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リニア不正入札

2017年12月18日 | 時事
【リニア不正入札】大手ゼネコン4社一斉捜索へ 特捜部と公取委 独禁法違反容疑
いわゆる談合ってやつですな。

リニアはJRなので一応民間ですが、やはりこういう巨額のプロジェクトは入札で決めている模様です。入札とは予定価格を決めておいて多数の会社に「いくらでやります」と見積もりを出させ、その予定価格になるべく近くてかつ一番安い会社に受注するという仕組みです。例えば予定価格100億円であれば、110億円と90億円があれば90億円を選びますが、50億など極端に安い場合は逆に選びません。流石に当てずっぽうではないので(笑)そこまで極端に低いことはなさそうですけど、予定価格は基本的に公表されないので、どの程度の儲けを出しつつ他社を出し抜けるかが勝負になるわけです。仕事をもらえないと話になりませんから、泣く泣く儲けがほとんど出ない額で見積もりを出し、引き受けることになることもあるわけです。
しかし、もしその予定価格が事前に分かっていたとしたらどうするか・・・これは超有利な状況です。要は99億円と書けば一番儲けがでるわけですからね。ただ、他の会社に90億と書かれてはいけないので、「今回はウチに落札させてください」と頼んで100億以上の額を書いてもらうこと。これを談合と言います。大きな仕事はそういくつも受ける必要はないので、そうやって順番に引き受けるようにしておけば、誰も文句が出ず一番儲けが出る仕事を順番に受注できるというわけですな。しかし、これでは競争原理が働かず、払う方はいかに予定価格とはいえ常に想定の100%近い出費となってしまうことになり、良いはずがありません。特に公共事業など国が絡む場合は官製談合と言い、その費用は皆の税金から支払われるわけですから、当然法律(入札談合等関与行為防止法)で予定価格を漏らしてはいけないと定められています。今回は民間なので、当初は偽計業務妨害(JRを騙して不当価格で入札し業務を妨害した)容疑でしたが、どうやら大手4社が関わっていたことが分かり、独占禁止法違反(闇カルテルと入札談合)ということになるようですね。

今回、リニア工事は全部で22区画あったそうですが、そのうち15区画で大手4社が仲良く4,4,4,3と分け合っており、素人が見ても余りに綺麗に分かれすぎています。ただ、中には難工事の箇所もあり、大手じゃないととても引き受けられない(儲けが出ない)という事情もあるようですね。まだ世界中のどこにもない夢の超特急を走らせる大工事なので、ある程度は力のある大会社がやるべきだろうとは思いますが、その受注調整によってどの程度自由競争が阻害されたのか、解明が急がれるところです。