシーやレンタカーで往復することが前提だと言うことですね。早朝タクシーを予約し、安房から朝6時頃に淀川登山口へ連れてきてもらえれば、10時宮之浦岳、13時縄文杉、15時太鼓岩、16時白谷雲水峡と、最終バスにギリギリ間に合うと思われます。ちなみに料金は安房-淀川で片道5500円くらいだとか。白谷雲水峡-宮之浦港は3000円程度。疲れた後で10km20km歩くことを考えればまあ妥当な額でしょうか。

結論。実現可能な宮之浦岳日帰りプランは以下の4つです。【数字】は登山道の距離
①早朝バスで荒川登山口を出発し、楠川に荷物を置いて縄文杉、宮之浦岳に登り、再び楠川から白谷雲水峡に抜け19時半。その後12km歩くかタクシーで宮之浦へ。【32km折り返しプラン】
②早朝バスで荒川登山口を出発し、縄文杉、宮之浦岳に登り、淀川登山口へ下りて16時半。その後23kmタクシーで安房へ。【24km白谷雲水峡パスプラン】
③安房に泊まり、なるべく朝早くタクシーで23km淀川登山口へ。宮之浦岳に登り、縄文杉、白谷雲水峡を抜けて16時。最終バスで宮之浦へ。【25km完全縦走プラン】
④1日目に白谷雲水峡と縄文杉を見ておき、安房に宿泊、2日目にタクシーかレンタカーで淀川登山口から宮之浦岳に登り、折り返して淀川登山口から再び車で安房へ【23km+16km単独プラン】


過酷順に並んでいますから、一番タクシー料金がかかりますが④が一番現実的でしょう。③は簡易グレートトラバースコース。荒川登山口から攻めるより高低差が少ないのが魅力です。②は1日目にウォームアップを兼ねて白谷雲水峡を堪能しておくと良いですね。地獄が見たい方は①の44kmを是非(笑)

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